第48回衆院選は10日、公示された。

 民進党を離党し、立憲民主党に合流した辻元清美氏(57)が10日、森友、加計学園問題で安倍政権の説明責任不足について「隠蔽(いんぺい)体質の政治だ」と辻元節をさく裂させた。大阪10区は同氏を含めて前職3人出馬の激戦区。日本維新の会の松浪健太氏(46)にはアントニオ猪木参院議員(74)が応援に駆けつけ、唱歌「どんぐりころころ」をもとに、希望の党小池代表を引き合いに出し「小池にはまってさあ大変…」と熱唱。3陣営はヒートアップした。

 大阪府北部のベッドタウンに位置する大阪10区(高槻市、島本町)。この日夕、JR摂津富田駅で辻元氏が立候補のあいさつを始めると、大阪のおっちゃんが駆け寄ってきた。「よう筋を通した」。手を握り、何度も肩をたたいた。高校生と握手した辻元氏は「おばちゃんは頑張るで」と声を弾ませた。

 小池氏と前原代表による合意で民進党は事実上、解党。希望の安保法制の踏み絵を迫る「排除の論理」に異議を唱え、無所属での出馬を覚悟。その後、立憲民主への参加をいち早く表明した。選挙戦初日を迎え、辻元氏の事務所関係者は「これほど頻繁に有権者の方から握手を求められることはなかった」と話した。マイクを握った辻元氏は安倍政権に対し「隠蔽体質の政治だ」と批判し、「排除と分断から包摂と対話の、まっとうな政治を取り戻す」と訴えた。