トヨタ流「成果が出る」最強の習慣トップ3

うまくいかないときは仕事を止める!

即効で成果の出る習慣とは?(撮影:尾形文繁)
仕事で効率的に成果を出している人は、「こういうときはこうする」という仕事の型、すなわち「習慣」が身に付いているものです。日本のリーディングカンパニーであるトヨタにも上司から部下へ、先輩から後輩へと連綿と受け継がれてきた「習慣」があります。トヨタで40年の経験をもつトレーナーたちが日々実践してきた習慣を紹介した『仕事の生産性が上がる トヨタの習慣』の中から、即効で成果の出る習慣を3つ紹介します。

習慣①仕事をとめる

もし問題を抱えたまま仕事をすれば、必ずどこかで悪い影響が出る。だからこそ、トヨタでは、問題が発生した時にはいったん仕事を止めて、問題解決に取り組むことが習慣化しています。

トヨタで徹底されているルールの1つに、「紐を引く」というものがあります。生産のラインには、「アンドン」という異常発生を表示装置に点灯させるしくみがあり、生産ラインに沿って「アンドン」を点灯させるための紐が張られています。そして、何か異常が発生したときには、作業者はその紐を引っ張ることで異常を知らせて、ラインを止めるのがルールになっています。

アンドンの紐を引くと、現場の上司が1次対応をしますが、それでも解決できない場合には、各所から関係者が集まってきます。金型の設計の問題であれば、現場の管理監督者、金型の設計者や生産者などみんなで、問題を起こした金型を囲んで、なぜ問題が起きたのか真因を追究し、「ああしたらいいのでは」「こちらのほうがいいかも」と議論が始まります。そして、問題を解決できたら、ラインを再び動かします。

このように「異常が発生したら、機械やラインをただちに止める」しくみを、トヨタでは「自働化」と呼んでいます。トヨタで保全作業を担当していたトレーナーの中上健治は、「ラインを止めることの大切さ」をこう話します。

「保全のスタッフは、故障が発生してラインが止まったとき、いちばんに駆けつけ、問題が発生した現場そのままの状態を見ます。刑事ドラマでも現場保存をしますが、それと同じでラインを動かしてしまうと、真因(真の原因)がわからなくなってしまいます。現場には問題解決のヒントや問題を引き起こした真因の痕跡が残っているものです

ここでのポイントは、紐を引いてラインを止めれば、問題の真因のありかを絞ることができることです。

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