Pixel 2 sense of crisis without Japanese release
グーグルは自社ブランドのピクセルシリーズ最新モデルスマートフォン「Pixel 2」と「Pixel 2 XL」を発表しましたが、1次販売地域に日本は含まれず。OS バージョンアップ保証期間が残っているリファレンス機が国内では不在に。開発現場で問題となる可能性。
※ 左 Pixel 2 / 右 Pixel 2 XL
■ Nexus アップデートとサポート最低保証期間
グーグルは2017年10月4日(日本日時では5日)に新製品発表会を開催し、最新 OS Android 8.0 Oreo を搭載した自社ブランドスマートフォン「Pixel 2」と「Pxel 2 XL」を発表し、1次販売地域として米国、豪州、カナダ、ドイツ、インド、英国を上げました。「Pixel 2 XL」に関しては加えてイタリア、シンガポール、スペインも販売地域になっています。
「Pixel 2」は台湾 HTC が製造を担当し、「Pixel 2 XL」は韓国 LG が製造を担当。両製品は 最新の Android OS を搭載しリファレンス機(ハード面において基準となる製品)の役割も持っています。アプリ開発や Android 製品を開発する上でベースとなるような製品として開発には欠かせない端末となります。
これまで、グーグルでは Nexus (ネクサス) シリーズがリファレンス機として発売されており、日本でも Google ストアや通信キャリアを経由して販売がされていました。しかし、Pixel シリーズから日本での販売が行われておらず、今回発表された2機種に関しても日本国内での販売に目処が立っていない状況です。
何が問題かと言うと、日本で発売された最後のリファレンス機、スマートフォン「Nexus 5X」と「Nexus 6P」の Android OS バージョンアップ提供保証期限が2017年9月までとなっており、今後バージョンアップが提供されなくなる可能性がある事や、Pixel でのみ確認できる Android 最新機能を確認する手段が無い点です。
グーグルブランドの端末、Nexus や Pixel シリーズは Google ストアで販売が開始されてから最低2年は Android OS バージョンアップが保証されます。セキュリティパッチは端末提供開始から3年間となっています。「Pixel 2」「Pixel 2 XL」が日本で発売されないと、OS バージョンアップが保証されたリファレンス端末がなくなる状況です。
最新 OS 保証の問題だけではなくリファレンス端末は次期 OS をテストする環境も備えており、Android 8.0 Oreo の次バージョンとされる Android P のプレビュー版(開発モデル)のテスト環境構築なども困難に。海外から「Pixel 2」と「Pixel 2 XL」を輸入するという手段もありますが、技適(一般に使用する無線機の殆どに特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク)が無く国内での使用は問題があるとされています。
とにかく「Pixel 2」または「Pixel 2 XL」が使用できないと最新の Android 開発についていけなくなるため、一部の企業では海外での開発に切替えるや、電波を遮断した開発室を設置するなどの検討に入ったところもあるとか。グーグルにとって日本市場がどのような位置付けなのか気になるところではありますが、一刻も早くリファレンス機が入手できるように対応してくれるよう願うばかりです。
Nexus サポートページ – Google
https://support.google.com/nexus/
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