エチオピア南西部ジンマの森で育まれたコーヒー
柔らかい触感に甘さを備えた穏やかな果実味
エチオピア南西部に位置するオロミア州ゲラ地区チラ村にあるコーヒー組合「ナノチャラ（Nano Chella）」から届いたコーヒーをご紹介します。当社では初めて扱うコーヒーです。ここは「ジンマ」と呼ばれるコーヒー生産エリアにあり、多くのコーヒーが栽培されている地域。同時期に販売しているイルガチェフェやその近郊のコーヒーとはまた違った味わいが楽しめますので、特にエチオピア好きの方は必見です。
組合のあるゲラ地区はエチオピア南西部のオロミア州と南部諸民族州の境界付近に位置しています。みなさんもご存じのコーヒー生産地域イルガチェフェからは北西に約400km離れたところに位置しています。手つかずの森が広がり、コーヒーの木も自生している地域です。組合のあるチラ村はそんな森に囲まれた、地区のなかでは比較的大きな村。周辺に住む400世帯以上の農家が会員としてコーヒーを栽培していて、登録世帯数は年々増えています。今後、さらに多くの収穫量と高い品質が期待できる組合です。各農家で収穫されたコーヒーチェリーを組合が所有するウェットミルで精製・保管し、輸出しています。
ナノチャラのコーヒーでは、同時期に販売している同じエチオピアのコーヒーとはまた違った味わいが楽しめます。触感は柔らかく、舌の上にそっと乗ってくるような口当たり。穏やかで甘さをともなった酸味はほのかにさくらんぼを思わせます。圧倒的な華やかさというよりは、落ち着きのある上品な果実味をご堪能いただけるはずです。ぜひこの機会にエチオピアの飲み比べもお楽しみください。
【賞味期限】 豆のまま：60日 粉に挽く：30日
＜ロースター小林のコメント＞
エチオピアといえばこれまでイルガチェフェやその近郊を中心に扱ってきましたが、今回はジンマエリアの優れたコーヒーを２種類ご紹介します。そのうちのひとつナノチャラは柔らかな触感が非常に印象的なコーヒーです。イルガチェフェ産コーヒーであればレモンなどを連想させるシャープな酸が特徴ですが、ナノチャラの果実味は尖った印象ではなく、オレンジやチェリーの穏やかな甘みです。もしエチオピア・デボ（コチェレ産）と飲み比べる機会があれば、その際は豆の外観を比べてみてください。小粒なデボに対してナノチャラは大粒で、その外観からもふくよかな味わいを想像することができます。
標高：1,900m～2,200m
生産者：ナノチャラステーション周辺の農家
品種：在来品種
精製：ウォッシュト
コーヒー生産地域「ジンマ」と「イルガチェフェ」の位置関係。イルガチェフェからは遠く、所属する州も違います。
ジンマエリアの拡大図。ナノチャラ組合はアガロという都市から南西に約20kmのところにあります。同時期に販売しているフンダオリ組合とも比較的近い位置です。
ナノチャラ組合に所属する400世帯以上の農家がそれぞれ収穫したチェリーは組合に持ち込まれます。
組合の所有するウェットミルの乾燥場。アフリカンベッドが列になって並べられたエチオピアでは一般的な乾燥場です。計150のベッドを所有しています。
果肉を除去したのち豆に付着したミューシレージを落とすために使用する発酵槽。ウェットミルでは最大200人もの労働者の方が働いています。エチオピアのウェットミルでは「人の手」による人海戦術で作業が進められてくのが一般的です。今後、機械の導入などによって効率化できるところを改善していけば、より多くの生産量や精度の高さを確保できると考えています。
組合が所有するパーチメントコーヒーの保管庫。
ナノチャラ組合のみなさん。ピーク時には最大1日3,000kgのコーヒーチェリーを受け入れています。
