発作以外の悩みも多彩ですが、一緒に解決しましょう。(詳しくは、ようこそへ)
来る2017年10月5日(木)16:00より、株式会社LITALICOと、グラクソ・スミスクライン株式会社の共催にて、企業・地域支援者向け公開講座「知って安心、てんかんと就労」を開催します。講師は東北大学病院てんかんセンターの中里信和教授と藤川真由助教、仙台市障害者就労支援センターの齋藤涼平氏です。参加者を交えたパネルディスカッションも予定されています。てんかんでは社会の誤解や偏見も多く、働く現場でも、多くの当事者が自分らしく働くことができない問題に直面しています。周りの人が正しい対応をとることにより、この問題を解決していきたいと考えています。公開講座のパンフレットと参加申込書は、こちらのPDFをご覧下さい。
2017年7月5日、中里信和教授と柿坂庸介講師が、インドネシア・パル市のアルハイラート大学ならびにアナプトラ病院を訪問し、東北大学医学系研究科との部局間協定締結式へ出席し、記念講演を行いました。アルハイラート大学ならびにアナプトラ病院にとっては初めての外国の研究機関との協定であり、その様子は地元の複数の新聞で大きく取り上げられるなど、関心の高さが窺われました。今後は、遠隔会議システムを用いた定期的な検討会や、留学生の交換などを通じた研究協力をすすめることで、交流を展開することとなります。
第11回日本てんかん学会東北地方会が,和田一丸先生(弘前大学大学院保健学研究科)を大会長として,2017年7月15日に仙台市(江陽グランドホテル)で開催されます.プログラム・抄録集が公開されています.(こちら)
2017年5月22日から24日までの3日間、仙台国際センターにて、中里教授を会長としてBiomagnetic Sendai 2017が開催されました。この学会は、国際臨床脳磁図学会、日本生体磁気学会、日本脳電磁図トポグラフィ研究会の3学会の合同開催です。
生体の機能を電気と磁気で計測する技術に関する研究者が、基礎・臨床を問わず、また医学系・工学系を問わずに一同に介する貴重な機会となりました(写真1)。終了後のスタッフの集合写真も貼付します(写真2)。
(写真1)
(写真2)
2017.5.22~24 仙台市で開催の「Biomagnetic Sendai 2017」は,国際臨床脳磁図学会,日本生体磁気学会,日本脳電磁図トポグラフィ研究会の3つの学会の合同です.シンポジウムおよび口演セッションのプログラムが公開されています.(こちら)
東北大学医学部では医学部教室員会とよばれる教授以外の医師で構成される組合があり、医学科5年生による小グループ制の臨床実習に参加した学生たちの投票による<The Best Teacher Awards>があります。趣旨としては「理想的な指導をしている先生を選んで表彰する」ものであり、2016年度の本賞には、てんかん学分野の柿坂庸介講師が選出され、本日、表彰式が執り行われました.投票した学生からは「放ったらかしにせず親身に指導をしてくれた」,「てんかんの基礎知識から実臨床に則した内容まで丁寧に教えてくれた」と言った声が聞かれました.てんかん科は全学生の約1/4程度しか実習を行っていませんので、全員投票による受賞はきわめて異例です。柿坂庸介先生,おめでとうございました!
受賞の柿坂庸介講師(左)と、投票した一人と推測される医学科6年生(右、本人の許可を受けて掲載)
てんかん学分野・てんかん科には、2017年4月から新しく5名のメンバーが加わりました。
医員として、上利大先生は広島市民病院からの国内留学です。神経内科専門医の即戦力です。同じく医員として、高山裕太郎先生は横浜市立大学からの国内留学です。脳神経外科専門医のこちらも即戦力です。精神保健福祉士の小川舞美さんは、今春、東北大学教育学研究科修士課程を卒業され、新たに病院スタッフとして心理社会評価面での活躍を期待しています。医学博士課程には中嶋恭彦さんが入学しました。放射線技師の資格をもち、脳磁図の研究を展開する予定です。障害科学修士課程には植田和さんが入学しました。今春、立教大学現代心理学部心理学科を卒業されました。てんかん患者さんを心理的・社会的にサポートする研究を行う予定です。
以上の5名を含むスタッフ・大学院生の紹介は、こちらをご覧下さい。
日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の宮島喜文会長より、第65回日本医学検査学会において平田(櫻庭)理絵さん(てんかん学分野博士課程卒業。現東北大学病院生理検査センター)が発表した演題「睡眠ステージが難治てんかん患者の頭蓋内脳波高周波振動の分布に与える影響」に対して、「日臨技学術奨励賞 最優秀演題賞」が授与されるとの通知がありました。表彰は本年6月17日、幕張メッセで開催予定の第66回日本医学検査学会の式典において執り行われます。平田(櫻庭)理絵さん、おめでとうございます!
柿坂庸介講師らによる投稿中の症例報告が、Journal of Medical Investigation に掲載されるとの通知が届きました。レベチラセタムが抗てんかん薬として投与された患者が、合併していた化学物質過敏症の症状まで劇的に改善したという1例報告です。
化学物質過敏症は本態性環境不耐症とも呼ばれ、ごく微量の薬物や化学物質の暴露により多彩な症状が出現する疾患です。原因は不明で、医学的な原因が存在するとの意見がある一方で、身体表現性障害の診断基準をも満たすことから、心因性と捉える見方も多いとされています。
抗てんかん薬レベチラセタムは、米国では1999年から、日本では2010年から使用が認可されました。シナプス小胞糖蛋白(SV2A)に結合し、グルタミン酸をはじめとした神経伝達物質の放出を抑制するというまったく新しい作用機序が提唱されています。
今回の症例報告では、レベチラセタムがなぜ化学物質過敏症に有効だったのかは証明できてはいませんが、レベチラセタムがグルタミン酸系の過剰活性化を正常化させることで化学物質過敏症の症状が緩和されたのではないか、と考察しています。なぜなら化学物質過敏症に関しては、NMDA受容体の過剰活性化などのグルタミン酸系の異常があるという報告や、身体表現性障害と診断される症例の一部にもグルタミン酸系の異常があるとの報告が、これまでなされているからです。
一例報告の場合、エビデンスの価値は高くありませんが、これまで原因不明とされていた化学物質過敏症の病態解明や、レベチラセタムの新たな可能性(ドラックリポジショニング)をさぐる端緒となりうるとう点で、貴重な報告と考えています。
柿坂庸介先生、おめでとう!
3月25日(土)にせんだいメディアテークにて、てんかん啓発イベントを開催し、約230人の参加者で賑わいました。今回は「就労」をテーマに、てんかんという病気の多様性と個々のニーズの幅広さを学びました。仙台を拠点として活躍中のアコースティックバンド「金子ヤスタカバンド」の金子さんとATSUSHIさんには、心に響くライブとご自身の体験から語る熱いメッセージを頂きました。ファッションコンテストでは、飛び入り参加やハプニングが満載の中、パープルを身にまとった出場者の方々に自分らしさや応援メッセージをアピールしていただきました。そして、パネルディスカッションでは、てんかんをもつ当事者は「自分の病気のエキスパートになり職場に伝え安心してもらうこと」、地域の就労支援事業所は「当事者の就労上の障害の解消だけでなく、その人が仕事に活かせる強みや能力も引き出しサポートを行う機関であること」、そして雇用主は「てんかんの多様性を理解し、個別のニーズに対応することで、安心して働く環境が提供できる」という多面的な重要性が話し合われました。日本てんかん協会宮城県支部やエフエム仙台をはじめとする沢山の方々のご協力とご支援に、実行委員会スタッフ一同感謝申し上げます。
3月25日 <プログラム概要>
てんかんとは?(東北大学病院てんかんセンター長 中里信和)
てんかんと就労(同院てんかん科 藤川真由)
金子ヤスタカバンド ライブ&トーク
Mr & Ms Purple ~Sendai Purple Collection~
パネルディスカッション「てんかんと就労」
・日本てんかん協会宮城県支部 武田彩氏
・金子ヤスタカバンド 金子ヤスタカ氏
・仙台市障害者就労支援センター 齋藤涼平氏
・東北大学てんかん学分野准教授 神一敬氏
・東北大学病院医療ソーシャルワーカー 大竹茜氏
総司会:石垣のりこ(エフエム仙台)
展示コーナー:株式会社特殊衣料、就労支援事業所、日本光電東北株式会社、日本てんかん協会宮城県支部
当日のパンフレット
東北大学
てんかん啓発サークルPIE
中里教授の講演
金子ヤスタカバンド
ファッションコンテスト
パネルディスカッション