待遇面や出世スピードなどに優れた総合職に就きたいを考える人は多いはず。今回は女性が総合職を目指す際に必要なことや、一般職との違い、女性特有の悩みなどを交えながら転職や就職できる方法を考えてみましょう。
一般職と総合職の違いとは？
混同されがちですが一般職と総合職はまったく異なる職種であるといえます。仕事内容以外にも責任感や転勤の有無、給与面などの待遇が異なってきますので、これらについて説明します。
業務に対する責任の重さ
もっとも大きな差は、業務にかかる責任の重さではないでしょうか。一般職はパン職とも呼ばれ、事務的な作業や営業の補佐、その他雑用などを引き受ける仕事が多いです。
これらの仕事も企業の中では必要なものですが、直接売り上げや人員に影響する範囲は狭くなっています。それに対し、総合職は「総合的に判断する」ということが主な責務です。
営業やマーケティング戦略の指針を決定することや、人員の配置や仕事量を調節するなどの他の部署や人、売上やコストに及ぼす範囲が広いのが特徴。そのため責任が重く、判断に知識や経験が必要となってきます。やりがいや充実感があって誇りを持って働けるでしょう。
転勤や配属変更の有無が違う
総合職の人たちは転勤や配属変更が発生しやすい職種といえます。
一般職は事務的な作業を行う部署に配属されると、長くその場所で務めることが多く、その間に資料の扱い方や手続き方法に慣れ、部署内でのコミュニケーションを取りながら円滑な業務ができるようになっていく必要があります。
しかし、総合職は一定の期間を経て問題が解決すると、別のプロジェクトや勤務地で新たな任務達成に向けて、力を発揮することを求められることがあります。
一つのことに慣れるというよりは、臨機応変にその場の問題点を解決することが総合職の仕事になりますので、転勤や配属変更による環境の変化に対応できる順応性も必要です。
出世スピードや待遇面
総合職はその責任や仕事量に比例して、一般職よりも待遇面が優れています。一般職での出世やキャリアというのはあまり聞きませんが、総合職は出世ルート。
昇給やボーナスなどの待遇も用意されているので、「せっかく働くのなら、上を目指しつつお金を稼ぎたい」と考える人におすすめの職種です。
総合職を目指すうえでの悩み
どんな仕事にも悩みは付きものですが、総合職を女性が目指すうえでの悩みは大きく分けて2つ考えられます。一つは仕事の多忙さから婚期を逃す可能性があること、もう一つは産休や育休から復帰しにくい可能性があることです。
結婚するタイミングを逃しやすい
どんな仕事でもそうですが、責任が重く業務が常に忙しい仕事を頑張る女性にはなかなか結婚するタイミングがありません。
仕事もプライベートも両立させ、うまく立ち回っている方もいますが、なかなかそう簡単にできず、気づけば年齢を重ねてしまったという人も多くいます。出産時の年齢を考えると焦りもあると思います。
今は選択肢が多く結婚が人生の全てではありませんが、それでもいつかは家庭を持ちたいと考える人は男性、女性に関係なく圧倒的に多いです。結婚するタイミングはしっかり見極めていきたいですよね。
自分の人生設計の中で、そろそろ結婚したいと考えているなら、いったん一般職として勤務しながら結婚をし、その後、一般職での経験を活かして総合職へと転職するという方法もありますが、問題点もあります。
「結婚しているのですぐに産休に入ってしまうのではないか」「子供のことで休みが多くなりそうだ」と考える人事担当がいる会社の場合、採用のハードルは高くなってしまいます。
産休や育休からの職場復帰の難しさ
総合職という仕事の内容や責任から、産休や育休開けの職場復帰が厳しいのが現実。総合職を希望する人も多いため、欠員補充も非常に早い職種です。
さらに、企業としてもポストを長期間空けておくことが難しいポジションなので、休み明けまで席を空けて待ってもらえる可能性が少ないこともあります。
仕事の内容も特殊な資格が必要であることや、スキルがないとまったくできないようなことがないため、ほかの人にポストを取られやすいともいえるのです。
そうした職種のため、子育てをしていきたい女性が長く務めることは難しく、悩みのタネを多く抱えてしまいがちです。
また、一定期間は専業主婦として頑張った後、スムーズに職場復帰できたとしても、仕事に対する意欲や意識が高い人たちほど、最終的には退職する道を選ぶケースも少なくありません。
育児と仕事のバランスを取っていくことはやはり難しいのでしょう。そういった出産後の葛藤や女性の働きかたについては、“「育休世代」のジレンマ”（中野円佳／光文社新書）が参考になると思います。
総合職を目指す就職活動や転職活動の方法
総合職を目指すにはどういった企業を中心に探し、就活・転職活動の対策をしていけば良いのでしょうか。狙い目の業界やどういったサービスを利用すべきかなどの対処法をアドバイスしたいと思います。
大手銀行やメーカー系といった組織の大きな企業が狙い目
総合職にこだわって就職や転職活動をしているなら、大手銀行やメーカーなど規模の大きな企業を中心に案件をチェックしてみましょう。
何故なら、中小企業やベンチャー企業には総合職という役職が少なく、そこまで体制が整っていないことが多いため、しっかりとした組織ができ上がっている企業で案件を探す方が効率良く就職・転職活動ができるからです。
総合職という職種でも、きちんと仕事内容を確認しておかないと、名ばかりの総合職で入社してみると実際は一般職と変わらない扱いをしている企業もありますので注意が必要です。
自分のアピールポイントが活かしにくいときには転職サイトや転職エージェントを利用する
総合職の場合、明確な必須スキルがないことで、自分の価値や特徴、経験を活かしたアピールの方法が見つけにくいことがあります。
もちろん案件によっては簿記や秘書検定などの資格を要件としている場合がありますが、それらを持っていたとしても「自分の価値をどう売り込めば良いかわからない」と悩む人も少なくありません。
たとえば、研究職やエンジニアといった職業の場合、大学で研究していたことやこれまで扱ったツールの経験などを用いて、具体的に自己アピールできます。
一方、商社の総合職を希望する場合は、自分がそのポストに最適であるというアピールをするには、一人で情報収集をしても限界があります。
社風や実際の職場で行われている仕事内容、求められる人物像など、会社の中のことがわかっていれば就職・転職活動を有利に進められますので、転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめ。
特に転職エージェントは、企業とあなたの両方をしっかりと分析、マッチポイントを見つけてくれますし、転職までのスケジュールもしっかり管理してくれます。
中でも「リクルートエージェント」は業界最大手という知名度と幅広い企業とのつながりを持っていますので、頼りがいのある転職エージェントです。
学生気分がどこか抜けない第二新卒の人、就活や転職活動の経験があまりない人、そして多くの実績やキャリアを積んだハイクラスの人材まで幅広く対応できるので、どんな人でもまずはリクルートエージェントに相談してみてください。
希望や経歴に合った求人案件が見つかるでしょう。あなたが活躍できる職場と出会うためにぜひ活用してください。
まとめ
総合職は転職の中でも内定を獲得することが難しい職種といえますので、それなりに準備をしないとなかなかうまくいかないでしょう。前述の通り希望者が多いため倍率が高く、面接などの選考対策が取りにくいことが主な原因です。
特に女性は男性と比べると、体力面の不安や結婚などの将来的なことを不安視されますから、それらをクリアするにはまずは実績を積むのもひとつの対処法といえます。
一つの企業で長く働き、転勤などを経験しておいたうえで、自分がどれだけ功績を残せたかを具体的に話すことで説得力が増します。
企業ごとに個別の対策を行なう必要もありますので、その際には、企業サイト以外にも転職サイトや転職エージェントの力を借りて効率的に準備をしましょう。
転職エージェントは無料で面接対策のほか、書類添削などもサポートも行なっていますので、自信のない人は利用してみることをおすすめします。
社会人としての基本的なマナーや意識の向上、総合職にかかわる濃い情報収集までできるので、きっと心強いパートナーになってくれるでしょう。