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里見女流5冠、奨励会三段リーグ戦に最後の挑戦

女性初となる将棋のプロ棋士を目指す里見香奈三段=大阪市福島区の関西将棋会館で2017年10月10日午後3時25分、新土居仁昌撮影

 将棋女流棋士の第一人者、里見香奈女流5冠(25)が、女性初の正式プロを目指す第62回奨励会三段リーグ戦が今月21日開幕する。過去4回のリーグ戦は厚い壁にはね返された。リーグ戦のさなかに26歳の年齢制限を迎える里見にとって、勝ち越さない限り退会を強いられる瀬戸際だ。「支えてくれる方々への感謝の気持ちを胸に、今できることをしっかり自覚して、こつこつやっていきたい」。気負いを感じさせない里見が、夢をつかみ取るか。最後の戦いに注目が集まる。【新土居仁昌】

 第62回三段リーグ戦は36人が参加。来年3月まで、1人が18局指し、上位2人が四段に昇段、晴れてプロ棋士となる。女性は里見と西山朋佳(ともか)三段(22)の2人が挑む。

 里見は女流育成会を経て2004年10月、12歳で別制度の女流プロになった。現在、女流6冠のうち女流王座や女流名人など5冠を保持。鋭い攻めと出身地から「出雲のイナズマ」の異名を持つ。

 女流棋界ではトップを独走するが、小学生時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた男子と同じ道を歩みたいとの思いを断ち切れず、11年5月、奨励会1級の編入試験(対局)に合格。13年12月には女性初の三段に昇段した。しかし、体調不良のため三段リーグ戦をいきなり3回連続で休場した。

 15年10月開幕の第58回リーグ戦に初参加。これまで4回のリーグ戦での最高成績は第60回の8勝10敗だ。「逆転負けがけっこうあった。秒読み将棋になって悪手を指さないことが大切。三段までは勉強すれば昇段できたが、そこから人とは違う何かをしなければプロの座はつかみ取れない」と、三段リーグ戦の厳しさを語る。

 思うような結果が出ず、いつしかネガティブ(否定的)な思考に陥っていたという里見だが、ここ1年ほどの間に将棋界以外のさまざまな人たちと交流する中で、物の見方は一面的でないことに気づいたという。「1日2局のリーグ戦で、最初の対局に負けても、次は気持ちを切り替えられるようになった。感情をコントロールして、力を出し切れる状態で臨みたい」と、静かに闘志を燃やす。

四段昇段なら女性初

 将棋のプロ棋士養成機関の奨励会は6級~三段で構成。女性は過去に20人が在籍したが、三段まで昇段したのは里見、西山の2人しかおらず、四段に昇段してプロになった女性はまだいない。奨励会は26歳の年齢制限があるが、三段リーグ戦で10勝8敗以上の成績を上げれば、29歳までは次回リーグ戦に参加できる。

 囲碁には奨励会にあたる院生制度があるが、初段(入段)でプロ資格を得る。女性だけの入段予選や、かつてはプロへの推薦制度もあり、現在、日本棋院と関西棋院を合わせて80人を超える女性プロがいる。

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