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【プロゲーマー・ネモの勝てるゲーマー論】第11回 プロゲーマーへの道のり その6

文●ネモ

プロゲーマーを目指しての活動、その内容の紹介も、今回で6回目となります。いよいよ、今スポンサードをいただいているALIENWARE様とのお話です。
ただ、前回までの記事を読んでいただいた方ならすでに予想済みかと思いますが、話はすんなりと決まったわけではありませんでした。

しかし、今回のお話はスポンサー云々だけではなく、自分のゲーマーとしての成長にもつながるきっかけになったお話でもあります。

まだまだ、悩む場面が続いていきます

ALIENWARE様へプレゼン

まずはアポイントメントから。知人を経由して、メールでALIENWARE様の担当者の方を紹介してもらいました。
その担当の方にお会いする前に、少しALIENWARE様について調べてみると……

「ALIENWAREというブランドは、どのようにしたら快適にゲームをプレイできるか考えるところから始まっている」

そのためにバッテリー、キーボード、タッチパネル、ディスプレイなどに加えて、ソフトウェアやメモリ、さらにはマシンに使っている素材に至るまで拘りを持っているとのこと。コストを下げるよりもパフォーマンスを上げるために、マシンの値段は多少高額になっているわけです。

このようなブランドとしての考え方があることが分かったところで、それを加味して資料を作成し、実際にお邪魔してみました。
早速、担当者の方に資料を見せてプレゼンを行い、スポンサードしてくれるように説得してみたところ……

「現在の計画では、スポンサードさせていただくのは難しいです。ご提案の内容では、弊社のメリットが見えにくいです」

と、これまでにもよくあった返事をいただいてしまいましたが……
ここで、他の企業とは違い、次のような展開が。

「弊社の必要な条件をまとめました。細かい条件は他にも色々つくでしょうが、下記の条件を満たしていただきたいと考えています」

と、このように今までにない形の返事をいただけました。

初めてALIENWARE様へ訪問したのは、2016年1月。そこから再度連絡を取り、プレゼンを行いました。
断られてもめげずにまた連絡を取り、資料を修正して持ち込みプレゼンを行っていきました。

「現在格闘ゲーマー(ネモ)が提案できる企画案と、実体験を元に、今後の格闘ゲームでPCが何故必要になるのかを踏まえた、もっと根本さんにしかできないことを教えてください」

こうして何回か足を運んだところで、このように言われました。
自分にしかできないこととはなんだろう? と、ここで実体験を元に、改めて考えてみることに。

自分にしかできないこと、したいこと

自分にしかできないこと。その前提として、そもそも自分がしようとしていること。
自分がプロゲーマーになって、一番したいと考えることは何か。

「今まで以上に強くなりたい!」

と、考えてみれば実に簡単なことでした。

考え抜いた結果、とてもすっきりした結論に落ち着きました。ゲーマーですから

それに気付いてからは、そのためにできることを考えてみる段階へ。
その過程で、「自分が今まで大会で負けた時の理由」を考えてみることにしました。

前回触れた「Capcom Cup 2015」の初戦敗退や、格闘ゲームの祭典「闘劇」で優勝できなかった理由。自分が過去に参加した大会で、優勝できた時との違い。

そうした過去の経験から、できることのヒントを探してみようと思ったのです。

「闘劇」ではチーム戦で、いつも優勝候補と言われるようなチームで参戦していました。
『ギルティギア』では、自分がチームで一番戦績がよかったために、いつも大将を任されていました。
『ストリートファイターIV』でマゴさん、ときどさんと組んだ時も、大将として、その大会内の初戦でいきなりももちさんと対戦をさせられたものです。相手はそれまでにたくさん試合をしていて、ノッている状態。「Capcom Cup」でも野試合台は用意されていましたが、自分はこうした時、充分に練習ができないまま本番を迎えていました。

このように、自分が勝てなかった時の理由を振り返ってみると、その原因もよく見えてきました。

決勝や大事な場面で負ける理由として多かったのが、その日の初対戦がその試合であったこと。逆に自分が活躍した大会では先に出たり、練習を充分にしてから試合に臨むことができていたのです。

こうして自分の今までの格闘ゲーム人生を振り返り、強くなるために一番必要なのが、普段や直前の「練習」だと分かりました。
そして、どうすればゲームがうまくなるのか? 強くなれるのか? そのために自分にしかできない提案とは何か? を考え、

「ノートPCであれば簡単に海外などへも持ち運びができ、どこでもゲームの練習ができます。海外大会へ遠征する際などに便利であり、今後の結果にも繋がりやすいと考えています」

「また、ゲームセンターへの移植が未定のタイトルであっても、オフラインイベントを行う際、ノートPCであれば設営が楽になります」


これらのことを、次のプレゼンで担当の方に提案してみたのです。

ALIENWAREシリーズにはゲーミングノートも充実していますから、いいアピールになるのではと

このような提案をしてから、ようやく担当の方に興味を持っていただき、

「来年度の予算などを見て、プロゲーマーとして採用させて頂くか検討したいと思います。根本さんの資料を、PDFでお渡しください。社内で検討します」

と、良い返事をいただくことができました。
遠征やオフラインで気軽に対戦に使えるという観点で、格闘ゲーマーとノートPCという組み合わせに、今後の可能性を感じていただけたようです。

3ヶ月近く訪問を続け、ようやく資料を受け取ってもらうことができました。
こうして、あとはその返事を待つことになったのです。

■プロゲーマー・ネモの勝てるゲーマー論

第1回 格闘ゲームの上達は攻略を鵜呑みにするな
第2回 格闘ゲームが上達する3つのサイクル
第3回 プロゲーマーと社会人との両立はできるのか?
第4回 格ゲーの上達とモチベーションの秘訣は自キャラの変更にあり
第5回 “e-sports”という言葉に込めるもの
第6回 プロゲーマーへの道のり
第7回 プロゲーマーへの道のり その2
第8回 プロゲーマーへの道のり その3
第9回 プロゲーマーへの道のり その4
第10回 プロゲーマーへの道のり その5

■ネモ選手のプロフィール
1985年1月5日生まれ。本名は根本直樹。2016年7月にALIENWAREとプロ契約を行う。平日はシステムエンジニアとして会社員の顔と週末はプロゲーマーの顔の2つを両立する社会人プロゲーマー。
ストリートファイターシリーズをはじめ、Guilty Gear シリーズや、アルティメット マーヴル VS. カプコン 3、King of Fighterシリーズなどの格闘ゲームをマルチにプレイする。2016年は、TOKYO BUTTON MASHERS 2016(CAPCOM Pro Tourランキングトーナメント) ストリートファイターV 4位、Tokyo Offline Party vol.2 トーキョーオフラインパーティ2 ストリートファイターV 優勝、羊城杯(中国) ウルトラストリートファイターIV 個人戦 優勝など数々の戦歴を誇る。

■関連リンク
ネモ選手のTwitter
https://twitter.com/good_nemo