設立当初から高品質を維持するマイクロミル
心地良い苦みときれいな酸のバランス
【コラソン・デ・ヘスス】はスペイン語で「イエスのハート」という意味。インパクトがあって覚えやすいこのマイクロミルが位置するのはコスタリカ サン・ホセ州の東端、先日販売を開始した【ロス・クレストネス】エル・ボスケと同じチリポ地域です。ここ一帯は首都サンホセのある都心部に比べると、ほとんどを山と森に囲まれた自然豊かな土地で、コスタリカ最高峰のチリポ山がそびえます。農地「エル・サリトレ」は10区画に分けて管理されており、一部の区画では2.000mを超える高地にあります。今回販売するロットはなかでも比較的ウェットミルに近い2つの区画で収穫されたコーヒーです。
ミルを管理するのはジョニー・アルバラート・アバルカさん。以前は兄のホセさんと共に設立したマイクロミル「インペリオ・ロホ」の管理者をしていましたが、独立して自身のマイクロミルを立ち上げました。独立した理由は性格の不一致だとか。ジョニーさんはせっかちな性格で行動が早く、一方で神経質な面もあるそうです。ミル設立初年度にも関わらずしっかりときれいに仕上がったコーヒーからはその性格が丁寧かつ正確な仕事につながっていることがうかがえます。今後も、増々期待していきたいマイクロミルの一つです。
そんな彼のコーヒーは非常にクリーンで繊細。程よい苦みを感じさせつつも、柑橘系の、特にオレンジを思わせる優しい酸味と甘みが広がります。派手さというよりは、落ち着きのなかにも彩りを感じるような印象です。バランスもよく飲み飽きないタイプですので、朝・昼・晩と色々なシーンで楽しめるコーヒーですが、みなさんはどんなシーンにこのコーヒーを合わせていただけるでしょうか。
【賞味期限】 豆のまま:60日 粉に挽く:30日
<ロースター小林のコメント>
チリポというエリアには堀口珈琲ではおなじみの『クレストネス』が存在します。そして今回ご紹介する『コラソン・デ・ヘスス』もミル設立初年度ながら良質なコーヒーを産み出し、改めてチリポが優れたコーヒー産地であることを示してくれました。『コラソン・デ・ヘスス』エル・サリトレ農地のコーヒーは一言でいうとオールラウンダーです。立ち昇る香りはヘーゼルナッツのように甘く、口に含むと柑橘の酸と程よいコクが感じられ、その味わいは一貫してクリア。ほんのり苦めのシティロース
トは均整の取れた飽きのこない美味しさです。
地域:サン・ホセ州ペレス・セレドン市リバス、ピエドラ
標高:1,700m~1,760m
品種:カトゥアイ
精製:機械的にミューシレージを除去するウォッシュト
サン・ホセ州を俯瞰した地図。奥の首都サン・ホセに比べ、農園のある手前のチリポ山付近(赤丸で囲まれた地域)は森と谷に囲まれた地域です。
今回販売するコーヒーは「エル・ジャノ」と「エル・アグアカテ」という区画で栽培されたコーヒーです。ミルを挟むような形で両者面に農地が広がっています。
農地「エル・サリトレ」の様子。10区画に分けられ、高い区画では標高2,000mを超えます。「BIENVENIDOS」は「ようこそ」、「FINCA」は「農地」という意味です。
標高の高い区画では霧が発生することが多く、標高以上に冷涼な環境です。
エル・サリトレ農園の区画を地図に書いていただきました。4番がエル・ジャノ区画、5番がエル・アグアカテ区画です。両農地ではカトゥアイ品種とカトゥーラ品種を計10,000本ほど植えていますが、今回のロットはカトゥアイ品種のみで仕立てていただきました。10区画と言いつつも絵には8区画しかありませんね。
エル・ジャノ区画。0.7ヘクタールほどと小さな区画にカトゥーラ品種を栽培しています。
エル・アグアカテ区画。ジョニーさんの息子が木登りして遊んでいました。
農園のコーヒーチェリー。非常に良い色付きをしています。
管理者のジョニー・アルバラード・アバルカさんとご家族。ジョニーさんはせっかちな性格ですが、その割には神経質な面もあるとか。乾燥中のパーチメントコーヒーの撹拌の仕方について担当者に熱心に指導していました。
ここでは農地の様子を写真付きでご紹介しまいたが、同時期に販売している同農地のフレンチローストのページではマイクロミルの様子を掲載していますので、そちらもぜひご確認ください。