脱家電見本市を掲げ、2回目の開催を迎えた「CEATECジャパン」。金融や住宅など「新顔」に注目が集まるが電機大手もキラリと光る技術を展示する。注目したのは人の感情をセンシングする技術だ。
「IoT関連の見本市というイメージは、すっかり定着したね」――。
10月3日に開幕した国内最大の家電・IT関連の見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン2017」。出展する電機や電子部品大手の技術者の多くからは、決まって冒頭の言葉が出てきた。
昨年、あらゆるものがネットにつなるIoTなど「脱・家電見本市」を打ち出したシーテック。昨年はやや手探りだった電機大手だが、2回目となる今回は一般消費者ではなく企業に最新技術をアピールする「BtoB」(企業向けビジネス)見本市としての色が鮮明となったようだ。
感情をセンシングする
位置付けが変わったことで出展者も様変わりした。主催者によると、今年の出展社・団体数は667。昨年に比べて3%増にとどまるものの、約半数は初出展という。初参加のLIXILは家電や住宅設備などをネットでつなぐ「スマートホーム」を展示したほか、昨年に続いて参加する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は開発中のデジタル通貨「MUFJコイン」を公開した。
かつての「家電」見本市では考えられなかった「新顔」に注目が集まっているシーテック。だが、“本家”である電機・電子部品メーカーの展示も負けていない。テレビなど一般商品者向け商品のような派手さはないが、キラリと光る次世代技術を数多く出展していた。
記者自身が電機・電子部品大手の展示で興味を持ったのが、センサー技術だ。これまでのような映像や音、加速度などの物理量を測るだけにとどまらず、感情など人の状態をセンシングするような展示が相次いでいたからだ。
例えばパナソニックが開発した「感情・体調センシング」技術。通常のカメラとサーモカメラの2種類のカメラを使い、表情や目の瞬き、脈拍、皮膚温度や放熱量を測定、これらを人工知能(AI)で分析し、人の喜びや怒り、悲しみなどの感情を導き出す。