イラク軍、ハウィジャ中心部「奪還」 残る数少ないIS拠点
イラク軍は5日朝、北部ハウィジャの中心部を、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)から奪還したと明らかにした。市民数万人がいるハウィジャは、イラク国内に残る数少ないIS拠点のひとつ。2014年からISの支配下に置かれていた。
イラク軍のハウィジャ奪還作戦を指揮するアブデル・アミール・ヤララー中将は、軍の部隊や警察などが「ハウィジャ中心部をすべて解放し、前進を続けている」と表明した。ハウィジャ周辺で殺害したIS戦闘員は196人に上り、98の村を奪還したという。
これに先立ちイラク軍は3日、ハウィジャ南郊のラシャド空軍基地を制圧。ISはこの空軍基地を訓練施設として使っていた。
イラク軍が今後、ハウィジャの周辺も制圧すれば、イラク国内のIS支配地域はシリアとの国境沿いのわずかな土地だけになる。
国連は3日、いまだにハウィジャ市内に最大7万8000人の市民が立ち往生していると発表した。イラク軍は、ISが一部の市民の脱出を阻止し、街の周辺に爆発物を敷設した可能性もあると話している。
ハウィジャ奪還作戦が2週間前に始まって以来、約1万2500人の住民が街を脱出したと国連は言う。過去数日の間に何人が逃れたかははっきりしない。
イラク軍や民兵組織や米国主導の有志連合による空爆の支援を受け、IS掃討作戦に取り組んでいる。今年7月には9カ月におよぶ戦闘の末、国内第2の都市、モスルを奪還した。
ISはシリア国内の一部も依然として占拠している。