高級料理の代表といえばステーキ! たまに楽しむ贅沢(ぜいたく)として、家で作る人もいるでしょう。そこで欠かせないのが専用のソースです。でも、1回では使い切れずに余ってしまうことも多いのでは? そりゃそうでしょう、頻繁にステーキ肉なんて買えませんからね! そこで、今回は肉のプロに、肉に合わせたステーキソースの選び方や、余ったときの活用法を教えてもらいました!
試したのは3タイプの人気商品。味がそれぞれ違います
1:「キッコーマン ステーキしょうゆ 香味バター風味」(写真中央)
…同社自慢の丸大豆醤油(しょうゆ)をベースに、ニンニク、生姜、玉ネギなどを加えバターとともに風味を高めた定番の味。
2:「エバラ ステーキ御膳 和風おろし」(写真左)
…醤油と大根おろしをベースに、玉ネギ、生姜、ニンニクと、隠し味にはりんご酢でさっぱり感を演出。ほのかな黒胡椒の風味が香る、やさしい味わいです。
3:「木戸食品 ドリームNo.1ステーキソース」(写真右)
…野菜と果実は一般的なソースの約5倍。香辛料やモルトビネガーをふんだんに使用した、超濃厚なアメリカンタイプのステーキソースです。
そして今回協力を引き受けてくれたのは、浜松町や恵比寿などに展開している肉バル「GATSBY(ギャツビー)」の浜松町店。そこで料理人として腕をふるいながら店長も担う、二階堂亮一さんがチェックしてくれました。
二階堂店長
店長は、市販のステーキソースを見るなり「こういうのってよくできてますよねー」と感心。そしてステーキ、とくに牛肉には大きく2タイプに分けられて、味付けも国ごとに違いがあることを教えてくれました!
「まず牛肉に関しては、いわゆる日本と欧米の違いですね。俗に和牛といわれるタイプは霜降りで脂が乗っています。一方、アメリカやオーストラリアなど欧米のビーフは脂よりも肉本来のうま味が追求されています。ステーキ屋さんのジャンルでいっても、前者は高級鉄板焼き、後者はうちのような肉バルとかステーキハウスとなり、焼き方はグリルが多いですね」(二階堂さん)
そして二階堂さん、なんと「これが欧米型のお肉ですよ。うちの自慢の新作です!」といいながら、特別にお店のメニューをテストのために用意してくれました。うぉぉ、これはスゴい! 聞けば約500gもあり、しかもコスパがかなりいいじゃないですか!
アンガス牛のTボーンステーキ 5,940円
「T字形の骨の上側はサーロイン、下側はフィレです。特にアメリカ系のステーキハウスと呼ばれるお店では、この部位を食べるのが主流ですね。ただ、当店では味付けや盛り付けはフランス型といえるかもしれません。肉の味付けはシンプルに塩と胡椒(こしょう)のみで、マスタードと岩塩を添えて提供し、チップス(フライドポテト)を添えてますので」(二階堂さん)
味付けについては、日本ではソースのほかにワサビなど。アメリカでは肉汁とバターによるソースだったり、塩と胡椒のみだったり。フランスではマスタードだったり。またブラジルのシュラスコは「モーリョ」というソースで味わうなど、国によって違いがあるようです。
ということで、いよいよ試食へ。まずはキッコーマンのステーキしょうゆシリーズから。
キッコーマン ステーキしょうゆ 香味バター風味 165g。同社自慢の丸大豆醤油(しょうゆ)をベースに、ニンニク、生姜、玉ネギなどを加えバターとともに風味を高めています
「バターの風味が効いていて、とってもリッチ! また、ご飯が欲しくなる濃厚な味わいです。たとえば脂の少ない淡泊な肉でもおいしくしてくれるのがこのソースだと思います」(二階堂さん)
チェックは真剣そのもの!
ステーキ以外の、たとえば鶏ムネ肉や豚コマ切れ肉でも贅沢な味わいになるのでは?と店長。肉野菜炒めなど、ご飯に合わせるおかずとしてもいいのかもしれませんね!
そして次は焼肉のたれで有名なエバラから。
エバラ ステーキ御膳 和風おろし 165g。醤油と大根おろしをベースに、玉ネギ、生姜、ニンニクと、隠し味にはりんご酢でさっぱり感を演出。ほのかな黒胡椒の風味が香る、やさしい味わいです
「脂が乗ったステーキを、さっぱり食べるにはこれがベストかもしれません。ハンバーグや唐揚げなどの肉汁あふれる肉料理にも合いそうです。また、身のおいしさを引き立てる適度なさっぱり感があるので、ローストビーフ丼にもいいでしょう」(二階堂さん)
「まかないに使いたい!」と、店長もビックリのおいしさ
もちろん、同社の強みである焼肉用としてもおいしく食べられそうです。ステーキとしては、さっぱりと食べたい女性や年配の方にはおすすめといえそうですね。
そして最後は味のあるパッケージの「ドリーム NO.1ステーキソース」をチェック。
木戸食品 ドリームNo.1ステーキソース 275g。野菜と果実は一般的なソースの約5倍。香辛料やモルトビネガーをふんだんに使用した、超濃厚なアメリカンタイプのステーキソースです
「ハンバーグやコロッケにもと書いてありますが、中農ソースのようにとんかつやアジフライなどの揚げ物にもぴったりな万能タイプです。また、フライドポテトをディップするなど野菜にもイケそうですね。ジャンキーでクセになる味ともいえるでしょう」(二階堂さん)
どろっとしたパンチのあるテクスチャー!
調べたところ、この商品は昨今「ステーキが熱い!」と騒がれている沖縄の激戦区でも屈指の老舗の「ジャッキーステーキハウス」でおなじみのソースだとか。
まとめてみると、ステーキソースの選び方は、肉の脂によって変わってくると言えそうです。
■バター系の濃厚なソース…脂の少ない淡泊な肉や、鶏ムネ肉、豚コマ切れ肉などのあっさりとした肉に◎
■おろし系のさっぱりソース…脂が乗ったステーキや、肉汁あふれる肉料理に合う
■アメリカンソース…何にでも合うジャンキーな味。揚げ物にもぴったり
三者三様の味わいがあるので、最終的には好みに応じて使い分けができそうですね。本稿を参考に、余ったソースを活用してみていただければと! 次の休みなどに、すてきなステーキはいかがでしょう。
【取材協力店舗】
大衆バル GATSBY ランボ
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13196295/
住所:東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディングB1
電話番号:03-6459-0678
営業時間:月~金11:30~14:30(L.O.14:00) 17:00〜23:00(L.O.22:00)、土日祝11:30~14:30(L.O.14:00) 17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:不定休
アクセス:JR「浜松町駅」北口徒歩1分
食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。