立っていることが多い仕事の人や、長時間座りっぱなしでいることが多いデスクワーカーにとって、脚の疲れは悩みの種の一つです。脚の疲れを放置していると、むくみがひどくなり、気付かないうちにだんだんと脚が太くなってしまいます。
また、このむくみが脂肪と結びついて頑固なセルライトになってしまったら…解消できずに脚太りまっしぐらです。
脚の疲れを取ろうと思った時、まず先にマッサージが思い浮かびますよね。マッサージをすることは疲れを取るだけではなく、血行をよくしてむくみを排出しやすくする効果があり、脚太り予防にはもってこいです。
特にリンパマッサージが効果的だといわれていますが、脚やせに効くリンパマッサージとはどんなものなのでしょうか。
この記事では、脚やせに特化したリンパマッサージについて詳しくご紹介します。
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リンパとリンパマッサージ
リンパとは一体どんな器官?
リンパマッサージなど「リンパ」という言葉は聞くけれど、一体どういうものなのか、どのような働きのある器官なのかをご存知でしょうか。
リンパは全身に張り巡らされている「リンパ管」と血液中の血しょうがリンパ管に染み出した「リンパ液」、身体の中でリンパ管が合流している数か所の部分である「リンパ節」をまとめて、「リンパ」と呼んでいます。
リンパは、老廃物の排出や免疫機能を担い、筋肉を動かすことで流れていきます。このリンパの流れが滞ると老廃物が溜まりやすく、浮腫みの原因や、免疫力の低下で体調不良の原因につながります。
リンパマッサージのすすめ
普段から運動をする習慣がある人は筋肉の動きが良くリンパが流れやすい状態にありますが、仕事で忙しかったり面倒で続かなかったりと運動不足気味な人はリンパの流れも滞りがちです。
そういった人には、自宅で手軽出来るリンパマッサージを取り入れましょう。リンパマッサージはただ揉み解すのではなく、リンパ管の合流している「リンパ節」をほぐし、そこに向かって老廃物を流すようにマッサージを施します。
このリンパ節に滞りがある場所は、ゴリゴリとしたしこりがあり、ひどい場合はマッサージをするだけで痛みを感じる場合があります。しかし、丁寧にマッサージを施せば即効で脚が細くなるぐらい効果が高く、疲れも改善しやすくなるので根気よく続けてやってみてください。
リンパマッサージが脚やせ効果絶大な理由
脚を痩せるのは難しい
ダイエットをしたことがある人はわかると思いますが、特定の部分だけを細くしようと思っても、実はけっこう難しくなかなか思い通りにならないものです。お腹や顔は痩せていくのに、太ももやふくらはぎは頑張っても細くならない、太いままという経験があるダイエッターは多いと思います。
それは、全身の脂肪が落ちやすいところから減っていくからなのですが、脚は特に痩せにくい部位でもあります。何故、脚は痩せにくいのでしょうか?
脚が痩せにくい原因
その原因の一つに、脚のむくみ大いに関係しています。脚がむくむ理由は、立ち仕事が多い場合、重力によってリンパ液や血液が下肢に溜まってしまうこと、さらに足の筋肉が疲れて凝り固まってしまい、リンパや血液の流れが悪くなってしまうことがあげられます。
またデスクワークの人でも、椅子に長時間同じ姿勢で腰かけていると、股関節を圧迫して血液やリンパの流れを滞らせてしまいます。このようなことから、脚は日常生活でも負担がかかりやすく、疲れがたまりやすい部位なので、リンパマッサージを施してリンパの流れを良くする手助けが必要になるのです。
上半身はそんなに太っていないのに脚の太さが気になる場合、リンパが詰まり老廃物や余分な水分の溜まってむくみを引き起こし、合わせて筋肉がガチガチに凝り固まっている可能性があります。
脚やせにはなぜリンパマッサージなのか?それは脚やせの大敵むくみを作り出すリンパの詰まりを解消し、余計なものの排出を促す働きがあるから、ということで納得がいきますね。
リンパの流れが悪いとどうなる?
リンパの流れが悪いと、体内の不要な水分や老廃物が溜まりやすくなり、むくみの原因につながります。むくみは放置すると、燃焼されにくい頑固な脂肪「セルライト」が生み出されます。
また、リンパの流れは血液の流れにも影響があるため、体に必要な栄養分を運ぶ循環がにぶくなり、肌トラブルや冷え性、肩こりや頭痛など体のあちこちに不調をきたす可能性が高まります。
さらに、リンパの詰まりは新陳代謝の低下につながるため、痩せにくい身体になってしまうのです。ダイエットをしても全然効果を実感できない、という場合にはこのような原因が隠れていたのですね。
リンパによって流れなかった老廃物が脂肪と合わさってセルライトになると、これを自力で解消するには大変難しく、痩せたいと思ってもなかなか細くなりません。
また質の悪い脂肪がつくことで身体が冷えやすくなり、さらに脂肪が付きやすくなって肥満の原因になる場合もあります。リンパの流れの悪さは、体調不良の原因やダイエットの妨げにもなるため、リンパマッサージを施して早めの改善を心がけることが大切です。
基本的なリンパマッサージのやり方
リンパマッサージは、リンパの流れに沿いながらリンパ節に向かってマッサージするのが基本になります。マッサージに必要な動作は、押す、さする、なでる、摘まむ、揉む、の5つです。
「押す」は老廃物を押し流すようなイメージでギュッと手や指で押します。「さする」、「なでる」はリンパ液の流れを促すようにリンパ節に向かって優しく施し、そして「摘まむ」、「揉む」は凝り固まった筋肉をほぐすようにして行います。
リンパは皮膚のすぐ下にあるため、そんなに強い力は必要ありませんが、流す際にゴリゴリとした感覚があれば少しずつ丁寧に流してあげましょう。
リンパの詰まりがあると、マッサージの際に痛みを感じることがありますが、詰まりが解消していくにつれて心地よくなっていきます。マッサージをする時は皮膚に負担がかかるので、あらかじめマッサージ用のオイルやボディローションなどを塗って滑りをよくした状態で行うようにしましょう。
リンパマッサージをより効果的に施すには
太ももを含め、下半身全体にリンパマッサージを施すことによって、リンパの流れは改善されます。リンパの流れに沿って、リンパ節に向かって流すのがリンパマッサージの基本ですが、足の裏や足の甲、ふくらはぎ、太ももと心臓に向かって下から順番にマッサージしていくのが理想的です。
また、リンパと血液は影響し合う部分があるため、リンパの流れが良くなれば血行の改善も期待できます。
疲労回復リラックス効果のある足裏リンパマッサージ
第二の心臓と言われる足の裏は、ツボがたくさんあることでも有名です。足の裏をさすって、ゴリゴリとした感触があれば老廃物が溜まっている証拠なので、そこを重点的にさすってリンパの詰まりを解消していきましょう。
まず、つま先を両手で包み込むように持って、両手の親指を使ってかかと方向にさすり上げます。椅子やソファに座って、片膝に脚をのせて行うとやりやすいですよ。そして、ちょうど土踏まずのあたりをグッと親指で押して、老廃物の滞ってるところを押し流します。
足裏にあるツボを意識してマッサージすると、さらなる効果を期待できるのでおすすめです。足の指をギュッと内側に丸め込むと、真ん中あたりがくぼみます。このくぼみは「湧泉」というツボで、疲労回復に効果があるといわれています。
また、足の指は普段から靴の中で圧迫されているため、しっかりとマッサージして解放してあげましょう。
特に足の指の付け根は、リンパが詰まりやすく硬くなっていることがあります。ここをマッサージしてあげると疲労回復やリラックス効果も期待できるので、足の指の付け根を摘まんでしっかりともみほぐし、リンパを流していきましょう。
むくんだふくらはぎをスッキリさせるリンパマッサージ
ふくらはぎはむくみやすく、またパンパンに張ってしまうことが多い部位でもあります。
特に筋肉が張っていて、リンパマッサージをすると痛みを感じる場合は、あらかじめ温かいタオルを置いて温めながら行うようにしましょう。もしくは、筋肉が温まっている入浴中やお風呂上りに行うのもおすすめです。
リンパマッサージの基本で足先から順番に行うことを意識して、まずはリンパの詰まり安い足首からマッサージを施します。くるぶしから先をグルグル回すなどして筋肉をほぐし終えたら、ふくらはぎを両手で包み込むように持ちます。
足首から膝へ向かって、すねの大きな骨に沿ってさすり、それを繰り返したら、膝裏のくぼみをグッと押すようにして刺激します。膝の裏にはリンパ節があり、特にこの部分はリンパが詰まりやすく、またむくみ解消や腰痛改善のツボもあるため、しっかりと刺激して老廃物を押し流しておきましょう。
太ももの血流促進にオススメのリンパマッサージ
太もものリンパマッサージは、太ももを両手で包み込み脚の付け根に向かってなで上げます。そして太ももを雑巾を絞るイメージでギュッと絞りながらマッサージします。
リンパ節である股関節あたりは老廃物が溜まりやすい場所なので、両手の親指でギュッギュッと押し流した後、付け根に沿って「コマネチ」をするようなイメージでさすりリンパを流します。
老廃物の滞りが多いと、付け根を押しほぐすときに痛く感じることがあります。その時はあまり強く押さず、自分が心地良いと思える痛気持ちいくらいの強さで押すようにしましょう。
マッサージのタイミングは入浴中か入浴後が最適!
マッサージのタイミングは、体が温まって筋肉が柔らかくなっている入浴中か入浴後に行うのが最適です。特に、リンパの詰まりの多い人や筋肉が張っている人は、体を十分に温めてから行う方が少しでも痛みを軽減できるので試してみてください。
できるだけリラックスした状態の方が筋肉の緊張も解けるので、アロマやお気に入りの入浴剤を入れて、ゆっくり気持ちを落ち着けましょう。
湯船の中でも脚やせのリンパマッサージは簡単に実践できます。膝を手で包み込む感じで持ち、両手の親指で膝裏のくぼみをしっかりと押していきます。この膝裏のくぼみには「委中」というツボがあり、刺激するとむくみの改善や腰痛の解消にも効果が期待できます。
特に膝裏のくぼみはリンパが詰まりやすく、押すと痛みを感じる人も多いといわれているので、しっかりと刺激して老廃物を押し流していきましょう。この部分をほぐすことが、美しいすっきりふくらはぎを作るための第一歩です。
リンパマッサージに期待できるいろいろな効果
リンパマッサージをすると、部分的に痩せやすくなることをはじめ、他にもいろいろと全身に良い効果を期待できます。
まず、リンパの流れを良くなることで、新陳代謝が向上し肌のターンオーバーが活発化します。そうなると、肌環境が良くなるためニキビなどの肌トラブルが起こりにくくなったり、栄養が肌に行きわたるため、みずみずしく潤いのある美肌へと導いてくれます。
ハリやツヤがよみがえり、エイジングケアにも期待が持てますね。
また、免疫力が向上するため健康的な身体を維持することにもつながっていきます。リンパを流すと老廃物や毒素が自然に排出されて身体がデトックスでき、身体が軽く疲れもとれやすくなるため、仕事の効率アップやプライベートの充実にもつながります。
リンパマッサージは、痩せやすい身体作りにも役立ち、ダイエットでの効果も実感できるようになるでしょう。
リンパマッサージの効果を倍増させるテクニック
リンパマッサージはリンパの滞りの解消に効果的ですが、マッサージ以外にも、運動や入浴、水分補給などを加えると更なる効果が期待できます。
リンパの流れは筋肉を動かすことで改善するため、運動をして身体を動かすのが良いといわれていますが、普段から運動不足の人が、突然筋トレやランニングなどのハードな運動をすると、筋肉痛や肉離れなどのケガをする可能性があるので控えた方が無難です。
運動する場合は、入浴後のストレッチや軽いウォーキングなど、身体への負担が軽いものからスタートしましょう。
入浴後のリンパマッサージは、筋肉が柔らかくなっていてほぐしやすい状態になっています。また、入浴後は脳がリラックスした状態になっているため、筋肉の緊張がなくマッサージ効果が得やすくなります。
マッサージは、コップ1杯の水を飲んで水分補給をしてから行うと、リンパ液の濃度が薄まって、リンパの流れが促進されます。このような方法と一緒にリンパマッサージをすると、効率よくリンパを流すことに期待できそうです。