(小松・淀川長治のまねで)はい皆さんこんばんは。
またまたまたお会いしましたねえ。
さあ今日はね放送第6回。
師匠の植木等から小松政夫という芸名をもらった松崎青年。
まあすごいですねかっこいいですねえ。
付き人も立派にこなしてちょっとずつテレビにも出してもらえるようになりました。
植木等も相変わらず忙しい忙しい忙しい忙しい毎日。
さてところがなんとね植木等のお父さんの徹誠さんが病気になったっていうんですねえ。
まあ心配ですねえ。
さあどうなるのか。
これから皆さんと見ていきましょうね。
(植木)おい父さん。
父さんどうしたの?大丈夫?
(徹誠)ああ。
ご覧のとおりここだよここ。
え?おいおいまさかいつもの痔じゃないだろうね?何だよ。
倒れたって聞いたから慌ててやって来たら…。
お前なあ痔を甘く見たら痛い目に遭うぞ。
悪くすると手術しなきゃいかんしそりゃあもう大ごとなんだから。
まあ何かあったら連絡してよ。
小松もいる事だし。
(小松)何でも言って下さい。
さしあたって何か困った事ある?そうだなあ。
気持ちよ〜く屁がしてみたいなあ。
そりゃあもう自分でなんとかしてもらうしかないよ。
(笑い声)・おはようございます!おはようございます!・おはようございま〜す。
あっおはようございます。
こまっちゃん!これ見てみなよ。
あんたの事書いてるよ。
えっ!?こまっちゃんもだんだん認知されてきたねえ。
ありがとうございます!うわっ!・「何も言わないでちょうだい」・「黙ってただ踊りましょう」・「だってさよならはつらい」・「ダンスの後にしてね」・「勝つと思うな」・「思えば負けよ」・「負けて」
(笑い声)お呼びでないね?こりゃまた失礼致しました。
(登美子)どうしたの?え?腕時計どこやったかな?まっちゃんがいつも書斎でかばんの脇に用意してくれてたんじゃないの?書斎?・あ〜あったあった。
(笑い声)あとは…あっ車の鍵は?それもまっちゃんが玄関の靴箱の上に毎日置いて帰るじゃないの。
(笑い声)そうだっけ?あれ本当だ。
あなたもうまっちゃんがいないと生きていけないわね。
(登美子)はい。
行ってらっしゃい。
はい行ってきます。
(徹誠)おい小松君。
はい。
その…机の横に積み上げたものがあるだろう。
それ棚の右上にまとめといてくれ。
はあ…。
何だ?あっいや…。
親父さんこの世界入る時お父さんに相当反対されたって。
ああ。
あいつ何て言ったと思う?「坊主は死んだ人間を供養する。
芸能は生きた人間を楽しませる。
俺は生きた人間を楽しませたいから芸能界に入る」と。
こうだ。
へえ〜。
屁理屈を抜かすなとどやしつけてやったよ。
だけど親父さん今日本で一番生きた人間を楽しませてます。
あっ…すいません。
小松君はあいつのとこ来てどのくらいになるんだ?え〜っと…2年過ぎました。
そうか3年目か…。
「石の上にも三年」と言うからな。
そろそろ一本立ちか。
いやそんな…。
じゃあ一生あいつの付き人で終わるつもりか?親父さんが望むならもちろんです。
あ〜らまあ…。
はっ…。
よ〜いスタート!おう止めてくれ。
へい。
カット。
オーケー!俳優部の皆様次の準備ができるまで控え室でお待ち下さい。
は〜い。
親父どうだった?はい。
もう来週には椅子にも座れるようになるんじゃないかっておっしゃってました。
変な男だろ。
ああいうのを支離滅裂というんだ。
若い頃は相当な女好きでな。
そっちの方もまあ大変だったんだ。
はあ…。
あ〜眠い。
寝床作ってありますから。
横になると着崩れするからなあ。
まあ手間だけど後で衣装部寄るか。
よいしょ。
あ〜。
(あくび)はあ〜。
(ノック)
(栗原)はい。
失礼します。
おう植木さんとこの坊やかどうした?あの…着物の着付けを教えて頂きたいんですが。
あ?親父さん衣装崩れが気になって楽屋であまり休めなくて。
その…帯の結び方とか僕にできたら衣装部さんにも迷惑かからないですし。
親父さんもゆっくり休めるかなと…。
バカ野郎!ここは着付け教室じゃねえんだぞ。
すいませんでした!出過ぎた事を言いました。
それじゃあ見せてもらうだけでもいけないでしょうか?栗原さんお願いします!お弁当こちらで〜す。
2つ取ったらダメだよ!あ〜いたいたいた。
ちょっと…。
うん?まっちゃん聞いたか?何ですか?岡本組の「殺人狂時代」お蔵入りらしい。
えっ?公開取りやめだってさ。
あれお前がよくつるんでる久野も出てただろ。
回想あ〜そういやあ俺岡本喜八組決まったんだよ。
うお〜!結構おっきな役でさあ。
気合い入ってんだよ。
何か知ってるんじゃないかと思ってさ俺…。
おいまっちゃん!久野!久野…。
映画お蔵入りって本当か?ああ。
大丈夫。
お前ならすぐにまたチャンスがあるさ。
やめろ。
あっ今日の撮影終わったら夜は何もないんだ。
飲み行こうぜ。
久々にたぬきのオムライスでも食べに…。
やめろって言ってんだろ。
そういう慰め方男らしくないぜ。
見てるよ「シャボン玉ホリデー」。
よかったじゃねえか出番も増えてよ。
何だよそれ。
何やそげん言い方して!きさんの方がよっぽど男らしくなかろうもん。
お前に俺の気持ちなんか分かんないよ。
(みよ子)ありがとうございました。
まっちゃん。
そう…映画がお蔵入りに。
本当にかわいそうで…。
だから俺何かしてやりたくて。
(ツル子ママ)慰めがかえって相手を傷つける事だってあるのよ。
特に男はね。
こんばんは。
あ〜いらっしゃいませ。
ちょっとごめんなさいね。
お久しぶりじゃないですか!ありがとうございます…。
久野んちの住所。
みよちゃんあいつに会ってやってくんないかな。
一緒に行こうよまっちゃん。
ママも言ってたろ。
あいつ男の前じゃきっと本音が出せないから。
ブルーリボン賞!?・
(渡辺)そう。
それも大衆賞。
分かる?一年を通して最も活躍して最も大衆に愛された俳優っての。
これ植木等にぴったりの賞じゃないの。
ここは一丁盛大にみんなで祝おうや。
(藤本)一介のジャズマンだった植木君が今やドル箱シリーズとなった「無責任男」そして「日本一シリーズ」によって俳優としての道を切り開いたと同時に我々と共に数々のヒット作を生み出してくれた事をまことに喜ばしく思います。
植木君本当におめでとう。
(拍手)
(司会)さてそうそうたるお歴々にお集まり頂いております本日の祝賀パーティーですがここで主賓の植木等さんの今日はお父様がお越し頂いているという事でひと言お言葉をちょうだいしたいと思うのですが。
父さん大丈夫?
(シャッター音)
(拍手)あ…。
(せきばらい)え〜本日は息子のためにこんなに大勢の皆様にお集まり頂きまことにありがとうございます。
私等の父親で徹誠と申します。
この芸能界という明日をも知れぬ浮き沈みの激しい世界で息子がここまで生きてこられたのはひとえに支えて下さった皆さんのおかげである。
これはもう明白でございます。
植木等はまだまだ若輩者です。
海の物とも山の物ともつきません。
皆様のご指導がなければ到底これから先もやっていく事はできないでしょう。
どうかどうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
(拍手)親父さんいい事言うじゃないか。
俺のスピーチがかすんじゃったよ。
植木屋お前幸せもんだな。
よかった。
俺はうれしいよリーダーとして。
いや〜それにしてもすごいメンツでしたね。
うん?そうか?いやもしあの会場に何か起こったら明日から芸能界なくなっちゃうってぐらいのオールスターでしたよ。
親父さんやっぱりすごいですよ。
お前俺をおだてて小遣いせしめようったってそうはいかねえぞ。
あっいや…そんなつもりじゃなくて。
どうだい?俺も一人前になってこれで少しは親孝行できたろう?ねっ父さん。
あとは俺がやるから。
お前車回しといてくれ。
あっはい。
一体何をむくれてんの?お前は小松君の事をどう考えてるんだ?彼を万に一人のこの世界で立たせる気はあるのか?それともただ夢を見せてそれで終わらせるだけか?結局お前は自分の事しか考えてない!自分の事を親父と呼ばせたんなら少しは親父らしい事をしてみたらどうなんだ!親父さん時間です。
おう。
後ろ失礼します。
ん?あっ親父さんどうぞ。
岩ちゃんおはよう!あら栗原さん珍しい。
ご挨拶だねえ。
だっていっつも衣装部屋に籠もって出てこないじゃない。
・メイクさ〜ん!はい!栗原ちゃん。
はい。
うちの小松に着付けを教えてやったの?あ〜見るだけならいいよっつったら毎日毎日押しかけてきましてね。
根負けしてちょっとだけですけど…。
あいつなかなか見どころありますよ。
植木さんいい弟子持ちましたね。
よかったらどうぞ。
お〜サンキュサンキュ…。
あれ?おっちょっとお前ここ座れ。
あっいや…。
いいから早く座れ。
座れ…。
すいません。
小松クレージーキャッツのリーダーは誰だ?ハナさんです。
うん。
じゃあクレージーキャッツの脳みそは誰だ?谷さんです。
お〜!お前もだんだん分かってきたな。
でな谷啓が考えたネタなんだけどな今度の日劇お前にぴったりの役があるんだ。
本当ですか!?お前…やれるか?やります!やらせて下さい!
(手拍子)
(拍手)行くぞ小松。
はい!
(歓声)・「私は夢みるシャンソン人形」・「心にいつもシャンソンあふれる人形」・「私はきれいなシャンソン人形」
(笑い声)
(拍手)アハハ…やったな小松!親父さんすいません。
途中ちょっと位置がズレちゃって…。
上出来上出来!ほらまだ客席に笑い声が残ってるよ。
(観客の笑い声)ん?親父さん俺自分でできますから。
いいから動くな。
すいません。
お前衣装部の栗原ちゃんに着付け習ったんだって?えっ?あっはあ…。
あの…映画の衣装部屋ってスタジオから遠いじゃないですか。
休憩で衣装崩れの度に行ってたら時間もったいないし。
ありがとな。
痛い。
まっちゃん…。
あっ!
(小松の泣き声)泣かないの。
自分からみよちゃんに助け船出したんでしょう。
あげな2人ば見たら…。
俺やっぱり…。
もう男らしくないわよ。
ほらほら顔上げて!男はね我慢するの。
我慢して我慢してそれが男の色気につながってくのよ。
(ハナ)小松を次の大阪公演に?ああ。
コンサートと舞台の幕あいを小松にやってくれねえか。
(谷)やってくれってのはつまり…。
ああ。
幕あいの5分あいつにつながせるんだよ。
(ハナ)つながせるったって小松一人で何ができるんだよ。
それを…あいつに考えさせたいんだ。
悩んで悩んで必死になってネタ考えて眠れないぐらいに不安になってそれでも舞台に立って…。
(ハナ)植木屋そりゃ客に失礼ってもんだ。
確かに俺たちにとっちゃ数ある公演の中の一つかもしれねえ。
だけどな客にとっちゃその舞台一度っきりなんだよ。
そんな場所に私事持ち込むなんてなあプロじゃねえよ。
いいじゃない。
やらせてみようよ。
ダメだねダメ。
俺は認めねえ。
分かんない?あん?植木屋はさまっちゃんを独り立ちさせたいんだよ。
(谷)思い出してごらんよ。
僕たちだって同じだったじゃない。
毎日米軍キャンプ回って全部手探りでウケたりウケなかったり…。
自分たちで考えて肌で覚えてきたんじゃない。
やらせてあげよう。
それではまた来週お会いしましょう。
サヨナラサヨナラサヨナラ!
世の中が変わっていくのに俺たちだけずっとおんなじ事やってていいのかい。
(ハナ)まだまだやれるよ植木屋。
舞台に立ったら自分でどうにかするしかねえんだ。
(みよ子)まっちゃんが私の事好きだって…。
明日からお前もう俺のところに来なくていいからな。
(谷)ムヒョーッ!
(笑い声)2017/10/07(土) 20:15〜20:45
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ 植木等とのぼせもん(6)「オヤジたるもの」[解][字]
父・徹誠(伊東四朗)が倒れたと聞き、植木(山本耕史)と小松(志尊淳)が駆けつける。大事には至らなかったが、小松がしばらく徹誠の身の周りの世話をすることに…
詳細情報
番組内容
父・徹誠(伊東四朗)が倒れたと聞き、植木(山本耕史)と小松(志尊淳)が駆けつける。大事には至らなかったが、小松がしばらく徹誠の身の周りの世話をすることに。そんな小松に徹誠は、「君はいつまで付き人を続けるつもりだ?」と投げかける。一方の植木は、小松がいないと自分の持ち物のありかさえ覚束ないと登美子(優香)に指摘され、苦笑する。そんな中、植木のもとに、権威ある映画の賞を受賞したとの一報が入り…
出演者
【出演】山本耕史,志尊淳,山内圭哉,浜野謙太,武田玲奈,優香,伊東四朗,中島歩,坂井真紀,中川翔子,澤部佑
原作・脚本
【作】向井康介,【原案】小松政夫
音楽
【音楽】林ゆうき
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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日本語
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