五輪会場 お台場の水質 「大腸菌」基準値大幅超 対策へ
その結果、国際水泳連盟の基準で、「ふん便性大腸菌群」の数が最大でおよそ7倍を検出したほか、透明度が基準を下回り、国際トライアスロン連合の基準では「大腸菌」の数が最大でおよそ20倍という数値が検出されました。
今回の調査で、国際競技団体が定める水質と水温の基準を達成したのは、オープンウオータースイミングでは調査した21日間のうち半数以下の10日間、トライアスロンでは調査した26日間のうち4分の1以下の6日間でした。この結果について組織委員会と東京都、それに競技団体が記者会見し、水質の悪化を示す数値が検出されたことについて、組織委員会は「ことしの8月は21日間連続で雨が降った影響が大きい」と分析しました。
健康面での影響について、東京都は「今のところ具体的な数字の基準はわからない」と述べました。また、競技への影響について、過去20年以上トライアスロンの日本選手権をお台場海浜公園の周辺で開催している日本トライアスロン連合は「激しい雨が降った時の対策さえとっておけば大丈夫だと考えている」と述べました。
対策として、東京都は、水中スクリーンで海をカーテンのように囲い、雨が降っても汚水などの流入を抑制することや下水処理施設の整備など水質改善の対策を進める方針を示しました。
組織委員会の室伏広治スポーツ局長は「十分な対策を講じて安全で安心な大会が開けるよう力をつくしていきたい」と述べました。
IOCコーツ調整委員長「選手の健康を最優先に」
水質悪化の原因は
「合流式下水道」は、生活排水や工業排水といった汚水と、雨水を1本の下水管に合流させて処理します。
東京都によりますと、都内はおよそ8割がこの「合流式下水道」で、通常、この下水道の水は、処理施設で浄化されたあと、河川に流れ込みます。
しかし、大雨が降った場合は、水の量が増えて処理能力を超えるおそれがあるため、汚水を処理する前に、河川に放流せざるをえないということです。このため大雨が降った後は、河川の出口が集まる東京湾で水質が悪くなる傾向があるということです。
お台場海浜公園は、東京・港区にある入り江を囲むように人工の砂浜や磯が整備されている公園で、水辺の憩いの場として多くの家族連れや若い人たちに親しまれています。しかし、毎年、都が実施している水質調査で、ふん便性大腸菌群の数や透明度などの項目で環境省の定める基準値を日によって上回ることがあり、海底の形状で安全を確保できないこともあって遊泳が禁止されています。
国内大会で利用
このうち、10キロを泳ぐオープンウオーター スイミングは、2020年東京オリンピックの会場に決まったことを受けて、これまでは千葉県館山市で実施していた日本選手権の会場を、去年から、お台場海浜公園に移し、ことしは、先月下旬に公園の水域を8周するコースで行われました。
レースの後、男子で優勝した野中大暉選手は「水質についていろいろあると思うが改善できると信じている」と話し、女子で優勝した森山幸美選手は「オリンピックになれば世界中の選手が来るので、日本でレースができてよかったと思ってもらえるような会場になってほしい」と話していました。
トライアスロンも、お台場海浜公園とその周辺で、日本選手権が毎年行われています。ことしは今月15日に予定され、デモンストレーションとしてパラトライアスロンが初めて行われます。
五輪会場 お台場の水質 「大腸菌」基準値大幅超 対策へ
2020年東京オリンピック・パラリンピックでオープンウオーター スイミングなどの会場となる東京都のお台場海浜公園の水質について、組織委員会と東京都がことし夏に実施した調査の結果、「大腸菌」などで最大で各競技団体の基準値のおよそ7倍から20倍の数値が検出されました。東京都は水中スクリーンで海をカーテンのように囲い、汚水などの流入を抑制して水質改善の対策を進める方針です。
東京・港区にあるお台場海浜公園は、3年後の東京オリンピック・パラリンピックで10キロの距離を泳ぐオープンウオーター スイミングやトライアスロンのスイムの会場となっています。組織委員会と東京都は、ことし、オリンピックとパラリンピックの開かれる7月から9月のうち、合わせて26日間で水質を調べました。
その結果、国際水泳連盟の基準で、「ふん便性大腸菌群」の数が最大でおよそ7倍を検出したほか、透明度が基準を下回り、国際トライアスロン連合の基準では「大腸菌」の数が最大でおよそ20倍という数値が検出されました。
今回の調査で、国際競技団体が定める水質と水温の基準を達成したのは、オープンウオータースイミングでは調査した21日間のうち半数以下の10日間、トライアスロンでは調査した26日間のうち4分の1以下の6日間でした。この結果について組織委員会と東京都、それに競技団体が記者会見し、水質の悪化を示す数値が検出されたことについて、組織委員会は「ことしの8月は21日間連続で雨が降った影響が大きい」と分析しました。
健康面での影響について、東京都は「今のところ具体的な数字の基準はわからない」と述べました。また、競技への影響について、過去20年以上トライアスロンの日本選手権をお台場海浜公園の周辺で開催している日本トライアスロン連合は「激しい雨が降った時の対策さえとっておけば大丈夫だと考えている」と述べました。
対策として、東京都は、水中スクリーンで海をカーテンのように囲い、雨が降っても汚水などの流入を抑制することや下水処理施設の整備など水質改善の対策を進める方針を示しました。
組織委員会の室伏広治スポーツ局長は「十分な対策を講じて安全で安心な大会が開けるよう力をつくしていきたい」と述べました。
IOCコーツ調整委員長「選手の健康を最優先に」
水質悪化の原因は
「合流式下水道」は、生活排水や工業排水といった汚水と、雨水を1本の下水管に合流させて処理します。
東京都によりますと、都内はおよそ8割がこの「合流式下水道」で、通常、この下水道の水は、処理施設で浄化されたあと、河川に流れ込みます。
しかし、大雨が降った場合は、水の量が増えて処理能力を超えるおそれがあるため、汚水を処理する前に、河川に放流せざるをえないということです。このため大雨が降った後は、河川の出口が集まる東京湾で水質が悪くなる傾向があるということです。
お台場海浜公園は、東京・港区にある入り江を囲むように人工の砂浜や磯が整備されている公園で、水辺の憩いの場として多くの家族連れや若い人たちに親しまれています。しかし、毎年、都が実施している水質調査で、ふん便性大腸菌群の数や透明度などの項目で環境省の定める基準値を日によって上回ることがあり、海底の形状で安全を確保できないこともあって遊泳が禁止されています。
国内大会で利用
このうち、10キロを泳ぐオープンウオーター スイミングは、2020年東京オリンピックの会場に決まったことを受けて、これまでは千葉県館山市で実施していた日本選手権の会場を、去年から、お台場海浜公園に移し、ことしは、先月下旬に公園の水域を8周するコースで行われました。
レースの後、男子で優勝した野中大暉選手は「水質についていろいろあると思うが改善できると信じている」と話し、女子で優勝した森山幸美選手は「オリンピックになれば世界中の選手が来るので、日本でレースができてよかったと思ってもらえるような会場になってほしい」と話していました。
トライアスロンも、お台場海浜公園とその周辺で、日本選手権が毎年行われています。ことしは今月15日に予定され、デモンストレーションとしてパラトライアスロンが初めて行われます。