かのフルトヴェングラー先生と人気を二分した指揮者。
イタリア物、ヴェルディやレスピーギなどは絶対的な力を発揮した。
『レクイエム』のバスドラがね、大砲かよ!?というくらい、物凄い音がした。
『ローマの祭』も、未だ彼の演奏が唯一無二。
しかしベートーヴェンが弱かった。
『英雄』のCDを初めて買ったのが彼の盤で、「???」の連続だった。
つまんねぇ曲だなぁと。
それを覆してくれたのがフルト先生の「ウラニアのエロイカ」。
指揮でこれだけ違うのか!とはっきり認識した瞬間でもあった。
専制的な指揮者だったようだ。
よく怒鳴った。
汚い言葉で罵った。
しまいには指揮棒で団員の手を刺してしまったらしい。
何度も言うようだが、芸術は清濁併せ呑むべきものだ。
醜さも露わにするから、美しさが引き立つのだ。