こうして僕らは腐る

ロンドン留学生活、社会批評、英語勉強などの雑記ブログ

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何故ヨーロッパ在住の男は傲慢な保守・ネット右翼になりやすいのか

最近ではツイッターでイギリス在住の人たちを探しては、何か情報発信していないか見ている。北欧帰りもしくは在住者のアカウントなんかもフォローしている。

 

そこで気づいたのだが、欧州帰り・在住の女性にはかなりリベラルな人が多数な反面、男性は日本にいる人たちよりも保守的な人が多いような気がする。彼らの言動はいちいちトゲトゲしく、とりわけツイートの端々から多民族に対する優越感と白人だけを特別に扱うような表現があったりする。

 

有望な情報を提供することがあるからフォローは中々外せないが、これほど不愉快な人間達も中々いない。日本しかしらない保守は日本だけを例に挙げるので可愛げもあるが、欧州在住の人たちはかなり都合のいいところで海外情報を切り取るためいやらしい。(そのくせ、欧州好きな人たちを都合の良いところばかり見ていると非難する)共通点としてはとにかくアンチ移民の考えが固まるらしい。

 

わからなくもない。ロンドンを例に取るとテロがあって道端にゴミがたくさん捨てられ、物乞いもいっぱい、治安もよろしくない場所がある。それに比べて日本はその手の問題はまだマシな方だろう。

 

問題なのは彼らは日本人の移民であるにも関わらず、他の移民を平然と見下せるというところだろうか。彼らにしてみれば、自分はお行儀の良い移民として迷惑をかけていないのに、他の移民のせいで巻き沿いを食うと思っているのだろう。だがそれを言うなら一部のテロリストたちのせいで割りを食っている移民がいるということも考えられるはずだ。

 

日本語でツイートしている分安心だが、韓国中国へのヘイトも凄まじい。僕はロンドンに来てから、中国・台湾・韓国への良さを認めるに至ったし、彼らの移民としての行儀良さは素晴らしい物があると思うが、僕がフォローしている人々の中には、中国人ばかりでつるんでいることを非難していたりする。イタリア人もフランス人もブラジル人も皆それぞれでつるんでいるから珍しいことではない。日本人も例外ではない。

 

僕もあまり同じ文化圏で集まりたくないのでネットでもイギリス人とチャットしたりしているが、自分と違うタイプの人々を見下したりは中々できない。彼らの優越感は言葉の端々から感じられるが、ひでえもんだ。

 

彼らを見る限り、自民党支持者、ネオリベ、自己責任論者、最低賃金1500円デモみたいなのを馬鹿にしてたりと日本にいる保守とあまり変わらない感じな人々だったりするのだが、日本限定の保守以上に抑圧的な発言を好む。白人好きになるところは日本限定保守とは少しことなるかもしれない。

 

女性でこの手のタイプはメイロマ氏ぐらいしかしらないが、男性にはけっこういる。彼らは総じて能力が高く、英語でコミュニケーションを取る事ができる。そんな彼らが弱者保護や移民反対で、北欧やヨーロッパの真似ばかりするなというのはわけがある。

 

彼らは能力が高いのでそれなりの収入を得ることができ、日本にいれば無双できるぐらいのレベルではある。だが残念ながら特に税金の高く、男女平等の北欧なんかでは金や地位が日本ほどの価値を持っていないところがある。

 

もちろん何億円という収入が得られるならまた違うだろうが、年収1000万程度ではロンドンや北欧では無双というほどではない。ここではセクシーさやユーモアや人物を見る女性が多いところがあり、金と地位で押さえ込むなんてことはあまりできそうにない。それはとても下品なことだし、気の強いロンドナーなら怒るぐらいのことをするだろう。日本には金・地位を持つ人を崇拝して大っぴらにする人もいるが、ロンドンも北欧でもそれは下品なことであるようだ。

(アメリカではまた違うかもしれない。アメリカでは成功者を崇拝するところがある)

 

そういった国と比べれば、比較的税金が安く、女性はEUに比べれば従順で、金と地位を崇拝する傾向がある日本は彼らのような有能な人々にとっては天国と言える。せっかく英語を身につけ、デキる人間になってもごく普通の移民として扱われる上、行儀の良くない移民とも強制的に共存させられる国は好ましいとは言えないだろう。

 

北欧帰りの男達は特に、かの地域を評価しない傾向にあるようだ。超重税なため、自分が稼いだ金も国を通してあらゆる人々に分配される。男女関係は対等であり、地位や金ではマウントを取れない。離婚も簡単。浮気もOKでそれだけでは慰謝料も取られないときている。つまるところ自分が少しばかり有能でも、面倒を見れるのは自分だけ、良い階層にいる自覚もなくなるし、それを口にすると非難されるお国柄。

 

僕も日本でよく稼ぎ、贅沢をし、それを表現していいという暮らしを知っているから、ロンドンでは少々侘しさを感じなくもない。日本という国家からそういう風潮がなくなるのは有能な男達にとっては中々どうして嬉しくないことである。

 

かくして、欧州帰りの日本男児達は複雑な心境と自信、他の移民への優越感、いかに日本で有利な生活ができるかを理解してしまう。自民党が女性を押さえ込み、蓮舫議員のような政治家を傍流へと追いやり、男女収入格差が大きな国のままでいてくれた方がありがたいのである。

 

以下にロンドンの雰囲気をまとめる

 

・パブでは自分の飲み物は自分で買う。おごってくださいよーとか甘える女性はほぼいない。そのようなそぶりも見せない。

・キャバクラのような店はない。

・異性関係はユーモアや人格や性的魅力が優先される。

(日本のような細かな収入格差で異性関係にマウンティングできることはない)

・地位や金をひけらかすような文化があまりない。

(日本では特にキャバクラで俺はこんなに稼いでるんだぞアピールをする男性は結構いる)

・地位や金を持っている人はそういう人だらけの狭い世界で自慢しあっているようで、それらは割りと生まれながらの上流階級者だったりして、移民がオラつける感じではなさそう。

・寄付をドカンとするぐらいの人は尊敬されるし、勲章が与えられることもあるようだ。後は有名人やスポーツ選手。

・よほどの金持ち以外、移民は底辺層も1000万プレイヤーもあまり変わらない扱い。やっていることも公園で散歩とかパブで飲むとかだし。

・必要でなければ年齢を尋ねる文化がない。

・税金も物価も日本より高い。

・差別をおおっぴらにできてしまう人は底辺扱い。移民が差別的な発言したら自分に返ってくる。

 

こういう国になったらずば抜けて優れた人々以外は、ほぼ対等かつフェアな扱いというか、人間関係を築き上げる中でしか個人を測れない。日本では収入が多ければ差別をしていいみたいなところがあるし、超有名人が弱者を攻撃してもなんら吊るされないところがあるので、有能マッチョには中々住みやすい環境だ。

 

逆にロンドンではその人個人を見る風潮がある気がする。差別発言で吊るされることは当然なため皆その点は慎重になる。そういう意味では日本で男性が、特に成功した男性が甘い環境にいられているのは間違いないだろう。

 

日本の男性特権を手放したくないと思う人々は、欧州の真似ごとなんてしなくていいよ、というのも納得できるというものだ。