“――日本のネットでも、いわゆる「ネトウヨ」と言われる保守的な主張が幅を利かせていますね。
逆に「ネットリベラル」の人って、そんなにいないですよね。ヘイトスピーチへのカウンターは一定勢力になっていますが、あれは反差別運動だからリベラルとは違いますし、彼らはヘイトだけでなく、旧リベラル勢力や朝日新聞なども苛烈な言葉で攻撃しています。そうした状況も含め、情報発信の勢力がアンバランスになっているというのがいまの日本の現状なんでしょう。
たまに中道左派やリベラルの人が情報発信をしても、保守系の人たちが数の力で押さえこむことができる。ツイッターは140字しか書けないのでどうしても言葉足らずになってしまいますし、いくらでも発言の不備をついて揚げ足取りできる。攻撃をする側も議論しようとは思っていないから、相手が黙るまで集団で攻撃を続ける。
中道的な意見は左右両方から叩かれ、過激な意見を持つ人に支持が集まっていくので、その結果、普通の人が発言をしなくなっていく……。このあたりは山口真一さんと田中辰雄さんが著書『ネット炎上の研究』で示されていますね。そういう情報環境になった結果、ネット上では保守層の対抗勢力が、数的になくなりつつあるという状況なんじゃないでしょうか。”
Source: huffingtonpost.jp