日本デザイン振興会は4日、2017年度のグッドデザイン賞を発表した。福井県内関係では、えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れ事業が受賞した。乗降のしやすさと優れたデザインを両立させた次世代型低床車両の「キーボ」「フクラム」をはじめ、鉄道を軸に人にやさしいまちづくりを目指すトータルデザインが評価された。
相互乗り入れ事業では鉄道事業者と県、福井市などが一体となり、ハード、ソフト両面で利便性の向上を追求している。その一つがお年寄りや体の不自由な人が乗り降りしやすいキーボとフクラムだ。使いやすさだけでなく、形や色も特徴的。キーボは黄色で丸みを帯びて愛嬌があり、フクラムは近未来的なフォルムでオレンジ色と青色、緑色、さくら色の4種類が走る。
結節点の田原町駅(福井市)も県産材を使った温かみのある駅舎に生まれ変わり、高校生らの好評を得ている。相互乗り入れ区間の1年目の利用者数は、田原町駅での乗り換えが必要だった15年度の約2・7倍に増加した。
えち鉄の豊北景一社長は「今回の受賞を機に、県や福井市などとさらに力を合わせて、車に頼らないまちづくりを進めていきたい」と話している。
福井県あわら市とパナソニック(本社大阪府)が昨年度、宅配便の再配達削減を目指した宅配ボックス実証実験も受賞した。実験の結果、再配達率が49%から8%に減ったことや、再配達問題に焦点が当たったことなども評価された。
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