残念な上司は部下の報告をうまく生かせない

ムダな営業日報にこだわりすぎていませんか

報告そのものが目的化してはいけません(写真:EKAKI / PIXTA)

9月22日、電通の違法残業事件の初公判が東京簡裁で開かれました。「ブラック企業」という言葉は以前からもありましたが、この事件が大きなきっかけとなって、「ブラックな会社」「ブラックな職場」といった話題が大きく取り上げられ、政府も「働き方改革」に本腰を入れています。

仕事や職場が「ブラック」かどうかは、実はマネジャーの力量にかかっている部分が大きいと個人的には考えています。たとえばマネジャーが自分の部署のメンバーの生産性とモチベーションを上げることができていて、その結果、業績も上がっている場合、メンバーは、その職場を「ブラック」だとは感じないでしょう。

社内でマネジャーの職位が上がれば上がるほど、「ヒト・モノ・カネ」などの経営資源(リソース)を動かせる裁量も大きくなります。しかし、職位の上下にかかわらず、すべてのマネジャーが握っているのは「ヒト」です。

「年3回しか怒らない」というボスに真実が集まる理由

マネジャーはメンバーからさまざまな報告を受けます。そこでは、「つねに真実が語られる環境」が必要です。真実が伝わって初めて、そこから解決策も生まれてくるからです。反対に、虚偽の情報が伝わる組織は、「ブラック」の温床になる可能性が高いといえます。

拙著『超ホワイト仕事術』でも詳しく解説していますが、マネジャーはメンバーから聞く「真実」の中身によい話も悪い話もある中で、特に、「悪い報告が早く・正確に伝わる環境」を意識してつくり上げることが重要です。

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  • NO NAME4a0cb5222f2b
    >メンバーの限りある時間を奪ってはいけない

    まさに、これに尽きる。
    逆に言うと、嫌われる上司の本質はとにかく人の時間を無駄にする術に長けている。
    残業強要や会議過多はその最たるものでしょうなぁ。
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    2017/10/5 07:59
  • NO NAME3210fd2ddd00
    残念な上司だらけの会社は大多数。私は一部署を預かっていますが、日報等もデイリィ提出は不要にしています。営業なら商談・問題点・見込アプローチを箇条書きすれば充分です。あとはスビード感を持ってDoする。

    その為に、上層部への事前決済を含めた根回しをしておくのが大事です。それが中間管理職の大事な役目です。
    up6
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    2017/10/5 08:10
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