フランシス・ベーコンの名言「知は力なり」の真意:「鶏に雪を詰め込んで死んだ男」が伝えたかったこと
- 2016/02/02
- Erika Muranaka
フランシス・ベーコンは16世紀イギリスの哲学者である。「知は力なり」という言葉が最も有名で、この名言はどこかで聞いたことがある人も多いだろう。
フランシス・ベーコンの登場は、科学思想の大きな変革を促した。フランシス・ベーコンの名言「知は力なり」。この名言自体が力をもつことになったのである。
「知は力なり」という名言を残したフランシス・ベーコンは、物事を実際に試すこと、実際に経験することが重要だと考えていた。現代日本で高度に情報化された時代に生きる私たちは、ともすると情報を得ただけで満足してしまうことがある。
経験を重要視したフランシス・ベーコンの名言をここで4つ紹介する。これらの名言から、情報のみに振り回されている日々になっていないか振り返り、経験することの大切さを感じてもらえればと思う。
経験を重視したフランシス・ベーコンの名言4選
フランシス・ベーコンの名言:「知は力なり」の真意
知は力なり。
フランシス・ベーコンは「知は力なり」という名言を残したが、それは知が力をもったものだという意味だけをもつ名言なのではない。経験によって得られた知を実際に力にしていくことが重要なのだという意味を含んだ名言なのである。
フランシス・ベーコン以前の科学思想は、アリストテレス的な色合いを強くもっていた。アリストテレスは、科学的の基礎は「物事を観察して、その記録を蓄積し、性質や特徴を見出しては整理していき、知識をきちんと体系化して構築していく」ことにあると考えていた。
人間が手をくわえていないものが自然であり、人間は自然を模倣するものである。自然は人間より優位にあるもので、自然に手をくわえていくことは神をまねた人間の驕った行為だと考えたのである。科学的手法においても観察が重視されたのである。
しかし、フランシス・ベーコンはそれにNOを突きつける。自然に介入し、実験し、その結果の「知は力」となるという名言を残したのである。実験と経験によって得られる「知」を使うことで自然を支配することができる。その思想が近代科学の礎ともなっているのだ。
フランシス・ベーコンの名言:アウトプットの大切さ
読むことは人を豊かにし、
話すことは人を機敏にし、
書くことは人を確かにする。
フランシス・ベーコンは情報を知識として取り入れるだけでなく、それを話したり書いたりすることで、その知識が確かなものとなり、生きた使える「力」となる知識になると考えていた。フランシス・ベーコンのこの名言はアウトプットの大切さを教えてくれている。
フランシス・ベーコンの名言:やってみなければ分からない
海のほか何も見えないときに、陸地がないと考えるのは、けっしてすぐれた探検家ではない。
これはフランシス・ベーコンの著『学問の進歩』の中における名言である。それまでの学問において、人々が人間の力では真理にたどり着くことはできないと考える傾向が根深くあったのを批判したのである。
何も見えないからといって、それをないものと考える態度は間違っている。先に行ってみなければ、本当に陸があるかないかは分からない。フランシス・ベーコンは、物事はやってみなければ分からないことばかりなのだとこの名言で伝えようとしたのである。
フランシス・ベーコンの名言:経験こそが価値
最上の証明とは経験である。
これまでにも紹介したように、フランシス・ベーコンはとにかく実際にやってみることが大事だと考えていた。彼の最期はそんなフランシス・ベーコンのなんでもやってみる魂が感じられる逸話として語られる。
隠居生活に入ったフランシス・ベーコンであったが、彼の物事を探求する好奇心は衰えることがなかった。冷凍技術に興味をもったフランシス・ベーコンは、思いついたらすぐである。寒い雪の中、外で鶏の腹に雪を詰め込むという実験を行った。そのときに身体を冷やしてしまったのが原因で亡くなるのである。
以上、経験を重要視したフランシス・ベーコンの名言を4つ紹介した。少しあっけない最期ではあるが、フランシス・ベーコンがいかに広く好奇心をもち、好奇心をもったことを探求し、経験によって力となる確かな知を得ようとしていたかが見えてきたのではないだろうか。
情報を得ることは大事である。しかし、それを自分の血肉に変えて力とするには経験が必要なのである。最近休日はずっと家にとじこもっていたあなた。フランシス・ベーコンの名言に触れてちょっと外に飛び出してみてはどうだろう。
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