札幌は言わずと知れた「ラーメン王国」です。コンビニの数ほどラーメン屋があり、繁華街ススキノには、星の数ほどのラーメン屋があります。
全国的に有名なお店もあれば、無名ながらも地元の人が通うお店も数多くあります。札幌のラーメン業界は競争がとても激しく、新しく出来たお店が半年もしないうちに潰れてしまうこともよくある話、それが「ラーメン王国」である札幌の厳しい世界。
道外がら北海道に遊びに来る人は、さまざまな夢を描いてやってきます。「北の国から」を連想する大自然や、札幌を象徴する時計台、雪まつりなどを思い描いているのは想像にたやすいこと。そのような札幌を連想させるひとつに「札幌ラーメン」は欠かせない存在です。
道外から客人が来た時には必ず「札幌の名物であるラーメンが食べたい」と言われます。あたりまえですね、札幌と言えばラーメンです。
では、札幌民である私たちは数あるラーメン店の中から、どのようなお店を案内すれば良いのでしょうか。それは連れて行ってはいけないお店を知ることで見えてきます。
道外からの客人を連れて行ってはいけない札幌ラーメン店
札幌に住んでいる方や詳しい方は、おすすめのラーメン店がある方が多いのではないでしょうか。自分が好きなラーメン店に道外からのお客さんを連れて行く際、避けた方が良いお店です。
マズイ店
当たり前ですね。
営業開始から1年未満のお店
お店が潰れる可能性があります。もしも、あなたが沖縄に旅行に行き、地元の人に連れて行ってもらったお店が潰れてしまったと聞いたらどう思いますか?大抵の人は「潰れる店=マズイ」とイメージします。札幌の新しく開業するラーメン店が潰れる理由は味だけではありません。美味しいお店も潰れてしまうことも珍しくありません。しかしながら、そういった事態は避けるべきです。
札幌では有名だが、それほど混んでいないお店
たいていの人は、「美味しいお店=行列が出来ている」と連想するものです。もちろん行列が出来ていなくとも美味しいラーメン店は数多くあります。しかし観光でラーメンを食べるのであれば、ある程度お店が混み合っている方が視覚による美味しさの演出になります。飲食店は暇な時間帯があります。それ以外の忙しい時間帯にお客がまばらなお店であるならば、道外からの客人を連れいていくのは避けるべきです。
ラーメンガイドブックなどに載っていないお店
ここで言う「ラーメンガイドブック」とは、全国的に販売されている物ではなく、札幌市内のコンビニなどで手軽に変えるガイドブックです。全国規模のガイドブックであれば、ラーメンが有名な札幌といえど掲載されるのはほんの数店です。道内のみで販売されているラーメンガイドブックには、数百店を超えるラーメン店が掲載されています。たとえ美味しくとも地方出版のガイドブックに掲載されないお店は避けるべきです。
二郎系の量がウリのお店
札幌市内に、全国的に有名な二郎の支店があります。それ以外にもインスパイア系と言われる二郎スタイルの山盛りラーメン店も少なからずあります。大盛り系を否定するわけではありませんが、道外から来た人が札幌に来て食べるジャンルではありません。
札幌に600店以上あるラーメン店の中で、この条件を満たすお店はかなり絞られます。
そして1番重要なのは、招待する人に合ったお店を紹介することです。
接待する人に合わせてラーメン屋を選び、好みを聞く
札幌と言えば味噌ラーメンが有名です。しかし札幌ラーメンには、味噌・塩・醤油の3種類があり、とんこつラーメンも少なからずあります。味噌ラーメンを希望するのであれば良いのですが、それ以外の味の場合は特色を生かしたお店を案内したいものです。
北海道に来る頻度も重要な要素です。若い人であれば、今後北海道に来ることもあるでしょう。しかしながら、年配の方や今後北海道に来る見込みが無い方もいます。何度も足を運ぶことが出来ないのであれば、札幌を象徴するお店に行くべきです。逆に若い人であれば、今現在の札幌ラーメンのニューウェーブ店に案内することもできます。
10代~20代の若い人であれば、油の多い「こってり」が好きな方が多いと思います。逆に40代を過ぎた年配の方は油っぽい物が苦手な傾向があります。「こってり派」なのか「さっぱり派」なのかある程度推測は可能です。
問題なのは30代の方です。出張で接待することも多い年代ではないでしょうか。「こってり派」なのか「さっぱり派」なのか、好みを聞いた方が良いでしょう。
様々な年代でも共通して言えるのが「札幌ラーメンへの期待」の高さです。
道外がら来る人は札幌ラーメンへの期待は大きい
日本人はカレーライスが大好きなように、ラーメンも馴染みの深い食べ物です。ラーメンというだけで、最低限の美味しさを保証されています。
しかしながら、道外から来る人々は札幌ラーメンに過度の期待をしているのは事実です。札幌の滞在期間が長い場合、ラーメンが好きな人であれば数店食べ歩く事は可能です。しかし、滞在期間が短い場合には、ラーメンばかり食べているわけにはいきません。札幌にはスープカレーという全国的にも有名な名物料理がありますし、ジンギスカンや寿司や海鮮物なども食べたいことでしょう。
ラーメンはB級グルメの位置づけで、安価で手軽に食べることが出来る料理です。しかしながら、札幌ラーメンは道外から来る人々を魅了し、札幌を象徴する食べ物です。ジンギスカンやスープカレーも同様ですが、ジンギスカンの場合、近年は道内産の羊肉が流通し始めましたが大半は輸入された物です。スープカレーに関しても、道内の食材を積極的に取り入れるお店はありますが、スパイスなどは海外から輸入された物が大半です。
ラーメンの場合、全国的にも有名な製麺所があり、有名店のほとんどが自家製麺や札幌市内の製麺所を利用しています。肉類に関しては輸入されたも物も多いと思いますが、麺がメインであるラーメンは限りなく「札幌産」に近いと言えます。
どのラーメン店に連れて行くべきか具体例
以上の事を踏まえて、私が実際に道外から来たお客様を連れて行くお店を紹介します。年代や性別はもちろんのこと、ヒアリングした内容に基づき、お店を選んでください。
札幌に数ある店舗の中から、私自身が案内するお店を紹介します。
札幌で1番人気のお店に行きたい 麺屋 彩未(さいみ)
麺屋 彩未(さいみ)
営業時間:11:00~15:15 17:00~19:30(L.O.)
定休日:月曜日・他月2回不定休あり
住所:札幌市豊平区美園10条5-3-12
札幌のラーメンランキングで上位に必ずああり全国的にも有名店。街の中心部から離れており、札幌駅からタクシーで20分ほどの距離。混雑しているが、店内に順番待ち用の椅子があります。
味噌ラーメンが人気で、ランキング上位なこともあり、安定の人気です。
年配の方の場合 玄咲 月寒本店
玄咲 月寒本店
営業時間:11:00~24:00
住所:札幌市豊平区月寒中央通11丁目4番地38号
札幌駅周辺から、車で20分ほどの距離。札幌ラーメンの老舗でありながら、自家製麺やあっさり味に定評がある。年配の方でも食べることが出来るラーメンです。札幌のタクシー運転手さんがオススメするお店でも有名。
ラーメン好きで詳しい人 味の三平
味の三平
味噌ラーメン
営業時間:11:00〜18:30
定休日:毎週月曜、第二火曜
住所:札幌市中央区南1条西3丁目2大丸藤井セントラル4F
味噌ラーメン発祥のお店です。
ラーメンが詳しい人であれば、味噌ラーメンが発明されたお店は気になる物です。最近のラーメンの進化からは少し外れていますが、ラーメン好きなら絶対に押さえておきたい聖地です。
絶対に味噌ラーメンを食べるべきです。
ご飯時の時間は行列が出来ています。「こんな所にラーメン屋さんあるの?」と思うほど、文房具専門の百貨店ビルの中にあります。
女性で小食な場合 らーめん 信玄 南6条店
らーめん 信玄 南6条店
ハーフラーメン 味噌
営業時間:11:30~翌1:00
定休日:無休
住所:札幌市中央区南六条西8
ススキノの外れにあり、深夜も行列が出来ているお店。一人前よりも少ない「ハーフラーメン」がすべての味で注文できます。もちろん普通のサイズのラーメンもありますので、深夜ススキノ近辺でもオススメです。
時間帯が深夜の場合 けやき すすきの本店
けやき すすきの本店
営業時間:平日10:30-翌4:00 日祝10:30~翌3:00
定休日:無休
住所:札幌市中央区南6条西3丁目睦ビル1F
ススキノの中でも1番行列ができるお店です。深夜遅くまで営業していますので、一杯飲んだ帰りによることもできます。
地元民ならではの隠れた名店に行きたい 凡の風
凡の風
味噌ラーメン
営業時間:11:00~16:00(LO.15:40)18:00~21:00(LO.20:40)
定休日:水曜日(祝日は営業、翌日休み)
住所:札幌市中央区南8条西15丁目1-1 ブランノワールAMJ815 1F
札幌で1番勢いのあるお店。食事時の時間帯は並ぶ事が多いです。どの味を食べても間違いのない美味しさ。ススキノからタクシーで10分ほどの距離。
エビ風味ラーメンが食べたい人 えびそば 一幻 総本店
えびそば 一幻 総本店
営業時間:11:00~翌3:00
定休日:水曜日
住所:札幌市中央区南7条西9丁目1024-10
エビ風味のラーメンの先駆けのお店。ススキノの外れにあり、深夜遅くまで営業しているので、飲んだあとのラーメンにも最適。
終わりに
ここで上げたお店以外にも、美味しいお店は数多くあります。ですが、ラーメンを食べるのは道外の人です。私たち道民が食べている味覚とは違うのです。
地元の私たちが通うお店にも案内したいものです。地元の私たちは、色々なお店に行く事はできます。しかし観光や仕事で訪れた人たちはそのような事は出来ません。その人には生涯で1度の札幌でラーメンかもしれません。期待を裏切らない店選びがおもてなしにつながるのではないでしょうか。
以上、ぬむめでした。