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10月7日夜、衆院選公示を前に与野党8党の党首によるネット討論会が行われました。そのなかで安倍首相はつぎのような発言をしたとのことです。

『憲法9条の1項、2項を残し、自衛隊の存在を新たに書き加えるとした自身の提案をめぐって「シビリアンコントロール(文民統制)をしっかり明記する」』


・安倍首相「9条に文民統制を明記する」 党首討論で|朝日新聞

しかし、現行憲法66条2項にはすでにシビリアンコントロールの条文が用意されています。首相の主張は屋上屋を重ねるような議論です。

憲法

第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
(略)


この66条2項の「文民」については、自衛隊の存在する現在においては、国家の軍事的・軍隊的組織において現に身分・職業としてその構成員たる地位にある者は、文民でないとされています。すなわち、現職の自衛官は文民ではないと解する点では政府見解・学説は一致しています。

なお、2012年に自民党が発表した、自民党憲法改正草案の66条をみると、現行の「文民でなければならない」を「現役の軍人であってはならない」と文言を置き換えているだけであり、その趣旨は同じであろうと思われます。

このように、現行憲法にはシビリアン・コントロール(文民統制)の条文があり、自民党憲法改正草案にもそれは引き継がれています。したがって7日の安倍総理の主張はピントがずれています。

かりにも憲法改正をつぎの衆議院総選挙で掲げる目玉の政策とするのなら、安倍総理や自民党の幹部達は、少しは現行の憲法の勉強をするべきです。

■参考文献

・小林孝輔『基本法コンメンタール憲法 第5版』323頁

■関連するブログ記事
・自民党改憲推進本部「47条改憲で参院の合区解消」は憲法上許されるのか

・自民党憲法改正草案の緊急事態条項について考える

・片山さつき氏の天賦人権説否定ツイートに対する小林節慶大名誉教授の批判

・自民党憲法改正草案を読んでみた(憲法前文~憲法24条まで)

・自民党憲法改正草案を読んでみた(憲法25条~憲法102条まで)

新基本法コンメンタール憲法―平成22年までの法改正に対応 (別冊法学セミナー no. 210)



増補版 赤ペンチェック 自民党憲法改正草案



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