「そもそも結婚してない」、最大1630億円を懸けた英離婚裁判で夫が主張
最大11億ポンド(約1630億円)がかかる英国での離婚裁判で、夫はそもそも結婚していないと主張した。
不動産投資会社クライテリオン・キャピタルを創業したアシフ・アジズ最高経営責任者(CEO)は、英国の法律の下では一度も妻のタギルデ・アジズさんと結婚していないと主張している。弁護士らによれば、この裁判で争われる額は英裁判史上で最大級に上る。
タギルデさんは、自分はアジズ氏の子供4人の母親であり、同氏は自分を妻として世間に紹介したと反論した。「公正な財産分与」を求めるタギルデさんは、アジズ氏の資産を11億ポンドと判断している。
夫妻が2002年にマラウィ共和国で、あるいは1997年に英国のウィンブルドンで行われた儀式が結婚式として認められるかどうかが焦点となる。タギルデさんは97年のウィンブルドンでの式典当時、すでに妊娠していたがまだ前の夫と離婚していなかったという。5年後の2002年には、アジズさんの親戚が住むマラウィで再び豪華な宴を開いたとしている。
アジズ氏の方はマラウィでの結婚式はなかったとして、「非公式に養子にした」子供のパスポートを得るための便宜上の措置だったと述べている。
ロンドンの裁判所は離婚に際し財産の対等分割を命じることが多く、バンカーなど金融業界人の高額の資産がかかった離婚訴訟はしばしば注目を集める。
タギルデさんの弁護士はコメントを控えた。アジズ氏の弁護士に電話取材を試みたが今のところ応答がない。
原題:Investor CEO in $1.3 Billion Divorce Denies Being Married (1)(抜粋)