ヤマハ発動機は2017年10月4日、これまでヨーロッパなど海外用として生産していたXSR700を2017年11月6日に日本国内でも発売すると発表しました。
XSR700 - バイク・スクーター | ヤマハ発動機株式会社
ベースとなっているMT-07や先に国内発売されている同シリーズのXSR900も販売好調ですから、XSR700の国内発売は当然の戦略と言えるでしょう。
◆ MMD MODEL:熊野改二「艦これ」ファンアートモデル(モデル製作:つみだんご)
XSR700とXSR900どっちがイイ?
XSR700とXSR900は排気量が700(688cc)と900(845cc)なので日本の免許制度では大型自動二輪の分類になるので、免許を持つユーザーとしてはどちらも選択可能です。
しかも、XSR700とXSR900はよく似ています。細かいところをよく見ていくと、全然違うのですがパッと見やバイクに詳しくない、興味がない人から見れば、同じバイクに見えるのではないでしょうか?
こうした理由から、XSR700の発売によってXSR900と「どちらがいいかな~?」と悩む人は増えるんじゃないでしょうか?
そこで私なりに違いを調べてどっちがオススメか考えてみました。
ベースマシンMT-07とMT-09の違いを試乗してみた
XSR700とXSR900のベースとなったバイクはそれぞれMT-07とMT-09です。
フレームや足回りといったプラットフォーム、エンジンは共通で、外装やポジションが変更されているだけです。
そこでまずはMT-07とMT-09を乗り比べてみることにしました。
MT-07:軽くて乗りやすいオールラウンダー
まずはMT-07から乗ってみました。
私はこのシャープなデザインも好みです。
試乗させていただいたお店へはNSR250Rに乗って行き、久しぶりの大型バイクという事で少し身構えながらMT-07にまたがってみたのですが、
非常に軽い。
この軽量感は驚きを超えてちょっとした感動がありました。
スペック上、MT-07の車体重量はABS付で182kg。XSR700は186kg。ほとんど差がありませんから、この軽量感はXSR700でも同様に感じることができるでしょう。
そして、エンジンを始動させると心地の良いい180度クランクツインエンジンサウンド。XSR700の外装デザインなら、さらに気分を盛り上げそうです。
走り出すとしっかりとしたトルク感があり、スムーズな発進が出来ます。
期待通りの操作感でした。
そこで、安心した私はアクセルをイッキに開けて加速してみたのですが
ウィリーさせちゃいましたw
予測していなかったのでちょっと焦りました
これまで乗った750cc以下のバイクやツインエンジンはブン回さないと走らないというイメージでしたがMT-07は違いました。
とにかく加速が鋭く、非常に楽しい。
しかもゆっくり走っていてもトルクは太く非常に安定、気持ちがイイ。
まさにオールラウンダーという言葉がピッタリのバイクでした。
MT-09:高速での伸び、ハイパワーならコッチ
XSR900も置いてありましたが、今回はMT-09に乗りました。
MT-.09も以前乗っていたZ1000と比べると、またがった瞬間「軽い」とわかりました。
3気筒エンジンの恩恵なのでしょうか。
MT-09の車体重量は193kg。XSR900は195kgですから、ほぼ同じ重量感と考えても良いでしょう。
フレームに関してはMT-07・XSR700はスチールパイプフレーム、MT-09・XSR900はアルミダイキャストフレームとなっていますが、これは適材適所といった感じでそれぞれのエンジン特性やキャラクターに合わせたものになっていて、デザインの中にうまく溶け込んでいるので、別段気にすることはないと思います。
スチールフレームだから重い、アルミだから軽いというようなことはありません。
エンジンをかけてみると4気筒と大差はない気がします。
ちょっと野太い音かな?ぐらいした。
MT-09の方は電子スロットルと共にトラクションコントロール(TCS)と走行モード切替システム(D-MODE)という電子制御が装備されています。
トラクションコントロールを発動させるほどの走り込みはさすがに試乗車では気がひけるので試せませんでしたが、D-MODEの方は操作して試してみました。
D-MODEには、STD、A(STDよりスポーツ)、B(STDよりコンフォート)と3段階があります。
まずはSTDで発進してみましたがMT-09もスムーズな発進。これはスリッパ―クラッチが装備されていることもあるでしょう。
そして大排気量らしい加速とパワー感。STDモードでも十分に速いバイクです。
次にAモードにしてみると
コワいほどの加速!
レスポンスが非常に良くなり、慣れていないと危ないくらいです。
一方、Bモードはあからさまにパワーが落ちた感じになってくれます。
燃費稼ぎ以外にも舗装されていない路面なんかで使えそうです。
もちろん加速だけではなく、MT-09に搭載された3気筒エンジンは
スムーズに高回転まで伸びてくれます。
3気筒エンジンと聞くとどうしても軽自動車を連想してしまうので高回転域は苦手かなと思い込んでいましたが、そうではなかったようです。
実は価格が最大の課題のXSR700
試乗を終えてまとめると、気軽に普段使いから通勤や通学、さらにはツーリングまでオールラウンドに乗り回したいのならXSR700・MT-07。
ハイパワーを味わいたい、高速道路中心のツーリングが多い。
最新の電子機能を楽しみたいならXSR900・MT-09が良いのではないでしょうか。
XSRシリーズにするかMTシリーズにするかというのはデザインの好みで決めれば良いと思います。
「じゃあ、デザインカッコいいし、軽くて普段使いできるXSR700にしようかな!」
って考えると、XSR700にだけ問題が発生します。
それはXSR700の価格です。
価格を並べてみましょう
- XSR900:¥1,042,200(税込)
- MT-09:¥1,004,400(税込)
- XSR700:¥899,640(税込)
- MT-07( ABS):¥760,320(税込)
なんかXSR700だけ高くね??(;´Д`)
XSR900とMT-09の装備はほとんど同じで、¥37,800(税込)の価格差。
XSR900にはクイックシフター(QSS)が装備されていませんが、Y'sGEARからオプションが発売されていて¥19,440(税込)で入手可能。
それと合わせても¥57,240(税込)の価格差です。
一方、XSR700とMT-07は価格差は
¥139,320(税込)
基本的な装備も変わりません。
XSR900とXSR700の価格差が¥142,560(税込)って事も考えると倒立フォークや電子制御が付いたXSR900の方がお買い得な感じもしちゃいますよね。
これまでの中古バイク市場の傾向を考えると排気量の大きいXSR900の方がリセールバリューも高そうです。
これらを踏まえた上で私が購入するとしたら
XSR900
の方を選ぶと思います。
XSR700はあの「ドコドコ」というツインサウンドと圧倒的な軽量感をを堪能したいという人にはオススメですが、XSR900でも十分に軽いバイクだと思いますし、見た目も正直大差ありません。
長く楽しんで、手放すときにお得なのはXSR900だと思います。
うーん、
XSR900がスゴク気になってきた!w
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