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愛媛・宇和島観光で絶対におすすめしたい10のこと

2017.10.04

宇和島市は愛媛県の南部、南予(なんよ)と呼ばれる地域に位置します。宇和海に面してリアス式海岸が続き、気候は穏やか。魚や真珠の養殖が盛んで、海からほど近い場所にある山々では柑橘が実り、内陸に足を向ければ清流豊かな渓谷もあります。歴代藩主であった伊達家ゆかりの場所も多く、歴史、文化、自然、様々な魅力に溢れる宇和島。現地ライターおすすめの見所をご紹介します。

1. 山海と融合する「宇和島城」の美を愛でる

▲堂々たる天守。総塗り込め造りの白壁が、青空に鮮やかに映えます

「宇和島城」は市街地のほぼ中央、JR宇和島駅から車で7分ほどの小高い城山にある、宇和島のシンボル的存在です。均整の取れた天守の姿は大変美しく、現存12天守の一つとして国の重要文化財に指定されています。

この城は慶長元~6(1596~1601)年に、築城の名手として名高い藤堂高虎によって建てられました。海に面した五角形の堀で囲まれ、巧みに敵の目を欺く構造はさすが名手高虎の手によるもの。石垣や天守などは後に修築され、現在は堀も埋められ総郭の一部も失われましたが、基本的な城構えは築城当初のものを今に伝えます。
▲登城道の風情や石組みの美しさも見所のひとつ(写真提供:宇和島市)

城山には約450種もの草木が生い茂り、登城道は苔むした石垣とともに墨絵のような幽玄の世界を見せてくれます。ぜひその美しさも楽しんでください。

元和元(1615)年、奥州仙台藩主・伊達政宗の長男である秀宗が初代宇和島藩主として入城し、以来宇和島は“伊達十万石の城下町”と呼ばれ、江戸時代から四国西南地域の要所として栄えてきました。その誇りが息づく宇和島城は、見逃せないスポットですよ。

2. 一つの街のように広大な日本庭園「南楽園」で和む

▲園全体が薄赤く煙るような幻想的な梅の季節(写真提供:南レク株式会社)

「南楽園(なんらくえん)」は、現代造園技術の粋を集めて築いた四国最大規模の日本庭園です。JR宇和島駅から車で約30分、総面積は153,322平方メートルもあり、東京ドームの3倍を超え、二つの大きな池を四季の花々が囲む池泉回遊式庭園です。
▲春にはツツジやフジが咲き誇ります(写真提供:南レク株式会社)

山・里・町・海の4つの景観をテーマに構成され、江戸時代の農家を模した「里の家」、昔の網元の家を模した「海の家」など、各エリアに工夫を凝らした休憩所が設えられています。ちょっと昔にタイムスリップしたような気分で楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
貸しボートで池からの景色を眺めることもできます。
▲初夏には約25万本ものハナショウブが(写真提供:南レク株式会社)

桜まつりや花菖蒲まつりなど、年間を通して様々なイベントも開催されています。どの季節、どんな天候で訪れても、きっと素晴らしい風景の中で楽しい時間を過ごせますよ。

3. 贅沢な卵かけご飯!? 「宇和島鯛めし」を味わう

▲薄めに切った鯛の刺身を、ダシ、醤油、みりんなどの入ったタレと生卵にからめて

鯛めしといえば、一般的には鯛を炊き込んだご飯を想像するでしょう。「宇和島鯛めし」は一風変わっていて、タレと生卵にからめた生の鯛をご飯にかけて食べます。
宇和島沖の日振島(ひぶりじま)を根拠地にしていた水軍が船上で食べたのが起源と伝わる漁師めしです。
▲鮮度抜群の魚が評判の「ほづみ亭」の宇和島鯛めし(税込950円)。ランチタイムは日替わりの小鉢が付いてお得です

「ほづみ亭」で使用するのは宇和海名産の養殖鯛で、刺身なら天然ものより養殖が勝るといわれるほどの逸品です。店内の生簀(いけす)で泳ぐ鯛を料理するので新鮮そのもの。ご飯にもこだわり、宇和島市三間(みま)地区で穫れた三間米を使います。

プリプリの鯛に甘辛いタレと生卵がとろりとからみ、ご飯と一緒に“口福”なハーモニーを奏でる宇和海の贅沢な漁師めしを、ぜひ味わってください。

4. 清流と緑の渓谷、滑床渓谷でキャニオニング!

▲夏は清々しい緑、秋は鮮やかな紅葉に包まれる滑床渓谷

四万十川の支流である目黒川上流の滑床渓谷では、春から秋にキャニオニングを楽しむことができます。滑床渓谷は足摺宇和海国立公園の一部で、水流で滑らかな一枚岩となった巨大な岩肌を、澄んだ水が流れ落ちる絶景スポットです。渓谷を散策するだけでもリフレッシュできますが、ここはぜひ、川の中に飛び込んでキャニオニングに挑戦してみましょう!
▲全身で自然と一体になる感覚を味わえます

岩と清流でできた天然のウォータースライダーを滑り降りたり、滝壺に飛び込んだり、疲れたら仰向けにプカプカ浮かんで休憩をしたり。水深10mの水底が見えるほどの清らかな水の中で、陸上では経験できないスリルと感動を味わうことができますよ。

コースには遊歩道やポイントごとの迂回路もあり、初心者やお子様でも安心です。家族みんなで、アクティブに大自然と触れ合う時間を過ごしてみては?

5. 「名勝 天赦園」で、水面に映る風景も余さず堪能

▲園内には多くの藤棚があり、中でもこの太鼓橋状の白藤棚は圧巻(写真提供:公益財団法人宇和島伊達文化保存会)

「天赦園(てんしゃえん)」は、春には藤が咲き誇り、初夏には花菖蒲が満開となるなど、一年を通じて四季折々の花が園内を彩る風雅な池泉回遊式庭園。JR宇和島駅から車で10分ほどのところにあります。伊達家の家紋の“竹に雀”にちなんだ多種の竹が植栽され、静謐な空気が漂い凛とした美しさがある場所です。

天赦園は、7代藩主・伊達宗紀(むねただ)が慶応2(1866)年、自らの隠居所とするために造営しました。伊達政宗が詠んだ「馬上に少年過ぎ 世平らかにして白髪多し 残躯は天の赦す所 楽しまずして是れを如何せん」という漢詩から、「天赦園」と名付けたのだそうです。
▲宗紀は「春山(しゅんざん)」と号し、この書院「春雨亭」で多くの書を書き残しました(写真提供:公益財団法人宇和島伊達文化保存会)

宗紀はここで穏やかに余生を過ごし、100歳の天寿を全うしました。
ぜひこの静かな風景の中に身を置き、ゆっくりと流れる時間を味わってください。

6. 100年の歴史と現代アートが融合する「木屋旅館」に宿泊

▲明治44(1911)年の創業以来、多くの文人にも愛されてきた木屋旅館

明治時代の面影を残す木造2階建の老舗旅館「木屋旅館」が平成24(2012)年、館内をアーティスティックにリノベーションし、新しい滞在型の観光名所として蘇り注目を集めています。

こちらは、一日一組(2名から最大10名まで)限定で一棟まるごとを貸し切るスタイル。1階に3間続きの客室とバスルーム、2階に4部屋と書斎が1部屋、各階にサニタリールームがあり、これらがすべて使い放題なのです!
▲アートな仕掛けの一つ、天井の一部が透明アクリル!2階からみれば床が透明です

幻想的なライトアップの仕掛けなどもあり、100年の歴史と現代アートが見事に融合しています。
▲LED照明によって七色に変化する部屋

ここではチェックイン時にスタッフから宿の鍵を渡されたら後は完全フリー。自分たちだけの空間です。食事も自由に持ち込んでも良いですし、地元の味を求めて出かけるのも旅の楽しみですね。心地よい「ほったらかし感」が魅力の不思議な宿です。

7. 土居真珠で世界に誇る真珠の養殖&アクセサリー作り体験

▲宝石とは一味違う、神秘的で静かな輝きを持つ真珠(写真提供:土居真珠)

愛媛県は日本一の真珠生産量を誇ります。リアス式海岸の深い入り江が続く穏やかな宇和海は、真珠養殖にぴったりな環境で、ここで生まれた宇和島真珠はその美しさで世界中の人々を魅了しています。
▲入り江に養殖筏(いかだ)が浮かぶ様子は宇和島らしい風景の一つ

そんな海岸線をJR宇和島駅から車で20分ほど走ると、老舗の真珠養殖業者「土居真珠」があります。ここでは「真珠養殖体験ツアー」を行っており、核入れ(真珠の元となる核をアコヤ貝に入れる作業)から玉出し(アコヤ貝から真珠を取り出す作業)までを見学、体験することができます。
▲海外からも多くの方が見学ツアーに訪れます(写真提供:土居真珠)

真珠の質の見分け方なども教えてくれるので、実用的な知識も得られそうです。
オリジナルアクセサリー作りの体験ツアーもありますよ(詳しくはホームページを参照)。
▲アコヤ貝の中から真珠が見つかる瞬間は感動!(写真提供:土居真珠)

アコヤ貝の内側の真珠層から「パールパウダー(真珠粉)」を作り、それを使った化粧品開発やエステへの展開など、新しい取り組みも行っています。お肌が真珠のように輝きそうですね。

また宇和島では、アコヤ貝の貝柱をかき揚げやバター炒めなどの料理に使います。飲食店やスーパーで見かけたら食べてみてください。

8. 愛情に溢れた「宇和島闘牛」の勝負の世界を観戦

▲1トンを超える巨大な牛がぶつかり合う様は大迫力(写真提供:宇和島市)

JR宇和島駅から車で約10分、市街地にほど近い小山に、市営闘牛場があります。ここでは定期闘牛大会が年に5回開かれ、毎回地元のみならず全国から大勢のファンが詰めかけます。
土俵上で牛がぶつかり合う音や息遣いが客席にまで聞こえ、牛を鼓舞すると勢子(せこ)の声、贔屓の牛の名を呼ぶ観客の声も重なり、場内はものすごい熱気に包まれます。

宇和島闘牛の起源には2説あり、一つは17世紀後半に宇和海を漂流していたオランダ船を助けた礼に贈られた牛が、たまたま格闘をしたことによるというもの、もう一つは鎌倉時代に農民が強い農耕牛を育てるために闘わせたことからというもの。いずれにしてもその歴史は古く、途中何度か闘牛の禁止や規制の時期がありながらも、現在まで伝統を守り続けています。
▲直径20mの土俵を囲み、観客の熱い視線と声援が場内を満たします(写真提供:宇和島市)

聞けば宇和島闘牛では、負けた牛の方が多く給金をもらうのだとか。より多く傷付くことに配慮した、思いやりの気持ちからだそうです。この愛情が、熱い宇和島闘牛を支える源なのですね。

大会以外で闘牛場を使っていない時は、場内の見学ができます。VR動画が見られる機械の無料貸し出しがあるので、大迫力の360度動画で臨場感を味わいましょう。

9. 三つの日本一を見に「和霊神社」へ

▲両脇を狛犬に守られ、どっしりとした佇まいを見せる和霊神社の本殿(写真提供:和霊神社)

和霊神社は漁業をはじめ、広く産業の神として崇められており、中国・四国地方を中心とする和霊信仰の総本山でもあります。JR宇和島駅からほど近く、車で約5分、歩いても10分くらいのところにあります。
▲昭和13(1938)年に建てられた御影石づくりの大鳥居(写真提供:和霊神社)

神社の正面には太鼓橋の架かる川があり、その先に大鳥居がそびえ立っています。その高さは12mを超え、石造りでは日本一。見る者を圧倒する堂々たる姿です。
また隋神門の両脇にある於多福面と鼻高面も、それぞれ日本一の大きさだそう。和霊神社の三つの日本一を見逃す手はありませんよ。

この神社の祭神は初代藩主・伊達秀宗の家老として手腕を振るった山家清兵衛公頼(やんべせいべえきんより)。内部の摩擦が元で暗殺され、その後関係者に災いが多く降りかかったため、霊を和らげるために建てられました。
ここもやはり宇和島らしさを感じる、伊達家ゆかりのスポットなのです。

10. 「伊達博物館」で、歴代藩主の活躍に思いを馳せる

▲銅像は幕末に活躍した8代藩主・伊達宗城(むねなり)(写真提供:宇和島市立伊達博物館)

宇和島は伊達家の歴代藩主が治め、産業や文化を興隆してきました。特に8代藩主・宗城は名君としてきこえ高く、幕末の世に内政のみならず中央の幕政にも影響を与えました。
宇和島市立 伊達博物館には、そんな先人たちの業績を讃え今に伝えるため、宇和島伊達文化保存会が所蔵する多くの文化財が展示されています。場所はJR宇和島駅から車で約8分です。
▲約4万点が特別展などを含む年5回の入れ替えをしながら公開されます

他では見ることができない貴重な資料もあり、国指定重要文化財の「豊臣秀吉画像」は、現存する秀吉の肖像画の中でも画幅があり大変立派なもの。近年筆者が狩野光信であると判明しました。毎年期間限定で特別展示されるので、展示期間は博物館へお問い合わせを。
いかがでしたか?のんびりと歴史や文化に触れてみたり、アクティブな体験を楽しんだり、多彩な楽しみ方ができますよ。たくさんの宇和島の魅力に出会う旅をしてくださいね!
矢野智子

矢野智子

愛媛県在住。愛媛県出身ながら高校卒業後ほとんどの時間を県外で過ごした後、生活の拠点を愛媛に定めた現在、改めて気付く地元の魅力に感動しきり。 人生を豊かにするものは「食」と「読」と信じ、そこに情熱を傾ける日々。

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