ワインスティーン氏、自身の映画会社から解雇 セクハラ疑惑受け
米ハリウッドの代表的映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏(65)が8日、30年近くにわたり女性従業員に性的嫌がらせを繰り返していたとの非難を受けて、同氏が共同設立した会社の取締役会で解雇されたことが明らかになった。
ワインスティーン・カンパニーは8日、「不品行をめぐる新たな情報を受けて」、ワインスティーン氏の雇用を「即時」停止したと発表文で述べた。発表文は、ロバート・ワインスティーン氏、ランス・マエロブ氏、リチャード・コエニグズバーグ氏、タラク・ベン・アマール氏の連名で出された。
ワインスティーン氏は解雇を事前に知らされていた。
映画製作会社ミラマックスやワインスティーン・カンパニーの共同設立者として、ワインスティーン氏は「恋に落ちたシェイクスピア」、「英国王のスピーチ」、「アーティスト」など、これまで多数のアカデミー賞受賞作品を世に送り出してきた。
米紙ニューヨーク・タイムズによるセクハラ報道を受け、ワインスティーン氏は謝罪し、休職する予定だと明らかにしていた。
同氏は「同僚に対する過去の振る舞いが多くの苦痛を与えたと受け入れ、心から謝罪する」と述べた。
しかしその後、少なくとも8人の女性と和解に至ったとの報道を否定し、ニューヨーク・タイムズに対し法的措置を取ると言明。ワインスティーン氏の顧問弁護士リサ・ブルーム氏は、同氏に対する疑惑の多くは「まったくのでたらめだ」と同氏が否定していると述べた。
ブルーム氏は、「彼は自分のこれまでの間違いを認めています。色々な本を読んで、カウンセリングを受けている。新しい振る舞い方を学んでいる、古臭い恐竜なのです」と説明していた。
しかしブルーム氏は、ワインスティーン氏の顧問弁護士を降りたと7日にツイートで明らかにした。
「私はハービー・ワインスティーン氏の顧問弁護士を辞任しました」とツイートした。「私の理解では、ワインスティーン氏と取締役会は合意に向けて話を進めている」
声を上げる被害者たち
ワインスティーン氏はハリウッドで最も影響力のある男性の一人。ニューヨーク・タイムズの記事によると、ワインスティーン氏に対するセクハラ行為の指摘は、主に映画界でブレイクしたい若手女優によるもので、アシュリー・ジャドさんやローズ・マッゴーワンさんらの著名人が含まれる。
指摘によると、ワインスティーン氏をマッサージすることを強要したり同氏が裸でいるところを直視するように強要したりしたと言う。セクハラ行為に対する見返りとして、映画界で出世できるように同氏が助力すると約束したという。
ワインスティーン氏は英国のファッションデザイナー、ジョージナ・チャップマン氏と結婚しており、1970年代末に弟とともに映画プロダクション、ミラマックス社を設立し、ディズニーに売却した。
ワインスティーン兄弟はその後ワインスティーン・カンパニーを設立し、「ジャンゴ 繋がれざる者」「LION/ライオン 25年目のただいま」「大統領の執事の涙」などのヒット作をプロデュースしている。
(英語記事 Harvey Weinstein sacked after sexual harassment claims)