10月10日は、衆議院解散総選挙の公示日である。今回の総選挙は異常な事態となっている。解散の前後で、野党第一党の民進党が事実上の解党状態となり、新たな政党が誕生した。それでなくても小選挙区制の選挙はちょっとした「風」で大きく結果が変化するので予想は難しいが、今回の選挙では最後のぎりぎりまで、有力候補者の出馬の政党が確定しない場合もあり、さらに難易度が増した。
大雑把に言えば、自民党は大幅減で、単独過半数が難しい状況だ。なんとか単独過半数を維持できれば、安倍政権の勝利と言える状況だ。単独過半数は下回っても、公明党と議席を合わせれば過半数を占める見込みで、自公政権の維持はできそうだ。単独過半数を下回ると安倍首相の退陣を求める声も上がるかも知れない。しかし、改憲の視点からすると、改憲派がむしろ増える状況になるわけで、安倍首相は政権を維持したままで、在任中の改憲を目論む可能性が高い。
希望の党にはかなりの逆風もある。小池バッシングも強くなっている。しかし、最近の選挙では、バッシングでもメディアに載ることはプラスになることが多い。小泉郵政解散総選挙でも、小泉首相は強いバッシングを受けたが、結局は大勝利となった。全くと言っていいほどバッシングのなかった岡田民主党が敗北するという事態になった。最近の選挙では、メディアに載らない方がマイナスなのだ。その点、希望の党のニュースは途切れることがない。かなりの議席を獲得しそうだ。
立憲民主党は小選挙区では厳しい状況だ。連合は全面的な協力はできないだろう。心情的には応援したい組合員はいるだろうが、共産党との連携が明らかなだけに支援は限定的だ。民進党のかげも引きずる。比例ではある程度議席を獲得することができそうだが、苦戦となりそうだ。無所属の中にはかなりの大物もいる。しかしそれでも小選挙区での選挙戦は厳しい。大物政治家の中にも落選する候補者も出そうだ。
以下、全選挙区での予想をもとに出した政党別獲得議席予測である。
衆議院選予想(児玉克哉)
自民党**223議席(小選挙160:比例63)
希望の党*117議席(小選挙79:比例38)
公明党** 34議席(小選挙 9:比例25)
日本維新* 26議席(小選挙13:比例13)
共産党** 23議席(小選挙 1:比例22)
立憲民主* 17議席(小選挙 3:比例14)
社民党** 1議席(小選挙 1:比例 0)
新党大地* 1議席(小選挙 0:比例 1)
無所属** 23議席(小選挙23:比例 0)
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