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五色に変化する神秘の湖オンネトーで、北海道の大自然を満喫!

2017.10.01

北海道東部の阿寒摩周国立公園内にある、周囲2.5kmの湖「オンネトー」。大自然に囲まれ、変化する湖面の色と共に様々な美しい景色を見せてくれます。そんな神秘的な魅力にあふれたオンネトーを中心に、癒される周辺のスポットを巡ってみました。

▲四季を通じて多彩な景色を見ることができるオンネトー(写真提供:あしょろ観光協会)

湖面の色が美しく変わる秘境の湖

北海道の先住民族アイヌの言葉で「年老いた沼」「大きな沼」を意味する「オンネトー」。雌阿寒岳の噴火により螺湾(らわん)川の流れが止められてできた湖です。十勝地区足寄(あしょろ)町東部にあり、その市街地から車で約1時間。同じ阿寒摩周国立公園内のマリモで有名な「阿寒湖」からも車で約30分で訪れることができます。
▲緑色の木々とのコントラストが美しい青色の湖面。鮮やかなその色は「オンネトーブルー」と称されます(写真提供:あしょろ観光協会)

人里はなれた秘境の大自然に囲まれたこの湖は、千歳市の「オコタンペ湖」、上士幌(かみしほろ)町の「東雲(しののめ)湖」と共に「北海道三大秘湖」に数えられ、季節や天候、見る角度によって湖面の色が変わることから別名「五色(ごしき)沼」とも呼ばれています。
▲エメラルドグリーンの湖面。見る角度や光の条件によっては、より強く色付いたように見えます(写真提供:あしょろ観光協会)

湖までの道路が閉鎖する冬季(12月中旬~4月中旬)を除いて、絶景を見ることができる北海道屈指のスポット。バスなどの公共交通機関が通っておらず、訪れるにはマイカーやレンタカーを使わなければなりません。しかし、現地は湖畔の展望デッキをはじめ、散策路やキャンプ場、各所にトイレなども整備され、大自然と気軽に触れ合うことができます。

湖畔の展望デッキは絶景のベストスポット!

そんな神秘の景色を求めて、オンネトーを訪れてみました。まず立ち寄ったのは、湖全体を見渡せる、西側湖畔の展望デッキ。雄大な雌阿寒岳と阿寒富士、さらに周囲の大自然とオンネトーが織り成す美しさを、この展望デッキから堪能できます。変化する湖面の色や四季ごとの風景を、何度も通って眺めてみたくなります。
▲雌阿寒岳(左)と阿寒富士(右)を望む展望デッキ。駐車場も隣接されており、その絶景を見ようと多くの人が訪れます(写真提供:あしょろ観光協会)

特に神秘的なのが、波がないときに周りの景色が湖面に映りこむさま。波を起こす風が少ないのは明け方なので、興味のある人はぜひ足を運んでみましょう。早起きは少し大変ですが、その分、より美しい世界が見られるかもしれません。
▲夜明けの静寂な湖面に映し出される幻想的な世界。この景色に運良く出合いたいものですね(写真提供:あしょろ観光協会)
▲水鏡に映るもうひとつの世界。日中でも天候によってはこのような景色に出合えることも(写真提供:あしょろ観光協会)

もうひとつの神秘「湯の滝」まで散策路巡り

オンネトーの周囲には散策路も整備されているので、自分の足で大自然を巡ってみることもおすすめです。今回は、湖の南側にある散策路を歩いてみることにしました。散策路のスタート地点までは、展望デッキから車で5分ほどです。
▲展望デッキ駐車場にあるオンネトー周辺のガイド図

湖畔の南東にあるキャンプ場奥の駐車場へ車を停めて、散策スタート。ここからゴール地点の天然記念物「湯の滝」まで片道約1.4kmの散策路が通じています。
▲散策路のスタート地点にあるゲート。車やバイクは進入禁止で、徒歩でゲート右側の隙間から進入します

原生林の中にありますが、道は比較的幅が広く歩きやすいです。というのも、この散策路は昔の作業道路で、車を通ることも想定して作られたものだからなんだとか。自然の力を感じながら開放的な気分でハイキングを楽しめます。
▲2016年の大きな台風の影響で、所々倒木もありますが、散策路上のものは撤去してあり快適に進むことができます

散策路の周辺には豊かな天然林が広がっています。長い年月厳しい自然を耐え抜いてきたアカエゾマツの巨木や、秋になると紅葉を演出するナナカマドやイタヤカエデなど…それらを見ながら散策路を歩いていると、周囲の景観を含めて大自然の力が体に伝わってくるような感覚になります。
▲足を止めれば、道端には色鮮やかな野草も

散策路を進んで約20分。黒い岩肌に白い水が流れる滝が見えてきました。ゴール地点の「湯の滝」です。落差は20数m、水ではなく温泉が流れていることから、その名がつけられました。
▲現在はありませんが、昔は流れているお湯を引き込んだ湯船があり、入浴もできたそうです

湯の滝は、製鉄に必要不可欠な「マンガン鉱石」が形成される珍しい場所として、平成12(2000)年に国の天然記念物に指定されました。

通常は海底で形成されるマンガン鉱石が、滝の温泉に含まれる成分と崖に付着した微生物が反応することによって形成されているのです。地上でマンガン鉱石が形成されているのは地球上でもここだけなのだそう!昔は採掘も行われていました。
▲大量の水が流れるダイナミックな滝ではありませんが、黒い岩肌を白い滝筋が流れる様には「わび・さび」の世界があります

地球活動の一環を見ることができる湯の滝もまた、 オンネトーと同じく神秘の場所であると感じました。散策路もここが終点、帰りは来た道を戻ります。
スタート地点に戻った後、湖畔東側にある散策路も少し歩いてみました。こちらは自然の姿をより強く残す原生林を、オンネトーを眺めながら巡るルート。
▲湖周辺の散策路は整備されているとはいえ、道幅が狭く木の根などの障害物もあるので、足元には気をつけて
▲オンネトー東側に広がる原生林は、太古からの姿を残すダイナミックな空間

展望デッキでオンネトーの絶景の中に身を置き、さらに散策路を歩いて大自然の神秘と力強さを感じる。ただ湖の色が変わるだけではない、何か特別な力を持ったオンネトーの神秘に気づかされました。

オンネトーの湖面の色が変わる秘密は「錦沼」にあり?

散策路からは離れますが、オンネトーを訪れたなら立ち寄ってほしいスポットがもう1つあります。それは湖と雌阿寒温泉をつなぐ道路沿いにあるオレンジ色の小さな沼「錦沼」。
▲展望デッキから車で約5分の距離にありますが、森林に囲まれており沼自体は見つけにくいかもしれません。看板があるので、それを頼りに

沼底の泥には鉄分が豊富に含まれていて、この鉄分が錦沼とつながっているオンネトーにも流れ込み、湖面の色が変わる不思議な現象を起こしているのではないかと推測されています。
▲オレンジ色の水面にはオンネトーと同じく不思議な魅力が

大自然を巡った後は、グルメと温泉で一休み

オンネトーの魅力は景色や大自然だけではありません。周辺で営業している食堂や温泉もぜひ立ち寄ってみてください!散策路のスタート地点近くにある「オンネトー茶屋」はオンネトー湖畔で唯一営業している食堂です。
▲湖の南側、キャンプ場の手前にある食堂です

早速、一番のおすすめという「コロッケらわんぶき定食」(税込900円)を注文。足寄町の名産である「ラワンブキ」という巨大なフキをふんだんに味わえる定食です。
▲煮物や佃煮など5種類のラワンブキ料理とポテトコロッケがおかずに付いてきます

やわらかくも歯ごたえがしっかりしたラワンブキがどの味付けにもベストマッチ!滋味にあふれ、ヘルシーで美味しい定食でした。
▲6〜7月の収穫時期には2m以上にも成長するラワンブキ。足寄町中心地からオンネトーに向かう途中の上螺湾地区には見学用の圃場もあります(写真提供:あしょろ観光協会)

茶屋ではオンネトーをイメージしたサイダーも販売していました。その名も「足寄オンネトーブルー」 (税込250円)。オンネトーの水面をイメージした青いサイダーで、足寄町産のアカエゾマツの葉から抽出したフレーバーウォーターを使用しています。酸味のあるすっきりとした味わいが特徴です。
▲オンネトーの湖面を眺めながら飲むと、よりさわやかな気分に。茶屋のほか、足寄町市街地の「道の駅あしょろ銀河ホール21」などでも購入できます

また、餃子生地に熊笹を練りこんだ「熊笹餃子定食」(税込900円)、豚骨スープの「オンネトーラーメン」(税込850円)などのオリジナルメニューも。次に訪れたときは、それらもいただいてみようと思います。
オンネトーの近くには温泉もあります。食事の後は温泉で汗を流しましょう。オンネトー茶屋から車で約10分で辿り着けるのは雌阿寒温泉「山の宿 野中温泉」。雌阿寒岳の麓にある、秘湯の雰囲気抜群の温泉宿です。
▲宿周辺からは早くも硫黄の香りが。宿泊のほか、日帰り入浴もできます
▲浴室は総トドマツ造り。その風情も相まって心地の良い入浴が楽しめました
▲露天風呂もあり、夜には満天の星を眺めながらの入浴も楽しめます

泉質は、雌阿寒岳の恩恵を受けた源泉100%かけ流しの硫黄泉。湯船に入るとその泉質の力強さからか、肌にビリビリとまとわりつくような感覚がありました。リュウマチ、神経痛、皮膚炎などに主な効能が期待できるとのことです。

紅葉に満天の星…、四季の絶景を追い求めて

季節や時間帯、天候によって違った景色を見せてくれるオンネトー。その魅力は、一度来ただけでは味わいきれません!湖面と同じく様々な表情を見せてくれる、その自然環境。何度も訪れ、あらゆる季節やあらゆる角度から眺めることで、新しい発見があるかもしれません。
▲春の訪れを告げるミズバショウの花(例年の見頃は5月頃)。美しい野草が見られるのもオンネトーの特徴です(写真提供:あしょろ観光協会)
▲力強い緑の木々が湖面に映える夏の夕暮れ。ドライブ、観光にも最適なシーズンです(写真提供:あしょろ観光協会)
▲9月中旬〜10月上旬は紅葉の季節。標高が高い、昼夜の温度差が大きいなどの紅葉が美しくなる条件がそろっており、特におすすめのシーズンです(写真提供:あしょろ観光協会)
▲11月を過ぎると雪景色を見られる日も。ただし、12月中旬〜4月中旬までの冬季は国立公園内のオンネトーまでの道路は通行止めとなり、湖周辺に進入できなくなります(写真提供:あしょろ観光協会)
▲夜もまた魅力的。周囲には人工の明かりがなく、晴れた日には無数の星々が湖上の空できらめきます(写真提供:あしょろ観光協会)
▲登山の装備が必要ですが、雌阿寒岳から見下ろすオンネトーの景色もおすすめ。いつかは登頂にも挑戦してみたい(写真提供:あしょろ観光協会)

刻々と変わる湖面の色と、移り行く季節、そして朝と昼と夜の組み合わせによってオンネトーは無数の表情を見せてくれます。それらはどれも美しく、記憶に残るものになることでしょう。きれいな景色を見るだけではなく、大自然そのものを五感で感じ癒される、何度も通いたくなる場所でした。道東の釧路・十勝方面を旅する際は、ぜひ立ち寄ってみてください!
長尾悦郎

長尾悦郎

北海道十勝地方でカメラマン、ライター、新聞記者として活動中。撮影ジャンルは広告、風景、人物など幅広く。地元観光協会勤務やご当地キャラマネージャーなどの経験を生かし、地元をもっと盛り上げていきたいと思っています。(編集/株式会社くらしさ)

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