米紙Wall Street Journal(WSJ)は10月5日、事情を知る複数の人物の話として、ロシア政府の関与するハッカー集団が、米国家安全保障局(NSA)の契約職員が使っていたロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labのウイルス対策ソフトウェアを経由して、NSAの極秘情報を盗み出したと伝えた。
WSJによると、問題のNSA職員は、極秘資料を持ち出して自宅のコンピュータに保存していた。ハッカー集団はKasperskyのソフトウェアを通じてそのファイルの存在を突き止め、この職員に狙いを定めたとみられる。
盗まれた資料には、NSAが外国のコンピュータに侵入する手口や、スパイ活動に使用しているコンピュータコード、米国のネットワークの防御などに関する詳しい情報が含まれていたとされる。
ロシア政府がこうした情報を入手したとすれば、自国のネットワークの防御に役立てることができ、NSAの活動が困難になるほか、米国や他国のネットワークに侵入する手段をロシアに提供することにもなるとWSJは伝えている。
この事件が発生したのは2015年だが、2016年春になって発覚したという。
KasperskyはWSJに対し、今回伝えられたような事案を裏付ける証拠は示されていないと反論、「またしてもぬれぎぬをかけられたと推定せざるを得ない」とコメントしている。
Kasperskyの製品を巡っては、ロシアの情報機関とのつながりが疑われるとして、米国土安全保障省が9月に連邦政府機関に対し使用禁止を通達したと伝えられていた。
Kaspersky創業者のユージン・カスペルスキー氏は10月5日のTwitterで、「新たな陰謀説、匿名筋の報道がなされている。われわれがサイバー脅威に対して積極的に戦っているのは間違っていない」と断言した。
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