10月の新作アニメの始まる時期になってきましたが、今期も中国の動画サイトでは様々な作品が配信されるようですし、既に配信の始まった作品に関してもイロイロな話題が出ています。

そんな10月の新作アニメの一つ
「食戟のソーマ 餐ノ皿」

の第一話で中華料理研究会や中華料理の話題が出ているということで、ちょっとした話題になっている模様です。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「食戟のソーマの劇中における中華料理の説明」
などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のアニメの中華料理への理解が進んでいるような気がする。
「食戟のソーマ」の三期での中華料理ネタはわりとマトモというか、納得できるものだったように思うんだが。

「四川人不怕辣,湖南人辣不怕,贵州人怕不辣」という言葉が出たのはちょっと驚いたね。

あれ自分が覚えているのでは四川、貴州、湖南の順番だったように思うが……

私も湖南が最後で覚えていた。実際、辛さに関しては湖南の方がヤバイという印象だ。

なんで料理の辛さの話題になると江西が忘れられるんだ!
江西人こそが「怕不辣」と言われているのに。

だってお前らの地方って存在感ないし……

「食戟のソーマ」は原作付きで料理関係の監修があるはず。
知識に関してもかなりきちんとした所のが入っているんだろうね。

「食戟のソーマ」の第三期もう始まってたのか。
見た感じかなり中華料理をきちんと扱っているみたいだな。
ただ中華料理アニメは結局「中華一番!」を超えられないと思う

「中華一番!」の料理は光ってトンデモナイことになったりするので現実では再現できないから……「食戟のソーマ」は服脱げるだけなので料理自体は再現できなくもない。たぶん。

確かに「中華一番!」には現実で再現できない誇張部分も多いけど、中華の美食や中国をとても理解しているというのがよく分かる。
日本の漫画家で中華料理を最も理解しているのは「中華一番」の作者だろうね。

「食戟のソーマ」という作品の性質上中華料理は一つのジャンルでしかないから、「中華一番!」に比べると軽い扱いになるのはしょうがない。
もっとも、私の地元でのエピソードもあるから「中華一番」が日本の料理アニメにおけるマイベストだというのはずっと変わらないだろうけどな!

「中華一番!」と比べるのは気の毒だ。
あの作品の中国人が作った国産と勘違いされるレベルの中国的な空気は凄い。

いろいろ言いたくなるのは分かるが、日本の少年漫画系アニメで中華料理の解説がわりときっちり出てくるのは確かな進歩だと思う。

でも特訓の描写は相変わらず日本アニメ的だったな!
あの手抜きCGで全員サイボーグっぽい同じ動きというのは笑った。

しかしなんで中華研の訓練の掛け声がone twoなんだよ。そこはyi erだろ!ちょっとくらい気を使ってくれてもいいじゃないか!

昔のなんでも肉まんとかの小吃だった時代に比べるとかなり詳しくなっていると思う。でも劇中で「これが本物の辛み」とか言っている、あそこはツッコミ入れたくなってしまうな。

日本の中華料理に関する認識はちょっと一面的過ぎるように思えてしまう。
この作品の中でも辛さばかりを持ち上げているし、その辛さの表現も微妙。

確かに日本のアニメの中華料理への理解が進んでいる、だが辛さに関する理解は微妙な所だ。

辛さの描写は私も引っかかった。舌が焼けそうに辛いという言い方に、まだ日本人は辛さを理解できていないのではと思ってしまう。
四川を出しているのだからあそこは「麻」、日本語では「痺れる」と表現するべきなのに。

四川料理も辣ではあるが、「麻辣」だからね。
湖南料理を食べ慣れていると、四川料理はそんなに辛く感じない。きついのは「麻」だ。

日本人は四川料理の辛さの概念である「麻辣」を知らないみたいだな。この「食戟のソーマ」は典型的な例だが、どの作品も「辣」で止まっている。
四川料理の最大の特徴は「辣」じゃなくて「麻」の方なんだよね。花椒の痺れるような刺激は、唐辛子の辛さとは違う。

四川料理は中華で一番辛いとは限らないけど、最も「麻」な料理なのは間違いないよね。

日本でも中華の火鍋がそこそこ人気になっていると聞いたけど、やはりまだ一般的じゃないのかな。

日本における中華料理枠ではまだ存在感が無いんじゃないかな。
日本の中華料理って広東系が強いと聞くし、そうなると花椒とかで麻辣にする料理は目立たなくなるのでは。

なるほど。それはありそうだ。
ウチの国でも広東にいると花椒を見ないしね。

しかし辛さの強調の説明からして、この久我の作ったのもうまみ強調だから結局は日式なんじゃないの。

まぁウチの国でも中華料理は化学調味料ドバーでうまみ強調な感じになっているからそこは間違いとは言い切れんかも。

「食戟のソーマ」みたいな作品における中華料理の説明を見ると、日本における中華文化の理解が深まっているように感じられるのは間違いない。
だが、出て来る料理はいつも定番の麻婆豆腐とかになっちゃうんだよなあ……

そこは残念だよね。外人の知ってる四川料理って麻婆豆腐しかないのかと。

日本の一般読者、特に少年漫画読者の低年齢層向けにあんまり専門的な料理は出せないって事情もあるんだろう。少なくとも日頃食べるようなものじゃないとイメージし難いはず。

最近の作品だと「アリスと蔵六」の中華料理がかなり本物だった。

あの中華料理のシーン、実在する日本の中華料理屋をモデルにして作られたらしいね。新宿の店が作品の聖地扱いになってる。

個人的な事情だが、最近は辛い料理を胃が受け付けなくなってきたので、辛い中華をあんなに褒められてもちょっと……何と言うか……

辛いのは入る時も流れる時も出る時も危険だからな!

俺の実家は貴州なんだが、みんな辛い料理を食って育つというか、辛い料理がないと飯が食えない。その結果みんな胃腸に何かしらの問題を抱えるようになる。
自分も胃を悪くしているんだが、やめられないんだよなあ……

四川人としては、四川料理が辛い料理だけのように描写されるのはちょっと残念。
四川料理の伝統的な料理や格調の高い料理って辛くないのも多いというか、むしろそっちの方が多いくらいなんだが。

四川の辛い物好きなイメージは困る。
俺四川人なんだけど辛いのダメなんだ……偽四川人認定で辛いです……

大学で別の地方に行って帰ってきたら湖南料理がダメになってしまった知り合いがいるわ。食事の時には肩身が狭くなるとか。

四川は辛いのダメでもなんとかなるという話を聞く。

実際、なんとかなるよ。私は仕事の関係でしばらく成都で暮らしていたんだが、外のレストランで辛すぎてダメというのにはぶつからなかった。

最近は成都が内陸部のハブになって外からの人間がどんどん増えているし、料理も尖った所が無くなってきているからね。
成都の一般向け的なレストランだと、普通に頼む分には地元の人間でなければヤバイ辛さというのにはぶつからないんじゃないかな。



とまぁ、こんな感じで。
辛さの描写についてや結局は麻婆豆腐なのかなど、イロイロと言いたいことや語りたいことがあるようで、そこから更に自分の地元の料理がどうこうといった話になったりもしていました。

この数年の間に中国ではテレビやネットなどでグルメ関係のコンテンツが随分と増え、美食に関して語る人が増えているという話があります。
中国のソッチ系のサイトでも、食べ物ネタに関するスレが建つと美食を語る人達がどんどん出てきて盛り上がり易いといった印象を受けますね。


それにしても舌が痺れるような辛さである「麻辣」に関しては、今の日本の中華料理事情であれば普通に描写しても問題なさそうなな気もしますね。
最近は日本でも花椒を使った中華料理がそれほど珍しくなくなってきているなど、私も個人的にかなり嬉しい変化を感じています。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「また麻婆豆腐かよ!アニメの中華は麻婆豆腐ばかりだ!」

中国オタク「『中華一番』が中国で作られたアニメだと思っていたヤツ集合」