「四十七の義士を募りて〜」。
(笑い声)「そんなに集まるか?」。
(笑い声)・「義士を募りて〜」。
・「義士はいずこじゃ?」。
・「義士は…」。
はよしいや!・
(笑い声)・「ギシいでよ〜!」。
へ?シシ?アカンもう五段目や。
アホ!まだ四段目…。
「プギィィィィ〜ッ!プギィッ!プギィィィィ〜ッ!プギィィィ〜!プギィップッ…プ…」。
アホ!ホンマやホンマや!何しとんねん!引っ込め!何やっとんのじゃお前は!アホんだら!イノシシが出んのは五段目や!俄の下げぶち壊しやがって。
落ちが分からんやろ!ギシやのうてシシかい!引っ込め下手くそ!
(罵声)「おお〜!」。
「討ち入り前にシシ鍋で一杯いくとするか」。
(拍手と笑い声)あっ今度は逃げよった!しょうもないシシじゃわい!・
(笑い声)何や?
(てん)あの〜藤吉さんは?おお!よっ!キースさん!藤吉さんは?あ〜…。
(リリコ)かわいい簪持ってるやないの。
ご祝儀代わりにもろとくわ。
あ…。
藤吉やったらあっちや。
こっちやで。
はい。
危なっ!旅芸人の娘…後にてんの永遠のライバルにして親友となるはずなのですが…。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」
(足音)てんごのてんちゃんが来たで。
おぉてんごのてんちゃんか!あ〜残念やったなぁ今終わったとこや。
見せたかったわ俺の芝居。
もうみんな大笑いでワッハハ〜いうてな。
全部見られとったで。
えっ。
そうか。
見られてもうたか。
まあ気にすんなよ。
稽古よりは上達しとったさかい。
そうか?ああ。
アカンわ。
何か励ましてやってくれ。
あれで。
あれ?あれやあの…藤吉にやっとったやつ。
あるやんかあの…とろけるやつ。
とろける?うん。
悪いんやけど今日は去んでくれるか?堪忍な。
とろける?とろける…とろける…。
あっそや!分かった!チョコチョコ!
(新一)どないしたんや?泣いてはったんや。
あのお人。
(風太)てん!て〜ん!てん!て〜ん!てん!てん!あっどうもすんまへん。
てん!てん!どこ行ったんや…。
て〜ん!てん!フフフフフフフ。
うん。
うまっ!よかった。
フフッ。
優しいな。
さっきの俺の初舞台やったんや。
え。
えらい受けてたやろ?あぁけどあれは嘘やないで。
日本一の芸人やいうんは。
まあずっと先のやけどな。
そういうたらあれや。
笑いは何色か分かったか?はい茶色!何で分かった?さすがてんごのおてんちゃんや。
ホンマは兄さんに教えてもろたの。
ハハッ頭のええお兄さんやな。
仲ええんか?家族。
あ〜お父はんは怖いけど。
ええなぁ。
うっとこはあれや…笑顔がひとっつもない家やってな。
真夏でも冷え冷えや。
かなわんでホンマ。
笑いの世界はええわ。
何か心が温こうなる。
そやから芸人さんに?ああ。
俺が日本中を明るうぬくぬくにしたるってな。
たった一人でええ。
一人でもわろてくれはったらその笑いが広がってみんなが幸せになれるて思うんやけどな。
「とざいと〜ざい!『塩谷判官切腹の段』!」「アイタッタタタタタタ…」。
何で受けたん?藤吉さんはやっぱり泥棒さんや。
は?泥棒さんの判官さんや。
よっしゃ!よっホイッホイッホイッ。
「あっ石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ〜。
よっホッホ〜ッ!天下の大泥棒石川チョコ衛門たあ俺の事よ!」。
チョコ衛門やて。
はぁ。
君は僕の芸にわろうてくれた第一号のお客さんや。
え?なあ。
これからもその笑顔でずっと…。
わろてんか?これが始まりでした。
(風太)どこ行ったんや…。
てん!旅続けはんの?
(藤吉)ああ。
おてんちゃんのおかげで勇気が湧いたわ。
どんな所に行くの?日本中や。
日本中!?手紙書いてあげるわ。
ホンマ!?ああ。
旅先の様子書いて送るわ。
約束や。
あっそや。
チョコのお礼や。
(鈴の音)そうして藤吉は再び旅に出ました。
そして…。
ご苦労さんです。
(風太)手紙届いたで。
旦さんにはその…見つからんようにしてやったから。
おおきに風太!おおきにな!いやぁそないに喜ばれても…。
え!
(藤吉)「テンテンテンゴのおてんちゃん元気にしてはるか。
僕は今米どころ越中富山におる。
まだまだ給金だけでは食べられへんけどお客さんが面白かったとおむすび分けてくれるんや。
これがまたうまいんじゃ。
お米に笑顔がふりかかってるからな。
それではおてんちゃんが笑顔でいられるよう今日の笑いを一つ」。
(藤吉のせきばらい)「お米とかけて初代北村藤吉ととく。
その心は。
うまいと思ったがぬか喜びでした」。
てんは藤吉から旅の手紙を受け取りながら笑顔がまぶしい年頃の娘へと成長したのです。
(戸が開く音)
(風太)また来たで。
危なっ!おおきに風太!ああ…あいつ今度はどこにいんのや?さあ。
北国かもしれんし海に囲まれた南の島かもしれんし。
楽しみやなあ!果たしててんと藤吉の壮大な笑いの旅路はどう始まっていくのでしょう。
それはこの先のお楽しみ〜。
2017/10/07(土) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(6)「わろたらアカン」[解][字][デ][再]
芸で失敗して落ち込む藤吉(松坂桃李)は、理想の笑いについててん(新井美羽)に熱く語り、「これからもずっと、わろてんか」と言い残し旅立った。
詳細情報
番組内容
てん(新井美羽)は藤吉(松坂桃李)の面白い芸が見られると期待していたが、藤吉は初舞台の緊張で芝居の出番を間違えてしまう。てんは藤吉を元気づけようとチョコレートを渡し、二人っきりで屋根の上で話すことに…。たった一人でも笑わせることができたら、その笑いが広がってもっとたくさんの人が幸せになれると言う藤吉に、てんの心は大きく動く。藤吉はてんに、「これからもずっと、わろてんか」と言い残し旅立っていった。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,千葉雄大,新井美羽,鈴木福,前田旺志郎,遠藤憲一
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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