スマートスピーカーが日本についにやってきた。本日「Google Home」が発売され、スマートスピーカーに興味を持ち始めたユーザーも多いはずだ。
しかし比例して、「どれを選べばいいのだろうか」と悩んでいる人も多いだろう。
「Google Home」以外にも、「Amazon Echo」や「Apple HomePod」、「LINE WAVE」など、複数のメーカーから販売されているのに加えて、「Amazon Echo Dot」や「Google Home Mini」などの廉価版も存在している。確かに選ぶのは難しい。
今回の記事では、現在日本で購入できるスマートスピーカーや近いうちに購入できそうなものを対象に、悩んでいる人に向けて、どれを買うべきなのか様々な観点から提案をしてみたい。
以前に掲載した「【スマートスピーカー比較】Amazon Echo、Google Home、Apple HomePod どれを選ぶ? 本体、価格など徹底比較!」とはラインナップも状況も変わってきており、この記事をスマートスピーカー購入時の参考にしてもらえればと思う。
価格の安さで選ぶなら?
まず購入する以上、価格は重要な要素になるだろう。ましてや初めて買う場合、どう使えば真価を発揮するかが分かっていない場合、とりあえず安いものを購入してみるという方法もある。
そういう観点で、お試しスマートスピーカーとしてオススメなのは、Amazonの「Echo Dot」(日本円でおよそ5,600円)とGoogleの「Google Home Mini」(6,000円)の2機種だ。
安いモデルであっても、「Echo Dot」にはAmazonのAI音声アシスタント「Alexa」が搭載されているし、「Google Home Mini」には「Google Assistant」が搭載されている。加えて、基本的な使い勝手は上級モデルと変わらない。一番の違いは音質だが、もしスマートスピーカーに音質を求めない場合には、まずはいずれかのスマートスピーカーを購入してみることをオススメする。そしてもし気に入ったら、上級モデルを追加購入して、他の部屋に設置するなどしていくのが良いだろう。
音質で選ぶなら?
一方でスマートスピーカーに、スピーカーを求めるのであれば当然音質で選ぶのが良い。ロボスタ編集部では、まだ全てのデバイスを入手できているわけではないため、音質の聴き比べができているわけではないので、今回は、スピーカーの数・サイズ・本体重量が音質に比例していると考えると以下の2機種がオススメだ。
「Google Home」の上位モデルである「Google Home Max」とAppleのスマートスピーカー「Apple HomePod」の2つである。「Google Home Max」には4.5インチデュアル+0.7インチツイーターが搭載されており、「Apple HomePod」には4インチウーファーと小型ツイーター7つが搭載されている。
なお、家庭内にパワフルなオーディオシステムがある場合には、35mmオーディオ出力のジャックが付いていれば、より良い音質で聞くことができる。ジャックが付いているものだけをピックアップすると「Amazon Echo(第二世代)」、「Amazon Echo Plus」、「Amazon Echo Dot」、「Amazon Echo Spot」、「Google Home Max」が候補に挙がる。
音質を求めるのであれば、このようにスマートスピーカー本体の音質で選ぶか、35mmオーディオ出力ができるかで選ぶ2通りの方法が考えられるのである。
カラーバリエーションの豊富さで選ぶなら?
家庭内に置くものなので、インテリアに馴染むことも重要だという人も多いはずだ。その場合には、自分の部屋に合わせたカラーバリエーションがあることが大事と言えるだろう。
そういう意味では第二世代の新型「Amazon Echo」が圧倒的だ。カラーを選べるだけでなく素材が選べるのは、自分の部屋に合ったデザインが見つかりやすいはずである。
一方、「Google Home」はオプションでスピーカー部分の素材・カラーを変えることができる。また「Echo Dot」などはサードパーティーから様々なカバーも販売されている。このように、本体を後からカスタマイズしていけるのは、ユーザーにとっては嬉しい要素と言えるだろう。
「可愛らしいデバイス」を希望するなら、「LINE Clova Champ」の登場を待つのもありだ。
バッテリー内蔵モデルを選ぶなら?
スマートスピーカーは各部屋に設置して使うのが理想的だが、一つしか持っていない場合、家の中を持ち運んで使えるバッテリー内蔵モデルは嬉しい。またアウトドアで使うというのであればやはりバッテリー内蔵モデルがいいだろう。
その場合、現時点では「LINE Clova Wave」が唯一の選択肢になる。Amazonには「Amazon Tap」という持ち運び可能なラインナップもあるが、日本での発売時期はまだ不明だ。
なお、「Amazon Echo」や「Amazon Echo Dot」、「Google Home」に関しては、サードパーティーから「外付けポータブルバッテリー」が販売されているのでポータブル利用が必要であれば検討したいところだ。
今すぐ買えるモデルを選ぶなら?
日本国内で合法に使え、日本語に対応しているものが今すぐ欲しいという人もいるだろう。
その場合、「Google Home」、「LINE Wave」の二択になる。また、10月23日になれば「Google Home Mini」も購入が可能だ。ただ、今すぐ買えることよりも、後述の音楽サービスのことも考えてから選んだ方が賢明かもしれない。
ディスプレイ搭載モデルを選ぶなら?
これからは音声出力だけではなくディスプレイ搭載モデルが流行ると考える人も多いだろう。ちょっとした天気を見たり、音楽再生時も画面に情報が表示されると、実際とても便利に感じる。
ディスプレイが必要だという場合、現時点での選択肢は「Amazon Echo Show」(7インチディスプレイ)、「Amazon Echo Spot」(2.5インチ)の二択となる。どちらを選ぶかは画面をどこまで重要視するかというところだが、個人的にはリビングにはEcho Show、各部屋にEcho Spotを置くのが現時点では理想だと思う。将来的には、LINEが「Clova Face」というスマートスピーカーを出す予定があるが、まだ時期は不明である。
アプリの数で選ぶなら?
スマートスピーカーには、スマートフォンの「アプリ」のようなものが用意されている。AmazonとLINEはそれを「スキル」と呼び、Googleは「アクション」と呼んでいる。このアプリケーションの多さがスマートスピーカーの優劣を決める部分も大きいという考えもある。
現時点ではまだ日本語版のスキルが出揃っていないので、なんとも比較が難しいところではあるが、グローバルな流れで言えば「Amazon Alexa」が桁違いのスキル数を誇っており、日本でもその流れができる可能性は高い。
音楽サービスで選ぶなら?
音楽サービスで選ぶという方法は、選び方としてはある意味正しい。基本的にスマートスピーカーは有料の音楽ストリーミングサービスへの加入を前提にしている部分がある。何しろスピーカーなのだから音楽を聴くという目的で買う人が多いからだ。
曲数の多さで見れば、「Google Play Music」、「Apple Music」が4,000万曲と多い。料金で見れば、各社月額1,000円程度になるが、AmazonのみPrime会員であれば無料で音楽サービスが使える。
もし、現在利用中の音楽ストリーミングサービスがあるのであれば、それが使えるデバイスを選ぶのが無難だろう。わざわざスマートスピーカーのためにサービスを乗り換えるほうが手間だと思うからだ。
今後さらに選択肢が増える
今回は、各社オフィシャルのデバイスを紹介した。今後AmazonのAI音声アシスタント「Alexa」を搭載するデバイスや、「Google Assistant」を搭載するデバイスが各社から発売されていく予定である。それぞれ特徴があるものになるだろう。例えば、音響専門メーカーとしての音質へのこだわりであったり、防水性が高かったり、バッテリーが内蔵されていたり、カメラが搭載されていたり、センサーが搭載されていたりもする。プラスαの機能を持つものが登場してくるのだ。
今後幅広い選択肢の中からスマートスピーカーを選んで行けるのは朗報だが、どれを選ぶべきかますます迷いそうだ。しかしその際には、自分なりの基準を持って選ぶのが、きっと一番後悔が少ないだろう。
僕はこう思った:
全部のAI音声アシスタントが搭載されたスマートスピーカーがあれば理想です・・・(^-^;)
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中橋 義博1970年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学時代、月刊ASCII編集部でテクニカルライターとして働く。大学卒業後、国内生命保険会社本社において約6年間、保険支払業務システムの企画を担当。その後、ヤフー株式会社で約3年間、PCの検索サービス、モバイルディレクトリ検索サービスの立ち上げに携わる。同社退社後、オーバーチュア株式会社にてサービス立ち上げ前から1年半、サーチリスティングのエディトリアル、コンテントマッチ業務を担当する。2004年に世界初のモバイルリスティングを開始したサーチテリア株式会社を創業、同社代表取締役社長に就任。2011年にサーチテリア株式会社をGMOアドパートナーズ株式会社へ売却。GMOサーチテリア株式会社代表取締役社長、GMOモバイル株式会社取締役を歴任。2014年ロボットスタート株式会社を設立し、現在同社代表取締役社長。著書にダイヤモンド社「モバイルSEM―ケータイ・ビジネスの最先端マーケティング手法」がある。