2017年10月7日(土)
スクウェア・エニックスがサービス中のオンラインRPG『ドラゴンクエストX オンライン』。本作の内容を紹介する企画記事を掲載する。
『ドラゴンクエストX オンライン』は、2012年8月に『ドラゴンクエスト』シリーズ初のオンライン専用ゲームとして発売され、現在も多くのプレイヤーが楽しんでいるネットワークRPG。11月16日に最新バージョン『ドラゴンクエストX 5000年の旅路 遥かなる故郷へ オンライン』が発売される。
サービス開始から5周年を迎え、新たなプラットフォームとしてPS4とNintendo Switchが追加された。「『ドラクエ』のオンライン版か、ちょっとやってみようかな」と思っている人も多いのではないだろうか。
そこで気になるのが“5周年”というサービス年数。本来であれば喜ばしいタイトルの長寿っぷりであるが、新規ユーザーとしては「5年分の差が埋められるのか?」や「結局ついていけず辞めてしまうことはないのか?」など漠然とした不安を抱いてしまうこともあるだろう。
先に結論から言うと、プレイ継続特典やイベント限定アイテムなど、埋めきれない部分は当然いくつかある。ただ、それらは「ないと話にならないよ!」といったものではなく、先行プレイヤーでも全要素をコンプリートしている人はそうそういないし、サブキャラやサブアカウントが有効な本作ゆえに、メインキャラ以外はそこまでしっかりやっていない人も多い。
そういった小さい部分を除けば、今からでも『ドラゴンクエストX』はまったく問題なくやれる。11月16日の最新バージョンの準備もできるので、本作のポイントをこれから紹介していこう。興味を抱いていた人は、ぜひ参考にしていただきたい。
オンラインゲームといえば、他ユーザーとの関わりあいは外しにくい。大勢の他ユーザーと同じ世界観のもと、同じ『ドラクエ』ワールドを冒険していくのは本当に楽しいのだが、「ひとりでマイペースにやりたい」という時もあるだろう。
それを支えるのが“サポート仲間システム”。『ドラゴンクエストIII』以降おなじみになった酒場にいくと、AIで行動するNPCを最大3人までパーティに加えることができる。雇えるのは自分のレベル+3までで、契約時間(12時間、24時間、48時間)に応じてゲーム内のお金(ゴールド)が必要。レベル30以下は無料なので、かけだしの冒険者なら使わない手はない。
酒場で雇えるNPCは、システム側で用意されたものだけでなく他ユーザーが登録中のキャラクターもおり、フレンド登録しているユーザーのものであればレベルに関係なく無料、同じチームなら半額といったサービスがある。
実は本作の制作発表会で、“安心して遊べる信頼”として掲げた3つのキーワードのひとつに「他人と遊ばなくちゃいけないわけじゃない、ひとりでも100%楽しめる!」というものを掲げていた。オンラインRPGは他ユーザーと一緒に遊ぶことが当然、あるいは前提とされていた当時としては異例と言えるスタンスで、これによって『ドラゴンクエストX』は普段オンラインRPGを遊ばない多くのユーザーの獲得に成功したと思われる。
数年後、当時のディレクターから「さすがに100%とはいかなくなった」と若干の方針変更はあったが、それでも一部を除くほぼすべてがひとりでやれる。NPCなので、いついかなる時でも一緒に冒険してくれるサポート仲間。当面一緒にやる人がいない、他ユーザーと時間があわない人でも安心してゲームが進められるのだ。
2016年にシリーズ30周年を迎えた『ドラゴンクエスト』シリーズは、当然ファン層も幅広い。「俺はこの『ドラクエ』が好き!」や「私はこれ!」といった好みの幅ははてしなく、当然個人の嗜好でバラバラだけにあくまでも「筆者は!」という注釈つきになってしまうが、『ドラゴンクエストX』は数あるシリーズや他オンラインRPGと比較しても、ストーリーに関しては相当力が入っていると思う。
ネタバレにもなるので、ぜひプレイして確認していただきたいのであるが、物語の中でも特に初期の5種族、5大陸に関するクエストは個人的にしびれるものばかりで、それぞれが折り重なり1本の潮流をなしていく全体構成は見事というほかない。メインストーリーはもちろん、ちょっとしたサブクエストも味がある。
これは『ドラゴンクエストX』に限らないが、オンラインRPGはメインストーリーの進行などに後々手が入るのがセオリー。これは先行ユーザーと後続ユーザーのギャップを埋めるためで、例えば当初はあちこち遠方に目的地があったものが、後々の修正で一瞬でジャンプできたり、あるいは省かれたりといった具合だ。
本作の初期はレベル上げも地道にコツコツ、メインストーリーやサブクエストもそれなりに手間をかけて進めていく感じであったが、6年目で新バージョンに突入するともなれば「最近始めたけど、早く新バージョンをやりたい!」という声があって当然。本作も、序盤のメインクエストなどには順次手が入っており、現最新バージョンのVer.3もボス戦の難易度が優しくなるなど、着実に後続への下地作りが行われている。
具体的には、クエスト中の遠方の目的地への移動や往復が簡略化され、ひたすらサクサク進むように修正されている。人によっては「えっ、今のやりとり意味があるの!?」と思えるだろうが、以前はそれなりに冒険感を演出する手順があっただけの話で、今は後続ユーザー向けにそうなっていると思っていただきたい。
本作に起用されているルーラストーン(石)もこの例にもれず、おとずれた町を登録する通常のルーラストーンに加えて、Ver.3から5大陸の町やキャンプ地を自由に移動できるメガルーラストーンが登場。似たような使い方ができるバシッ娘も当初の1日1回から現在は1日3回まで利用できるようになり、もはやマップ上を直接移動することのほうが少ないくらいに簡略化されている。
前に少し触れたが、本作はサブアカウントやサブキャラを作っておくと何かと融通がきく。目的はさまざまだが、そこで「念のためサブキャラも鍛えておこうか」となった時、こうした後続ユーザーへの配慮がきいてくる。「あれ、ここ結構タイヘンだった記憶があるけど今は楽々だ!」といった感じで、とてもサクサク進められる。
大変さがいい思い出になる場合もあるので、このあたりは善し悪しかと思われるが、長期プランでゲーム運営を考えるなら絶対に避けて通れない問題。変な話だが、逆に新バージョンでそういう思い出を作りたい(?)なら早めに本作をプレイしてVer.3まで済ませておくといいかもしれない。
オンラインRPGに限らないアバターをコーデする楽しさ。本作は当初、髪型の変更が不可能で装備した武具が外観にそのまま反映されるシステムだったが、途中からドレスアップと呼ばれる“着せ替え”システムを導入し、これが大好評を博している。なお、以下の要素は特定のクエストをクリアしないと使えない。受注条件などもあるため、まずは少しずつメインストーリーを進めていくといい。
現在では、美容院で髪型などキャラクターの外観や色、ドレスアップ屋で装備の見た目や色を変えるといったことがいつでもできる。ただし、それぞれ色や見た目の変更に必要なアイテムとお金が必要で、希少なものを使えば使うほど「いくらあってもお金が足りない!」といったことになる。ぶっちゃけてしまうと、ゲームを始めたばかりのころは、ドレスアップする余裕はあまりないかもしれない。それくらい本作はいろいろなところでお金が必要だ。
アバター要素は自身だけでなく、Ver.2から登場するNPC・アンルシアに関するものも用意されている。お姫様らしい衣装から「セクシーすぎる!」といったあられもないものまで多種多様。主に“DQXショップ”で販売されている課金アイテムだが、人気キャラクターだけに好評のようで、当時さまざまフレンドが「俺はこの衣装にしたぜ!」と声を荒げていたことを思い出す。個人的にはデフォルトの恰好が一番しっくりくるのでそのままにしたが、お財布と相談しながら好みのアンルシアと一緒に冒険するのもいいだろう。
オンラインRPGをプレイしたいと思っている人の2大障壁が、他ユーザーの存在と複雑なシステムではないだろうか。なかでもバトル関係は、もっとも頭を悩ませるポイント。有利不利やスキルの組み合わせなど複雑化しがちなところだが、本作はいたってシンプル。まずバージョン途中から種族間の能力格差がなくなり、どの種族を選んでも問題ないとなった。一定の条件をクリアする必要はあるが、職業やスキルの変更も自由だ。
パーティ編成は考える必要はあるが、他のオンラインRPGに比べるとハードルは極めて低い。装備はお金次第だが、メインストーリーを進めるだけなら安価な☆2以下でも十分すぎるくらい。
唯一本作ならではといえるバトル要素が相手の移動を阻害する“相撲”と呼ばれるシステムで、相手より自分のキャラクターが重いほど一方的に敵シンボルを押していける。これで動きを制限してボス戦などで戦いを有利に進められるが、重さは装備に特殊な効果をつけて強化していくのがセオリーのため、突き詰めるほどお金がかかるため、ゲームを始めたばかりのころは「そういうものなんだ」くらいの感覚でいいだろう。
範囲攻撃などはちょっと考えることもあるが、基本的にはコマンド式なので普段の戦闘で悩むことはあまりないはず。一般的なオンラインRPGが多様かつ複雑にすることで差別化を図っているのに対して、『ドラゴンクエストX』は従来の王道スタイルを採用。シンプルだがツボを押さえたシステムは、オンラインRPGをやったことがない人にはありがたい話だ。
なんだかんだで6年目。サービス内容によっては序盤で失速して短命に終わるオンラインゲームも少なくない中、本作は開始直後にサーバーを倍増するなどすさまじい勢いでユーザーを獲得し魅了してきた。一方で、Ver.3で若干その勢いが鈍った感は否めない。それまで1年ほどで刷新されてきたものが、Ver.3は完結まで2年を要したためだ。コンテンツの質量は賛否両論あるため、今回は触れないが、2年という絶対的な時間はやはり長かった気がする。
だからといって、これから始めようかという人たちが「じゃあやらないほうがいいんだ?」と感じる必要はない。なぜなら、Ver.3をこれから始める人たちであれば、2年をギュッとまとめて一気にプレイできるため、体感的に楽しめる可能性が圧倒的に高いからだ。メインストーリー含め、人によっては片手で余る日数でサクッと終わらせてしまうかもしれない。
シングルプレイ用のシステムが整備されており、後続ユーザー向けの調整や修正も怠りなく、何よりなじみ深い『ドラゴンクエスト』シリーズの世界観でたっぷり遊べる。
冒険ガイドの採用や、装備するとレベル79以下のパーティメンバー全員の獲得経験値を3倍にする便利な帽子の無料配布など、初心者に向けての施策もしっかり用意されている。前述のとおり新プラットフォームが追加されたことで、間口はより広くなった。
もし興味がある人は、無料で遊べるPS4/PC(Windows)体験版があるので、まずは試してほしい。特に先日から配信されているPS4版の体験版は、バージョン1のストーリーを終盤まで遊べるのでメインストーリーをしっかり堪能できるだろう。
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データ
[集計期間2017年 09月29日~10月05日]
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