このところ、増加しているサプリメントによるドーピング違反。去年、このサプリでドーピング違反に問われ、出場停止処分を受けた20代の自転車競技の選手が初めて取材に応じました。
国体で優勝経験もあるこの選手。10種類のサプリを服用していましたが、去年の大会でドーピングの検査を受けたあと、陽性の反応が出ました。
1種類のサプリに「アンドロステンジオン」という筋肉増強の効果がある禁止物質が含まれていたのです。当時について、選手は「頭が真っ白になった。どのサプリに陽性物質が入っていたか見当がつかなかった」と述べました。
サプリを服用していた理由については「周りの選手も取っている。そこで差をつけられたくないという思いもあるし、ほかの選手より優れたものを飲みたいという気持ちがあった」と振り返りました。アスリートたちのサプリの服用は広がりを見せています。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査で、全体のおよそ6割の選手が筋肉の増量や疲労回復のために「使用している」と回答しました。
サプリに禁止物質が入っていたのを知らなかったのかと尋ねると選手は、「ラベルの裏側に成分が書いてあり、危ない禁止成分がないか、調べていた」と答えました。
これについて、日本アンチ・ドーピング機構の専務理事は「サプリは薬品でなく食品のカテゴリー。全部成分を表示する義務ない。商品ラベルにないから安心だとはいえない」と指摘します。
さらに、この選手がインターネットでアメリカ製のものを購入していた点についても「海外製は禁止物質が入っている可能性が高い。しかし、海外製は安く、ネットで気軽に買える。違反になる事例があとを絶たない」と強く注意を促しました。
4か月間の出場停止処分をうけたこの選手は、最近、ようやく競技に復帰できました。選手は「サプリメントをとることは、大事な選手生命を脅かすことにつながることを身をもってわかった」として、二度と競技者としてサプリはとらないと反省の言葉を口にしました。
ドーピング サプリに“落とし穴” 冬季五輪前に講習会
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来年のピョンチャンオリンピックを前に、日本バイアスロン連盟が選手たちにサプリメントの危険性などについて伝える講習会を開きました。
この講習会は札幌市で開かれ、スポーツの知識を持つ薬剤師が、成分がすべて明らかにされないサプリメントは服用しないことや、検査で陽性となった場合に備えて摂取したサプリの情報を記録しておく重要性を伝えました。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、去年、国内でドーピング違反となった5人はいずれもサプリに含まれた禁止物質が原因でした。
6日も、先月開かれた競泳の日本学生選手権に出場した男子選手から、サプリが原因と見られる禁止物質による陽性反応が出たことが明らかにされました。
講習を受けた選手からは「これまでのトレーニングがむだになる危険性があるのならば、摂取はさけたい」といった意見が出ていました。
日本バイアスロン連盟のアンチ・ドーピング委員長の笠師久美子さんは「サプリに頼るのではなくバランスのよい食事とトレーニング、そして睡眠で体を作ることだ。選手に理解してもらえるようサポートしていく」と話しています。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、去年、国内でドーピング違反となった5人はいずれもサプリに含まれた禁止物質が原因でした。
6日も、先月開かれた競泳の日本学生選手権に出場した男子選手から、サプリが原因と見られる禁止物質による陽性反応が出たことが明らかにされました。
講習を受けた選手からは「これまでのトレーニングがむだになる危険性があるのならば、摂取はさけたい」といった意見が出ていました。
日本バイアスロン連盟のアンチ・ドーピング委員長の笠師久美子さんは「サプリに頼るのではなくバランスのよい食事とトレーニング、そして睡眠で体を作ることだ。選手に理解してもらえるようサポートしていく」と話しています。
違反選手 どのサプリが原因だったか分からず
このところ、増加しているサプリメントによるドーピング違反。去年、このサプリでドーピング違反に問われ、出場停止処分を受けた20代の自転車競技の選手が初めて取材に応じました。
国体で優勝経験もあるこの選手。10種類のサプリを服用していましたが、去年の大会でドーピングの検査を受けたあと、陽性の反応が出ました。
1種類のサプリに「アンドロステンジオン」という筋肉増強の効果がある禁止物質が含まれていたのです。当時について、選手は「頭が真っ白になった。どのサプリに陽性物質が入っていたか見当がつかなかった」と述べました。
サプリを服用していた理由については「周りの選手も取っている。そこで差をつけられたくないという思いもあるし、ほかの選手より優れたものを飲みたいという気持ちがあった」と振り返りました。アスリートたちのサプリの服用は広がりを見せています。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査で、全体のおよそ6割の選手が筋肉の増量や疲労回復のために「使用している」と回答しました。
サプリに禁止物質が入っていたのを知らなかったのかと尋ねると選手は、「ラベルの裏側に成分が書いてあり、危ない禁止成分がないか、調べていた」と答えました。
これについて、日本アンチ・ドーピング機構の専務理事は「サプリは薬品でなく食品のカテゴリー。全部成分を表示する義務ない。商品ラベルにないから安心だとはいえない」と指摘します。
さらに、この選手がインターネットでアメリカ製のものを購入していた点についても「海外製は禁止物質が入っている可能性が高い。しかし、海外製は安く、ネットで気軽に買える。違反になる事例があとを絶たない」と強く注意を促しました。
4か月間の出場停止処分をうけたこの選手は、最近、ようやく競技に復帰できました。選手は「サプリメントをとることは、大事な選手生命を脅かすことにつながることを身をもってわかった」として、二度と競技者としてサプリはとらないと反省の言葉を口にしました。
国体で優勝経験もあるこの選手。10種類のサプリを服用していましたが、去年の大会でドーピングの検査を受けたあと、陽性の反応が出ました。
1種類のサプリに「アンドロステンジオン」という筋肉増強の効果がある禁止物質が含まれていたのです。当時について、選手は「頭が真っ白になった。どのサプリに陽性物質が入っていたか見当がつかなかった」と述べました。
サプリを服用していた理由については「周りの選手も取っている。そこで差をつけられたくないという思いもあるし、ほかの選手より優れたものを飲みたいという気持ちがあった」と振り返りました。アスリートたちのサプリの服用は広がりを見せています。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査で、全体のおよそ6割の選手が筋肉の増量や疲労回復のために「使用している」と回答しました。
サプリに禁止物質が入っていたのを知らなかったのかと尋ねると選手は、「ラベルの裏側に成分が書いてあり、危ない禁止成分がないか、調べていた」と答えました。
これについて、日本アンチ・ドーピング機構の専務理事は「サプリは薬品でなく食品のカテゴリー。全部成分を表示する義務ない。商品ラベルにないから安心だとはいえない」と指摘します。
さらに、この選手がインターネットでアメリカ製のものを購入していた点についても「海外製は禁止物質が入っている可能性が高い。しかし、海外製は安く、ネットで気軽に買える。違反になる事例があとを絶たない」と強く注意を促しました。
4か月間の出場停止処分をうけたこの選手は、最近、ようやく競技に復帰できました。選手は「サプリメントをとることは、大事な選手生命を脅かすことにつながることを身をもってわかった」として、二度と競技者としてサプリはとらないと反省の言葉を口にしました。
選手の3割 サプリの危険性知らず
サプリメントは、食品に位置づけられ、医師の処方箋が必要な医薬品と異なり、気軽に手に入れることができます。また、内容物の表示については、複数の成分からできた材料は個々の成分を表記する義務はないということです。
日本アンチ・ドーピング機構が平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査では、全体の60.8%が「使用している」と回答しました。
使用する目的を複数回答で聞くと、筋肉・体重の増量のためが60%、次いで疲労回復が44%、競技力向上が33.5%となっています。一方で、ドーピングの禁止物質が含まれている可能性については、33.7%の選手が「知らない」と回答しました。
日本アンチ・ドーピング機構が平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査では、全体の60.8%が「使用している」と回答しました。
使用する目的を複数回答で聞くと、筋肉・体重の増量のためが60%、次いで疲労回復が44%、競技力向上が33.5%となっています。一方で、ドーピングの禁止物質が含まれている可能性については、33.7%の選手が「知らない」と回答しました。
ドーピング検査機関「サプリ推奨せず」
サプリメントによる違反が増えていることについて、ドーピングの検査機関であるJADA=日本アンチ・ドーピング機構の浅川伸専務理事は、「サプリのなかでも、安い海外製のものを使う傾向が増えている。そこには禁止物質が入っている可能性が高い。JADAとしてはサプリの摂取は推奨していない。違反になれば、選手にとり、現役のピーク時を棒に振ることになる。バランスのよい食事とトレーニング、そして休養で競技力の向上を図るよう心がけてほしい」と話しています。
ドーピング サプリに“落とし穴” 冬季五輪前に講習会
来年のピョンチャンオリンピックを前に、日本バイアスロン連盟が選手たちにサプリメントの危険性などについて伝える講習会を開きました。
この講習会は札幌市で開かれ、スポーツの知識を持つ薬剤師が、成分がすべて明らかにされないサプリメントは服用しないことや、検査で陽性となった場合に備えて摂取したサプリの情報を記録しておく重要性を伝えました。
日本アンチ・ドーピング機構によりますと、去年、国内でドーピング違反となった5人はいずれもサプリに含まれた禁止物質が原因でした。
6日も、先月開かれた競泳の日本学生選手権に出場した男子選手から、サプリが原因と見られる禁止物質による陽性反応が出たことが明らかにされました。
講習を受けた選手からは「これまでのトレーニングがむだになる危険性があるのならば、摂取はさけたい」といった意見が出ていました。
日本バイアスロン連盟のアンチ・ドーピング委員長の笠師久美子さんは「サプリに頼るのではなくバランスのよい食事とトレーニング、そして睡眠で体を作ることだ。選手に理解してもらえるようサポートしていく」と話しています。
違反選手 どのサプリが原因だったか分からず
選手の3割 サプリの危険性知らず
サプリメントは、食品に位置づけられ、医師の処方箋が必要な医薬品と異なり、気軽に手に入れることができます。また、内容物の表示については、複数の成分からできた材料は個々の成分を表記する義務はないということです。
日本アンチ・ドーピング機構が平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査では、全体の60.8%が「使用している」と回答しました。
使用する目的を複数回答で聞くと、筋肉・体重の増量のためが60%、次いで疲労回復が44%、競技力向上が33.5%となっています。一方で、ドーピングの禁止物質が含まれている可能性については、33.7%の選手が「知らない」と回答しました。
日本アンチ・ドーピング機構が平成25年にオリンピックや国体を目指す学生アスリート2000人余りを対象に行った調査では、全体の60.8%が「使用している」と回答しました。
使用する目的を複数回答で聞くと、筋肉・体重の増量のためが60%、次いで疲労回復が44%、競技力向上が33.5%となっています。一方で、ドーピングの禁止物質が含まれている可能性については、33.7%の選手が「知らない」と回答しました。
ドーピング検査機関「サプリ推奨せず」
サプリメントによる違反が増えていることについて、ドーピングの検査機関であるJADA=日本アンチ・ドーピング機構の浅川伸専務理事は、「サプリのなかでも、安い海外製のものを使う傾向が増えている。そこには禁止物質が入っている可能性が高い。JADAとしてはサプリの摂取は推奨していない。違反になれば、選手にとり、現役のピーク時を棒に振ることになる。バランスのよい食事とトレーニング、そして休養で競技力の向上を図るよう心がけてほしい」と話しています。