アニメ原点「驚き盤」放映へ 京都の女性、77枚保管

10.06 16:47 京都新聞

 約30年前に広島で開かれたアニメーションイベントで、国内外の作家が描いた手動の動画装置「驚き盤」が、近く京都市中京区のおもちゃ映画ミュージアムで映像として放映される。中には故手塚治虫さんによるアトムのほか、スヌーピーが描かれた作品も。今年は国産アニメ誕生から100年にあたり、ミュージアムは「貴重な資料。アニメーションの原点を知ってほしい」としている。

 驚き盤とは1830年代にヨーロッパで考案された円盤の玩具。円盤の周囲に少しずつ変化した絵を描き、鏡に映して回転させて、絵と絵の間に刻んだ隙間からのぞくと、残像で絵が動いて見える仕組み。アニメーションの原理にもつながる。

 驚き盤は、1985年に被爆40周年を機に開かれた「第1回広島国際アニメーションフェスティバル」のワークショップで国内外の作家や一般の人が参加して制作された。フェスティバルに関わった京都市内の女性が保管しており、ミュージアムが預かった。直径18~19センチの作品が77枚あり、日本アニメーション協会会長の古川タクさんが見たところ、著名な作家30人の作品31枚が含まれているという。

 手塚さんの作品は鉄腕アトムとウランが描かれて、サイン付き。ただ周囲に絵は描かれていないため、動画として見ることができない。ほかにもTVアニメ「ピーナッツ」や「トムとジェリー」で活躍した作家は、スヌーピーが跳びはねているような作品を描き、中央には「HIROSHIMA85」と明記。トキワ荘の住人で、ラーメン好きの「小池さん」のモデルで知られる杉並アニメーションミュージアム館長の鈴木伸一さんは、紙飛行機がチョウに変化して舞う様子を描いている。

 太田米男館長(68)は「広島で初めて開かれたフェスティバルに多くのアニメーターたちが集まった熱気を感じ取ることができる。アニメーションの歴史を知る機会にしてほしい」と語る。ミュージアムでは近く、驚き盤をコマ撮影し編集した映像の放映や、主な作品を展示する予定。問い合わせは同ミュージアム075(803)0033。

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京都の印象「洗練され驚いた」 ノーベル文学賞イシグロ氏

10.06 10:21 京都新聞

 2017年のノーベル文学賞が長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与されることが決まった。カズオ・イシグロさんは1989年11月、京都を訪れている。

 代表作「日の名残り」が権威ある英ブッカー賞を受賞し、その直後、約30年ぶりに日本を訪問したことから、旅程に京都も組み込まれていたとみられる。

 京都市内のホテルでインタビューに応じたイシグロさんは、濃い色のシャツにネクタイというシックないでたちで現れ、質問には英語で丁寧に答えてくれた。

 日本や京都の印象として、喫茶店などのデザインが非常に洗練されていて驚いた、と話した。日本生まれだけに、感性に共通するものがあったようだ。

 国際化時代に日本人がどう対応すべきか、という質問には「これまで世界のリーダーになったことのない日本人には、畏(おそ)れのような感情がある。経済が発展すれば、外国から人がやって来るのは当たり前。これまでとは違う生き方を学ぶべき」とコメントした。

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庭園に秋風、炎ゆらり 京都・東林院で夜間拝観

10.06 10:18 京都新聞

 京都市右京区の妙心寺塔頭・東林院は5日夜、「梵燈(ぼんとう)のあかりに親しむ会」の試験点灯を実施した。秋風に揺れるろうそくの炎が、庭園のこけや白砂を照らした。

 毎年10月に夜間の特別拝観として催しており、毎回2500人ほどが訪れるという。ライトアップではなく、柔らかなろうそくの明かりを用いることと、西川玄房住職(78)が作った瓦製の灯籠や竹筒を用いるのが特徴。

 水琴窟(すいきんくつ)の音と虫の鳴き声が聞こえる庭園には、禅語の「秋清風月佳(あききよくゆうげつよし)」の文字を、あんどんとろうそくの明かりで浮かび上がらせた。西川住職は「清らかな心で、一期一会の大切さを感じてほしい」と話す。

 親しむ会は6~15日の午後6時~9時(8時半受け付け終了)。拝観料500円。

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スノーデン氏、監視社会に警告 大津で日弁連シンポ

10.06 10:15 京都新聞

 米国の情報収集活動を告発した米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏が5日、大津市で始まった日弁連のシンポジウムにインターネット中継で参加し、日本でも進む監視社会化に警告を発した。憲法改正の動きや共謀罪、特定秘密保護法にも言及し、「大規模監視でテロは防げず、乱用は民主主義の危機を招く」と批判した。

 スノーデン氏は、監視社会と情報公開をテーマにした日弁連の人権擁護大会でのシンポにロシアから中継で加わった。

 米国の監視システムについて「誰のコミュニケーションにもアクセスでき、アクセスした痕跡を隠すことができる」と能力の高さを説明。日本が対象になっている可能性にも言及した。

 米国の情報当局がテロ防止の名目で市民の電話やネット履歴などを大量に収集していることについて、「テロ予防に効果的なのは標的を絞った監視」とし、無差別な情報収集は「愛人の動向や政敵、労働組合、イスラム教徒の監視」に利用されているとした。

 警察など当局による市民の監視や情報収集が進む日本の状況にも懸念を示し「プライバシーを守ることは自由を守ること。政府に対して懐疑的であるべきだ」と話した。

 パネル討論では京都大大学院の曽我部真教授、共同通信の澤康臣記者らが、民主主義における情報公開の重要性を議論した。

 6日はシンポジウムをもとに、プライバシー権の保障や犯罪被害者の救済について決議を行う。

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ゼニゴケ全遺伝情報解読 京大教授ら、新たなモデル生物に

10.06 10:11 京都新聞

 陸上植物の祖先に近い特徴を保つゼニゴケの全遺伝情報を、京都大生命科学研究科の河内孝之教授や近畿大生物理工学部の大和勝幸教授らが解読した。遺伝情報が比較的少ないにもかかわらず陸上植物に基本的な遺伝子がそろっていると分かり、植物のメカニズムを調べる研究に使う新たな「モデル生物」となる条件が整ったという。米科学誌セルに6日、発表する。

 ゼニゴケはコケ植物の仲間で花や種子といった器官はなく、約5億年前に陸上に進出した当時の植物に近い。約500年の観察の蓄積があり、全遺伝情報の解析が待たれていた。

 解読は2008年に始まり、12カ国113人が参加した。全ての遺伝情報を読み終えた結果、ゼニゴケには1万9138個の遺伝子があると分かり、性染色体のX染色体については植物で初めて配列が判明した。植物の発生過程や生理反応に関わる「転写因子」についてゼニゴケには基本形がほぼそろっており、陸上植物に共通する遺伝子の働きを確かめやすいことが明らかとなったという。

 河内教授は「これまではシロイヌナズナなど花の咲く植物がモデル生物として多く使われてきたが、より古い時代の性質を持つゼニゴケを使うことで新たな知見を得られるはず」と話す。(写真は河内教授提供)

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半日で設置、簡単和室を販売 京都の工務店、ヨガや茶道に

10.06 10:07 京都新聞

 杉本工務店(京都市南区)は、くぎを使わず簡単に組み立てられる和室を開発した。ヨガや茶道、瞑(めい)想などを行えるスペースとして、海外の富裕層向けに販売する。

 和室は、柱や天井を土台にはめ込んで据え付けた後、畳や障子、壁を設置する。大人2人であれば、2~4・5畳の和室を半日程度で組み立てられる。

 2年前にインドで行われた国際展示会で、日本から部材を空輸して簡易和室を製作したのをきっかけに開発した。

 価格は4・5畳の標準品で200万円から。同社は「日本の優れた木材加工技術や畳などの伝統文化を発信したい」としている。

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部屋数減らし高級化、温泉掘削も ウェスティン都ホテル

10.06 09:56 京都新聞

 ウェスティン都ホテル京都(京都市東山区)は大規模改装に乗り出す。ホテルの格式やグレードを一段と高めるため、客室数を全500室から300室程度に減らして1部屋当たりの面積を広げるとともに、温泉も掘削する。東京五輪が開かれる2020年までの完成を目指す。

 京都の訪日外国人観光客が増加する一方、ホテルの一部施設が老朽化しているため改装を決めた。大規模改装は東館を増築した1992年以来で、投資額は同ホテルとして過去最大となる見込み。

 客室は2室を1室に統合するなど再編し、南館の一部は撤去して庭園とする。温泉は外国人客から要望が多いといい、温浴施設などへの活用を検討する。ホテルのリゾート性を高め、家族で訪れる外国人富裕層などの取り込みを目指す。

 ホテルを運営する近鉄・都ホテルズ(大阪市)は「ホテルの付加価値を高めて宿泊客の滞在時間を長くし、外資系ホテルに負けない高級ラグジュアリーホテルにしたい」としている。

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9条堅持訴え僧侶らデモ行進 京都、仏教用語の幕を手に

10.06 09:50 京都新聞

 仏教徒の立場から平和憲法の堅持を訴える集会が5日、京都市内で行われ、浄土真宗の僧侶や門徒ら約80人がデモ行進した。

 「念仏者九条の会」や「真宗大谷派九条の会」など5団体が衆議院の解散を受けて開催。浄土真宗本願寺派と真宗大谷派の僧侶や門徒らが集まった。

 下京区の西本願寺・聞法会館で行われた集会では、憲法9条の堅持に向けて「平和を願い、誠実に対話を重ね連帯していく」とアピールした。その後、参加者らは三条大橋から大谷祖廟(東山区)までの約2キロをデモ行進。仏教用語の「兵戈無用(ひょうがむよう)(兵隊も武器もいらない)」などと書かれた横断幕を手に、法衣姿で不戦の誓いを新たにした。

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エスクデロ今季欠場へ、左膝を手術 京都サンガ

10.06 09:43 京都新聞

 J2京都サンガFCは5日、FWエスクデロ競飛王(29)が左膝蓋腱(しつがいけん)断裂のため、4日に手術を行ったと発表した。エスクデロは9月30日の千葉戦で負傷した。クラブは全治を公表していないが、今季の残り8試合は欠場する見通し。

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不明の認知症患者探せ、市民と行政が連携訓練 京都

10.05 18:30 京都新聞

 京都府や乙訓2市1町などは4日、行方不明の認知症患者を見つけるための訓練を向日市と長岡京市で実施した。市民が市職員や府警などと連携し、商店主らに認知症患者への接し方を伝えるなどした。
 府は認知症の行方不明者を早期発見して身元確認するため、2014年に連携要領を全国で初めてまとめ、府内の全市町村や警察、消防、公共交通機関と協力体制を構築した。今回は乙訓地域での連携強化に向けた訓練。
 向日市では市民ら約40人が7班に分かれて阪急東向日駅周辺の商店を回り、街をうろついている認知症患者の役を演じ、店主に対応を求めた。事前告知されておらず驚く店主もいたが、患者役に優しい口調で話し掛け、参加者から「本当に患者さんが来た時も、そのように対応してあげて」と助言を受けていた。
 JR長岡京駅(長岡京市神足2丁目)では駅員が認知症患者への声掛けや警察への通報手順などを確認した。

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