もう10月ですが、今年の夏に行ってまだ記事にしていないお店がいくつもありますので、随時紹介していこうと思います。
銀之塔は、東銀座にあるシチュー専門店です。
こちらのお店には娘が以前から行きたがっていたのですが、敷居が高そうでダメダメと言ってきたのです。
でも、娘が上司からご馳走になり「すごく美味しかったから」と、連れて行ってくれました。きっとボーナスが出たのでしょう。
私が知っていた歌舞伎座の側の店舗は別館でした。本館はもう一本先の通りにあります。
暖簾が可愛い。
恐る恐る入ってみたら、普通の食堂のような店内なので驚きました。
銀座の歴史あるお店でシチューなんて緊張する~(>_<)と思っていたので、拍子抜けしてしまいましたよ。
メニューはシチューとグラタンのみ。
「どっちも食べてみたいから、シチューとグラタンを1つづつとってシェアしようか?」と言うと、シチューと一回り小さいグラタンをセットにした”ミニセット”をふたつ頼んでいました。
ボーナス、たくさん出たのでしょうか…(笑)
テーブルにセットされたのは、お箸。そしてお漬物。えっ?
サラダじゃないの?スプーンとフォークは?
更に、小鉢がみっつ。
ひじき煮、きんぴら、切り干し大根の煮物。えっ?えっ?えっ?
「この小鉢がもうね、素晴らしく美味しいの」と、娘はパクパク食べています。私は全体を写真に撮りたかったので我慢しています。
小さなグラタンが運ばれて来ました。
耐熱ガラスの器で、激熱の焼きたてです。表面には細かいチーズがたっぷりこんがりと。
スプーンがアイスクリームスプーンみたいで、ご愛嬌ですね。
娘が「アチチッ!」と言いながらグラタンを食べています。
すごい湯気なのでかなり熱そうです。なめらかなソースにエビと椎茸が入っていました。
このグラタンの味は独特で、銀之塔でしか味わえないオリジナルレシピだと思いました。
シチューが土鍋になみなみと、こちらもグツグツの状態で運ばれて来ました。
ミニセットでも小さいのはグラタンだけで、シチューは普通のサイズなのです。
シチューは、ビーフ、タン、野菜、ビーフとタンの入ったミックスが選べます。
私達はミックスにしました。
ビーフもタンも大きくてトロトロ。お箸で切れて口の中でとろけました。
デミグラスソースはサラッとしていて重たくなく、まさに和のシチューです。
どのセットにもご飯が付きます。ご飯はお替わりが出来るそうです。
ミニセットという名前なのに、すごいボリューム。
こうしてみると、ご飯は要らないかな?お替わりどころか残しちゃうかも…と思いましたが、どれも美味しくて残すなんてとんでもない!
シチューやグラタンって和食だったのね。と錯覚するような、味わい深い「和」のセットです。
お客さんは、長年通っていそうな老夫婦や、初めてのデートのような若いカップル、シチューの大盛りを頼む女性グループもいて、気取ったところのない落ち着くお店でした。
ちょうど役者さんから出前の注文が入ったようで、四角いお盆に並べたシチューセットを風呂敷で包み、歌舞伎座へ届けに行く様子が見られました。
役者さんもひいきにする味なのですね。
半世紀の歴史のある味。
私も誰かにご馳走する時に、使いたいお店だと思いました。