連覇を達成した広島に衝撃が走った。広島は5日、石井琢朗打撃コーチ(47)、河田雄祐外野守備走塁コーチ(49)が球団に辞任を申し入れ、今季限りで退団することを了承されたと発表した。この日までに選手、フロントなどチーム内にあいさつを済ませた。共に家族を東京に残して単身赴任をしており、家族との時間を大切にしたいとの意向から、退任となった。連覇を支えた2人がポストシーズン後に、広島を去る。全体練習終了後に、記者会見を行う。
石井打撃コーチは現役通算2432安打を放ったバットマンで、09年から広島でプレー。内野守備走塁コーチをへて、16年から打撃コーチとなった。巧みな理論と多くの引き出し、徹底した練習量で「ビッグレッドマシンガン打線」を作り出し、昨季の25年ぶりリーグ優勝に貢献。「打率はよくて3割。失敗の7割をどう生かすか」を選手に説き、凡打でも内容を求めた。15年に不調だった菊池、丸を復活させ、若い鈴木の成長をアシスト。今季は安部や西川などチーム全体の底上げにも尽力した。
河田外野守備走塁コーチは三塁コーチとして抜群の判断力を発揮。16年に導入されたコリジョン・ルールにもいち早く対応し、機動力野球を復活させた。走塁面では今季の盗塁王が確実な田中や代走要員の野間など、潜在能力を開花させた。守備面でも積極的なプレーを推奨。鈴木が前方の飛球に突っ込んで後逸した際には「俺はああいう教え方をしている。誰がなんと言おうとオレは曲げない」と選手を守った。
松田元オーナーは「革命を起こしてくれた2人。チームにとってはもちろん痛手だが、それでも前に進まないといけない」と語った。33年ぶりの日本一を2人へのはなむけとしたい。