米政権、若い移民救済策と引き換えに国境の壁建設を要求
米トランプ政権は8日、移民制度改革に関する指針を議会幹部に示した。トランプ政権は、子供の時に親に連れられて米国に不法入国した若者の救済制度と引き換えに、メキシコとの国境での壁建設の予算計上を含む不法移民対策を要求した。
ドナルド・トランプ米大統領は壁建設や不法移民の強制送還の迅速化、何千人もの移民当局の職員の新規採用を求めている。
トランプ氏は先月、オバマ前政権時に制定された、約69万人の「ドリーマー」と呼ばれる子供時代に米国に到着した不法移民の強制退去を遅らせる救済制度(DACA)の撤廃を発表した。
民主党の有力議員らは今回の提案を拒否すると表明した。
議員らは、若い移民の法律上の地位をめぐる交渉に国境の壁の話を持ち込まないとの確約をトランプ氏が反故(ほご)にしたと非難した。若い移民のほとんどはメキシコやほかの中南米諸国から来ている。
DACAは2012年にオバマ政権下で始まり、来年3月に期限を迎える予定だったため、救済対象の移民の将来が懸念されていた。
トランプ氏の要求
ホワイトハウスが議会に8日に示した「指針」の一覧には以下が含まれる。
- メキシコとの国境に壁を建設する
- 1万人の移民税関捜査局職員と1000人の専任弁護士を追加で雇用する
- 370人の移民審査官と300人の連邦検事を追加採用する
- 移民の広範囲な親族を米国に呼び寄せることを禁止する
- トランプ政権の不法移民取り締まり措置に抵抗してきた「聖域都市」に対し罰則を科す
- 企業は電子検証プログラムを使用し、不法移民が仕事に就けないようにする
「これらの事項は、DACA受益者に向けた関連の法律の一部として含まれるべき改革の概要だ」と、トランプ氏は上記の一覧に添えられた議会にあてた文書に書いた。
(英語記事 Trump wall: New proposal ties Dreamer plan to border clampdown)