スズメバチは7月・8月・9月・10月が危険!注意点と対策について
刺されると痛いだけでなく、時には死をもたらす毒針を持つスズメバチ。近頃では都市部においても、大きなスズメバチの巣が多く発見されるようになっています。
スズメバチの巣は最大で直径50~60cmほどの球状です。木の枝や民家の軒下を主な営巣場所としていますが、稀に木の根元や屋根裏などの遮蔽空間に巣を作るスズメバチもいます。
もしも、自宅や近隣でハチの巣を見つけてしまったらあなたはどうしますか…?スズメバチ大量発生のシーズンを迎えるにあたり、ハチの巣を見つけた時に身を守る対処法を紹介していきます。
ハチから身を守るための10の対処法
1.不用意にハチの巣に近づかない
2.黒い服装より白い服装を選ぶ
3.強い香りのする香水・整髪料はつけない
4.甘い缶ジュースはハチの巣に近づけない
5.集団での移動には最大の注意を払う
6.「カチ、カチ」と聞こえたら危険
7.ハチと遭遇しても大きな音を立てない
8.近づかれても手やタオルで払わない
9.頭を隠し体を低くしてゆっくり逃げる
10.ハチの死骸には直接手で触らない
スズメバチの生態
スズメバチはミツバチと同じように社会性を発達させたハチです。日本にスズメバチの仲間は3属17種類生息しており、大きな巣を作って共同で巣を守り、子孫を育てます。スズメバチの巣が1年を超えて活動することは無く、冬を越すことができるのは女王バチだけです。女王バチは春に卵を産み、働きバチが夏頃から羽化を始め、秋にかけて集団の個体数が最大になります。よって、スズメバチの主な活動期間は7~10月で、この時期は攻撃的になるため、巣に近づくと非常に危険です。
非常に獰猛で気性が荒く、毒も強いです。人間がスズメバチに刺されると強いアレルギー反応があらわれ、痛み・痒みを引き起こします。さらに危険なのがアレルギーによるアナフィラキシーショックです。この症状は全身性のじんましんや呼吸困難を引き起こし場合によっては死に至ります。
これらの被害を回避するためにもスズメバチから身を守るための知識を身に着けておきましょう。
自宅にハチを見つけたら…
1.不用意にハチの巣に近づかない
危険生物から身を守る最大の方法は、近寄らないことです。自宅内でハチの巣を見つけてしまったとしても、「ハチに関するきちんとした知識」と「適切な装備」を手に入れるまでは、絶対にハチの巣には近寄らないようにしましょう。特に、小さな子どもがいる家庭では、より細心の注意を払う必要があります。
2.黒い服装より白い服装を選ぶ
ハチには「黒・赤・青などの濃い色に攻撃性を示す」という習性があります。ハチから攻撃されないために、濃い色の服装は避けるようにしましょう。特に黒い色には激しく反応しますので、黒とは対局にある白系統で、なるべく薄い色の服装を選びましょう。髪の毛も黒色として攻撃対象になるため、明るい色の帽子を被るのもオススメです。
3.強い香りのする香水・整髪料はつけない
花の蜜を餌とするハチは、フルーツや花の香りが大好きです。そして、フルーツや花の香りに似た、甘い匂いに引き寄せられるという習性があります。ハチも人間と同じように良い香りのする香水や整髪料を好みますので、ハチを惹き付ける原因となり得る香りの香水などは避けた方が賢明です。
4.甘い缶ジュースはハチの巣に近づけない
甘い匂いに加えて、ハチは光るものにも集まる習性があります。一度開いたジュースの缶は「光って甘い」というハチの大好物なので、缶ジュースはハチの近くで飲まない方が安全です。ジュースの中にハチが侵入し、気付かずに飲んで口内を刺されたというケースも報告されています。
5.集団での移動には最大の注意を払う
個人でいる時に遭遇するハチよりも、集団でいる時に遭遇するハチの方が興奮しやすく、攻撃性が高いとされています。ハイキングやキャンプなど、ハチと遭遇しそうな山道を集団で歩く際には、一人で歩く際よりも注意を払いましょう。
6.「カチ、カチ」と聞こえたら危険
スズメバチの鳴らす「カチ、カチ」という音は威嚇音です。この威嚇音が聞こえた時には、ハチはあなたの事を敵とみなしています。ハチを刺激しないよう、じっとしているか、ゆっくり巣とは逆の方向に後ずさりして立ち去りましょう。
7.ハチと遭遇しても大きな音を立てない
ハチは大きな音や激しい動きを感じ取った時、攻撃態勢に移ります。ハチを見たら叫んで逃げ出したくなる気持ちも分かりますが、ぐっとこらえましょう。また自分を中心にスズメバチが周囲を飛び回っている時は警戒されている証拠ですので、静かにその場でやりすごしましょう。
8.近づかれても手やタオルで払わない
蚊を手ではらって遠ざけるのと同じ感覚で、ハチをはらって遠ざけようとするのは大変危険な行為です。ハチは横からの動きに敏感に反応し、自分が襲われると考え、さらに攻撃的になります。ハチが近づいてきたらそっと距離をとりましょう。
9.頭を隠し体を低くしてゆっくり逃げる
自分の周りをハチが飛び回っている時は、しゃがんで身を低くし、ハチを刺激しない速度で逃げた方が良いでしょう。白っぽい色のタオルを持っている時には、皮膚の露出を減らすために、頭から被って逃げることをおすすめします。
10.ハチの死骸には直接手で触らない
運良くスズメバチを退治できたり、死んだハチを発見しても素手で触らないようにしましょう。ハチは死んだ後でも、筋肉の収縮運動によって体内から毒針が飛び出すようになっています。死んでからあまり時間の経っていない毒針には、まだ毒が付着していることがあるため、注意が必要です。
素人によるハチの巣除去はとても危険
自分の周りにハチの巣があると思うと、早く除去したくなるのも分かりますが、絶対に不用意に近づいてはいけません。素人判断でのハチの巣へのアプローチが引き起こす事故は、毎年多数発生しています。自分でハチの巣を除去するのは大変危険なのです。
あなたの家の周りにハチが増えているのなら、近くにハチの巣ができているのかもしれません。もし、被害に合えばひどい痛みを味わうことになるだけではなく、命を落としてしまうことだってあります。
スズメバチの被害に遭うのは、あなたの家族かもしれませんし、たまたま近所を通りかかった人かもしれません。多くの人が被害に遭う可能性を生むハチの巣を除去するのは、その敷地に住む人の義務ともいえるでしょう。
あなたの家の敷地にハチの巣ができているのなら、専門のハチ駆除業者に頼んで、安全に除去してもらうことをおすすめします。「生活110番」の「ハチ駆除」からお近くの業者を探すことができるので、今すぐにチェックしてみましょう。
(この記事は2017年9月22日に加筆・修正されています)