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石川

「まちのり」5年連続赤字 有識者委 運営方式の見直しも

まちのりのあり方について検討する委員ら=金沢市役所で

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 公共レンタサイクル「まちのり」のあり方を検討している金沢市は、五日に市役所で開いた有識者委員会で、事業を開始した二〇一二年度以降の収支を示した。利用者の増加に伴い収入が大幅に増える一方、支出も膨らみ、委託事業者は市の負担金を差し引いても赤字の状態が続いている。市は運営方式の見直しも含めて、今後の方向性を検討する。(小室亜希子)

利用者増で維持費拡大

 まちのりは市が民間事業者に運営を委託する形で一二年三月から運用。市は初期整備費のほか、支出から収入を差し引いた見込み額を年度当初に決定し、負担している。

 市によると、運営委託先の選定時に事業者が示した計画では、支出が一定額にとどまる一方、収入は年々増えると見込んでいた。

 ところが利用者の増加に伴い、十八カ所でスタートしたポート(貸し出し・返却拠点)を二十一カ所に増設するなどした結果、維持管理費や人件費が増加。収入が大幅に増えると同時に支出も増え、事業者は支出超過分から市の負担金を差し引いても五年連続で赤字となっている。

 一六年度は収入三千三百万円に対し、支出は五千三百万円。二千万円の支出超過に対し市の負担金は千八百万円で、事業者は二百万円余りの赤字だった。

 市によると、ポート間を移動した自転車を元に戻す作業や、繁忙期にポートで整理や案内にあたるスタッフの人件費が大きく増えたという。

 市は有識者委で、民設民営や公設公営方式を採用する他都市の事例を示した。委員からは「基本料金(二百円)を三百円に値上げして、元のポートに戻すと百円が返金される仕組みにしてはどうか」などの意見があった。利用対象を観光客に特化するか、市民を中心にするかも議論した。次回は十一月末に開く。

 まちのりはポート二十一カ所、自転車百五十五台で運営。事業開始から五年経過したことを踏まえ、市は有識者委を設置した。

 

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