YASUHIRO の 独り言
山と医療の本音トーク
10月8日(日)
今日は今年最大のイベント火の御子峰リベンジを果たした。今日はいつもになく気合入れまくりで絶対御子神様にお参りに行く覚悟だった。火の御子峰に登らずして白山は語れない。1300年の今年絶対ピークに立つと誓った。実は大魔人も狙っていたようで僕たちが初挑戦した1週間前に敗退していた。その1週間後に僕たちも山頂直下まで迫りながらやはり敗退。そのまた1週間後に大魔人2度目の敗退。御子様は甘くはない。僕も大魔人も山ヤの意地でお互い競っていた。もし先を越されたらもう挑戦するモチベーションは無くなってしまう。
もう意地を張るのはよそう、大魔人の登攀力と僕のルート開拓力、そしてなにわ君の歩荷力の三本の矢を持ってすれば御子は落とせるはずだと思う。と言うことで今日この三人で挑戦することにした。
深夜11時半に市ノ瀬をスタートする約束であった。いつものように僕は夜10時半には到着して30分のフライイングでチャリスタートとなった。MTBの大魔人が先に出たがロードの僕は途中で軽くかわして35分で別当出合に着いた。チャリをデポしていざスタート、今日のために必殺鉄筋棒、最大長のハーケンをたくさん持って来た。かなり重いが歩荷男なにわ君の敵ではなかった。
皆それなりに重い登攀具を担ぐが僕を先頭にガシガシハイペースで登って行く。暗闇の中室堂まで2時間10分であった。ここで大休止、夜露に備えてカッパを着込んだ。さあ行くぜ。大汝を巻いて御手水鉢に来た。ここで暗闇の中崖マークを降りて行く。落石必発だがお互い縦には並ばず常に横に並んで降りて行く。ここからも闇夜のアドベンチャー沢下り、滝あり、ガレ場のトラバースあり、崩壊雪渓、スノーブリッジ潜りとUSJ真っ青のアトラクションが続く。決して人にはオススメできない。
さてあっという間に地獄谷に合流して火の御子峰基部に着いたがまだ暗かった。早すぎた。ここで大休止して登攀具を身にまといロープを出す頃ようやく白んで来た。ここまでは僕の仕事、ここからは大魔人に頑張ってもらおう。ルートを指示しながら大魔人が軽やかにボロ壁を登って行く。やはり天性の何かが違う。やばい場所ではロープが降りてくるので安心だ。
あっという間にルンゼを突破して地獄尾根に乗り上げた。まだ7時前なんですけど。さあここからが本当の核心で僕たちが敗退したボロ壁に着いた。ここは尾根を馬乗りになりセルフビレイを取って大魔人を確保した。もう落ちても死ぬことはないので大魔人が鉄筋棒やハーケンを打ち込みながら支点を作りどんどんボロ壁を攻略する。なんとかボロ壁を抜けて固定ロープを垂らしてくれたので後続の僕たちはユマールで安心して突破した。
最大の難所直下ボロ壁を抜けるとやはりピークはすぐ先だった。もうロープは要らない。少し幅の広いナイフリッジを超えると待望の山頂に着いた。もう皆嬉しくて飛び上がる勢いだった。三人で固く握手して記念写真を撮る。ただ生きて帰ってなんぼである。さて帰りはどうするか?あのボロボロ地獄尾根は勘弁してほしい。
なんと大魔人が山頂直下から懸垂して降りようと言う。下は絶壁です。まじですか?岩名人が言うなら任せるしかない。山頂直下から絶壁を懸垂して素早く支点を作りまくる大魔人、さすがです。ロープを三本連結して一度に50mは降りただろうか、ガンガン行くが落石必発、散弾銃のように皆を落石が襲うが石の軌道を読んで皆かわしまくる。心臓に悪かった。
7回ほど懸垂しただろうか、無事地獄谷に降り立ちようやく生きた心地がした。しかしこの先も気は抜けない。いつ落ちてもおかしくないような雪渓群が行く手を遮る。最後まで気は抜けない。なんとか雪渓を抜けて沢を詰めて御手水鉢を目指す。稜線手前でまた大きな落石が出たが辛うじて直前でかわせてホッとした。御手水鉢でようやく安堵してメットも脱いだ。もう大丈夫だ。
帰りは暑かった。室堂では多くの登山者が、ここからの砂防新道は人が多すぎ、別当出合まで大変な渋滞でした。それでも市ノ瀬を出て16時間で無事帰還できました。僕はもう2度と行くことはないです。本当に大満足です。火の御子峰は本当に神の宿る山でした。神に見捨てられなければ落石も避けて落ちてくれるようです。
岩名人、歩荷名人本当にお疲れ様でした。
23.00 750m 市ノ瀬発
23.35 1270m 別当出合着
23.45 1270m 別当出合発
0.57 2005m 甚の助小屋
1.56 2455m 室堂
3.00 2450m 御手水鉢
5.20 1750m 地獄谷
6.40 1950m 火の御子峰直下
8.00 1980m 火の御子峰
10.00 1750m 地獄谷
12.32 2450m 御手水鉢
13.22 2455m 室堂
14.00 2005m 甚の助小屋
14.34 1270m 別当出合
14.55 750m 市ノ瀬
ボロ壁をフリーで登るスパイダーマン
右は地獄谷、左は仙人谷どちらも絶壁
僕たちが敗退したボロ壁を鉄筋棒を打ち込み突破
確保する僕も必死、馬乗り確保
ゴールだ
山頂の絶景を背景に
帰りの懸垂祭り
これ以前は全て消去しました。何を書いたかも覚えていません。
毎日が完全燃焼出来る様な日々を送りたい、人生は長い様で短い。
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