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オーストリアで憧れのスローライフ

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こんにちは!神田です。




旅中に、日本恋しくならない?てよく聞かれます。


私たち二人ともいつも「いや、そんなに恋しくないんですよー」て答えちゃうんですよね。




日本食は食べたくなります。

友達には会いたくなります。

フミくんも私も家族大好きです。




でも、日本が恋しいかって聞かれると。いや、別に。てなっちゃうんですよね。


二人とも日本も大好きなんですよ。

なんでかな。




遠いようで、世界中どこからでも大体1日もあれば帰れることがわかってるからかな。




おわり










2017年9月17日(日曜日)

【オーストリア】 シュピールベルク ~ シュタイアー





夢のような1日が終わり、目がさめると田舎のパーキングエリアだった。





車から出るとかなり強く雨が降りしきっており、周りには何にもない。


パーキングの端っこにはちょっと大きめの祠があり、中にキリスト教の絵が描かれていた。


田舎の寂しい道の脇に取り残された壁画が、寒々しかった。









はぁ………俺たちストーンズに会ったんだなぁ。


人生2回目のストーンズ。

1回目が21歳の大阪で、2回目が35歳のオーストリア。


メンバー全員70代で、もうさすがに日本公演はないかもしれない。


そんなストーンズのヨーロッパツアーが、まさか俺たちがオーストリアにいる時期と丸かぶりだった奇跡。


外せない予定が入っていたわけでもなく、ライブ会場が行ける距離だった奇跡。


そしてチケットが手に入った奇跡。




この世界旅の途中で、俺の最大の音楽のヒーローのライブを観られたなんて、幸せ以外のなにものでもない。

しかもカンちゃんと。



はぁ、確実にオーストリアのハイライトだったなぁ……………


オーストリア戻ってきてよかった…………






もうオーストリアに思い残すことはないくらい結構燃え尽きてしまっているけど、オーストリア生活はまだもうちょっと続く。


インドへのフライトまでキッチリ稼いで、そしてこの大好きな国をもっと深く旅しよう。



車に戻って服を着替えたらエンジンをかけた。























雲に覆われた山並みの中を走り抜けていく。


昨日のあのライブも別次元の世界だったけど、このオーストリアの大自然の景色もまた別次元に美しい。


何ヶ月も過ごしてるけど、オーストリアはいつまででも新鮮な感動をくれる。






旅が日常の人生を歩んできたけど、やっぱり俺の中の本当の原風景は宮崎の日向なんだろうな。


あそこに帰れば、今こうして目の前にある別次元の世界はすぐに遠い過去のことになってしまう。



怖いことだけど、そういう時にカンちゃんがいてくれて良かったと思う。


俺1人だと、これまでの旅が本当に自分がやってきたことなのか不安になってしまう時がある。

記憶が薄れ、あやふやになってしまう。



でもカンちゃんがいれば、2人の思い出としていつまでも共有できる。


もうもしかしたら、1人旅はできないかもしれんなぁ。














途中、マックでちょっと作業して、それからシュタイアーの町までやってきた。


走りなれた道を進んでいき、到着したのはシュタイアー郊外の静かな山あいの集落。


一軒の大きなお家の前に車を止めた。



あー、またここに戻って来るのをこの4ヶ月すっごい楽しみにしてた。



池田さん!!ただいま帰りました!!







「おー、よう帰ってきたなー。もう4ヶ月か。イタリアはどうやった?あれや、フランスではなんや変なところ行っとったなぁ、ルルドはそんなええところやったか?」






いつものあったかい大阪弁で話してくれる池田さん。

ああ、めっちゃ落ち着くなぁ。


最初は緊張していたけど、今では本当に池田さんとラウラさんの空気に心休まる。



そしてまるでお爺ちゃんの家に里帰りしてきたかのようにワクワクする。


池田さんもうラウラさんもお爺ちゃんお婆ちゃんって年じゃないけど。


池田さんすみません!!!!周りのロケーションがってことです!!






つい先日までギリシャにある観光客がほとんどいないような離れ小島でバケーションを楽しんでいた池田さんとラウラさん。


毎日海水浴して、美味しいもの食べて、ひたすらのんびりくつろいでいたみたいで、確かに池田さんの肌も小麦色に焼けている。



俺たちが行ったギリシャの島は世界的に有名なミコノスだけど、池田さんたちが行っていたのは聞いたこともないめっちゃマイナーな島。


何もない、観光地開発もほとんどされていないようなところが気に入って、池田さんたちはこの島にもう20年近く毎年のんびりしに行ってるんだそうだ。


島の人たちともみんな友達で、そういう自分たちの隠れ家みたいなところを持ってるところに憧れるなぁ。


いやぁ、素敵だ。











スイスで買ってきたお土産の十得ナイフをプレゼントさせてもらい、緑茶を飲みながらゆっくりとお話していると、家に電話がかかってきて、ラウラさんがちょっと近所に出かけるけど一緒に行く?と言ってくれた。


なにやら近所のおばちゃんがキノコ採れたからちょっとおすそ分けするわーと言ってるらしく、それをいただきに行くみたい。


というわけでラウラさんとカンちゃん、俺の3人で散歩がてら出発した。













この辺りは山に囲まれて斜面が多く、その斜面のところどころにポツポツと大きな民家が散らばっている。


お隣さんが遠くて、とても見晴らしがいい。


どこからかゴロンゴロンとカウベルの音が聞こえ、静かで、とても平和な田舎の空気。


そんな中を編みカゴをさげて歩いているなんて、どっかのスローライフ雑誌の1ページみたいだ。









すると、ラウラさんが道の脇にある梨の木から実をちぎって渡してくれた。


この辺りの木はほとんど食べてるけど、この木が1番美味しいのよーと言ってる。


こんな道端の木の枝にくっついてる実が食べられるなんて、いつもスーパーで買い物してる身からすると不思議な感覚になるけど、かじってみると確かに甘い梨だった。


自然恵みを身近に感じながら生きるっていいなぁ。










「ああああ、こんな静かな田舎でカゴ持って歩くなんて最高の生活だなぁ。理想的だなぁ。」



田舎でのんびり暮らしたい願望が強いカンちゃんからしたら、このシチュエーションは完璧みたい。



こりゃ本当に絵本の中みたいだもんなぁ。



















坂道を登っていき、あぜ道を進んでいくと、これまた絵本の中みたいな大きな農家さんの家が現れ、中からおばちゃんが出てきた。


古びた家は年季が入ってて、庭のところどころにはもう使われていない農機具が置かれている。


郷土資料館とかに展示してそうな、木の農機具たち。

オーストリアでも、少し前まではこうした旧式の道具で人々は農作業をしていたんだろうな。


猫がニャーンと言いながら出てきて、そこらへんで寝転んでる。