ニュース
» 2017年10月04日 08時55分 公開

不正アクセスを検知できず:Equifaxの情報流出は「人為ミスと技術的失敗」、前CEOが証言 (1/2)

Equifaxのセキュリティ部門が行ったスキャンではApache Strutsの脆弱性を発見できず、同社のセキュリティツールも不正アクセスを検出できなかった。

[鈴木聖子ITmedia]

 米信用情報機関大手のEquifaxから顧客の個人情報が大量に流出した事件に関連して、責任を取って辞任した前CEOが、米下院の委員会で事件の経緯を説明した。同社は10月2日、影響を受けた米国の顧客は当初の発表より250万人多い計1億4550万人だったと発表している。

photo Equifaxは、情報流出事件について、影響を受けた米国の顧客は当初の発表より250万人多い計1億4550万人だったと発表している

 この事件ではEquifaxが9月7日の発表で、消費者の個人情報が大量に流出していた事実を公表。その後の調査で、米国のWebサイトのアプリケーションに存在していたApache Strutsの既知の脆弱性(CVE-2017-5638)を悪用されていたことが分かった。

 Equifaxのリチャード・スミス前CEOは責任を取る形で辞任し、最高情報責任者と最高セキュリティ責任者も交代人事が発表されている。スミス氏は10月3日に行った米下院小委員会での証言で改めて謝罪し、事件が起きた経緯を説明した。

 それによると、米国土安全保障省のセキュリティ機関US-CERTから、Apache Strutsの脆弱性についてパッチを適用するよう通知があったのは2017年3月8日。Equifaxは消費者向けのWebサイトでStrutsを利用していた。

 Equifaxは3月9日の社内メールでStrutsを更新するよう担当者に指示したが、48時間以内の対応を定めたセキュリティ部門の規定があったにもかかわらず、この時点では社内でStrutsの脆弱性は発見されず、対応も行われなかった。

 さらに、3月15日に情報セキュリティ部門が行ったスキャンでもStrutsの脆弱性は検出できず、EquifaxのWebアプリケーションに存在していた脆弱性が放置される形になった。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Special

- PR -

デジタルトランスフォーメーション実践のための3ステップ、キーとなるのは「API」。具体的にどう取り組むべきか? 成功した4社の事例とは?

競争力としてのデジタル化を迫られる日本の製造業。データを外に出したくない、現場とITのより強い連携――そんな悩みに30年向き合ったエバンジェリストが出した答えとは

“組織内部からの漏えい”と“外部からの脅威”を的確に対策することで、情報漏えいの8割を対策できる。その2つの原因をカバーするソリューションとは。

接続した順番や位置により、スピードや安定性が変わる無線LANに悩んでいませんか。最新の平等通信対応アクセスポイントなら、皆がストレスなく無線LANを使えます。

2020年1月にWindows 7の延長サポートが終了します。Windows 10に順次移行する必要がありますが、そのためには準備が必要です。何をすればいいのか確認しましょう。

ビジネスにIoTへの取り組みが欠かせなくなってきたが、セキュリティ面の懸念から、踏み出せない企業は多い。こうした企業を、支援できるのは通信サービス事業者である。

Special

- PR -

社内無線LANのトラブルにもう振り回されない、最新アクセスポイントの秘密

さらなる対策が迫られているセキュリティ対策に必要な2つの視点とは

ランサムウェア対策、市場動向など、セキュリティに関する最新情報をチェック

国内2100社を支えるEDI製品は、なぜ“Linux版SQL Server”に早期対応したのか

"APIが世界を飲み込む"時代を生き残るには? DX実践で、キーとなるのは?

IoTを推進するには、避けて通れないセキュリティ 支援してくれるのは……!?

モノづくりを見つめて30年、シニアなエバンジェリストが考える製造業の未来

メーカー以外の事業者が保守を行う「第三者保守」、そのメリットと品質とは

2020年1月に延長サポートが終了。今からWindows 10移行を着実に進めよう。

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ