ミュージカル風なアイドルソングを聞いてたら「アイドルはミュージカル」だと思った話。

2017年7月19日リリース、夢みるアドレセンスの9thシングル「ララララ・ライフ」。

なんか耳馴染みのあるタイトル、ミュージカル調の楽曲

某映画に便乗したかのような曲です・・・

ただ、何故かアイドルとミュージカルの親和性って結構高いですよね。

絶対といっていいほど有名なアイドルは持ち曲にミュージカル風な曲があります。

でも、それは本当にカバーする音楽ジャンルの中にミュージカルがあるというだけ?

もっとアイドルとミュージカルは近くに位置するエンターテインメントではありませんか?

今回はそんな「ミュージカル風アイドルソング」を聞いてたら「アイドルってミュージカルなんじゃないか」と感じた話をしたいので少々お付き合いください。

目次

  • ミュージカル風なアイドルソングって何?
  • 某映画のオマージュ?:夢みるアドレセンス「ララララ・ライフ」
  • レジェンドアイドルのミュージカル:モーニング娘。「Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~ 」
  • 少人数ゆえの分かりやすさ:ももいろクローバー「ミライボウル」
  • 作りこまれた世界観:清竜人25「Mr.PLAY BOY...♡」
  • アイドルはミュージカル?

ミュージカル風なアイドルソングって何?

そもそもミュージカルとはなんぞやって人もいることでしょう。

ミュージカルは、音楽台詞およびダンスを結合させた演劇形式。ユーモア、ペーソス、愛、怒りといったさまざまな感情的要素と物語を組み合わせ、全体として言葉、音楽、動き、その他エンターテイメントの各種技術を統合したものである。ミュージカル・シアター(演劇)の略語で、ミュージカル・プレイ、ミュージカル・コメディ、ミュージカル・レビューの総称である。

引用:Wikipedia

ということです。

とりあえずミュージカルの曲はこんなのですよというのを1つだけ貼っておきますね。

Someone In The Crowd / La La Land

映画「ラ・ラ・ランド」の劇中歌「Someone In The Crowd」です。

壮大なストリングスにお洒落なブラス、小気味良いテンポがワクワクを加速させませんか?

こころなしか衣装の色分けとかアイドルっぽくないですか?

こういう曲がお好きな方はこちらの記事も併せて読んでみてください!

【ブルーノ・マーズも!】ミュージカル映画の曲が楽しすぎる

さて、本記事で紹介する「ミュージカル風なアイドルソング」はつまり「

ミュージカル的要素を従来よりさらに濃厚にしたアイドルの楽曲」のことです。

有名なアーティストの曲をいくつか紹介します。

夢みるアドレセンス「ララララ・ライフ」

ララララ・ライフ / 夢みるアドレセンス

まずは件の夢アドの「ララララ・ライフ」、いかがでしょうか。

元メンバー・山田朱莉の脱退から新体制1発目のシングルです。

イントロからハイハット使いがまんまさっきの「Someone In The Crowd」じゃん…

1分50秒過ぎの台詞パートは「レ・ミゼラブル / ジャン・バルジャン」を引用してるし、その後のスポットライトを使っての演技っぽいやつとか、ミュージカル感モリモリの曲です。

絶対ラ・ラ・ランドを意識した曲だとは思うんですけど、2017年2月末公開の映画に影響を受けて5か月後の今これリリースするってちょっと仕事遅すぎやしませんか・・・?

と思ったんですが、どうやら山田朱莉が脱退したのが3月末でいろいろ忙しかったんですかね夢アド・・・

夢見る少女じゃいられない / 夢みるアドレセンス

ちなみにミュージカルとは関係ないですが、カップリングのこの曲は相川七瀬の名曲をカバーしたものなんですけど、アレンジが完全にXの紅です。

途中でXジャンプするし・・・

紅 / X

「夢みるアドレセンス」が「夢見る少女じゃいられない」を歌うの良いですね。

私は夢を見ていたいので、頼むから不祥事とかは勘弁してください・・・

モーニング娘。「Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~ 」

Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~ / モーニング娘。

2001年発売、モーニング娘。13thシングル「Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~」です。

ブロードウェイなどの王道ミュージカルというより宝塚テイストなMVも併せて楽しみたい一曲。

ただ曲としては宝塚よりもギラついており、ホーンセクション中心のアップテンポロカビリーといったところでしょうか?

MVでは、吉澤ひとみ、後藤真希、安倍なつみのメインボーカル3人は男装しているためキャラクターが立っていますが、その他10人がほとんど完全に裏方に徹している状況です。集団アイドルとしてミュージカルの世界を表現するのは難しいですね。

アイドルは個々にファンがいるので、全員をピックアップできるような少人数の方がミュージカル風な曲の良さが発揮される気がします・・・

さて、モー娘。はこの1年前にもミュージカルの風な楽曲をリリースしています。

I WISH / モーニング娘。

MVが短編の物語になっており、ミュージカル仕立ての演出がなされた一曲です。

ただ、CDで聞いただけだとミュージカル要素をつかむことは難しいかもしれません。

この曲のMVのストーリーは、「共通の夢を持っていた少女たちが道半ばに夢を諦め、主人公:矢口真里がバラバラになってしまったみんなともう一度夢を追いかけようと奮闘する」というお話です。感動。

特に目新しい要素ゼロ・なんの変哲もないストーリーですが、メロディと歌詞がどちらもとんでもなく素晴らしいため最強の楽曲になっています。

人生って すばらしい ほら いつもと同じ道だって なんか見つけよう!

Ah すばらしい Ah 誰かと めぐり会う道となれ!

でも笑顔は大切にしたい Yeah 愛する人の為に・・・

引用:歌詞タイム

別にこの歌詞がつんく♂にしか書けない歌詞だとは言わないです。

ただ、「このメロディに乗せる歌詞の正解はコレだよ。」と突きつけられたような、圧倒的なセンスを感じる一曲だと思っています。

ももいろクローバー「ミライボウル」

2011年、ももいろクローバーの3rdシングル「ミライボウル / Chai Maxx」からミライボウルです。

早見あかり(青色担当)が在籍しており、グループ名にまだZがついていない頃の傑作。

作曲は前山田健一と大隅知宇、編曲はNARASAKIという製作陣の豪華さよ・・・

ももクロの楽曲製作陣については以下の記事で深く触れているので気になったら是非読んでみてください。

ももクロの楽曲製作陣が凄いという話がしたい

さて、この曲の特徴はなんといってもAメロの歌ラップ(メロディ無しの状態で歌詞を曲に当てはめる手法)ですね。

作曲段階ではメロディ有りだったそうですがプロデューサーの意向でこの手法が採られたそうです。

またサビのテンポアップは展開を印象付けるとともにアイドルらしさを押し出す良いスパイスに。

既に曲だけでミュージカル感があふれ出ています。

映像面ではメンバー一人一人に特徴あるキャラクター付けがなされており、歌詞の歌い分けによっても個々が映えるミュージカル風アイドルソングの模範的なPVといっても良いのではないでしょうか。

ここにきて少人数アイドルの強みが出ましたね。

ところで、ももクロの所属する事務所には私立恵比寿中学という妹分アイドルも所属しています。

仮契約のシンデレラ / 私立恵比寿中学

ももクロと違って人数が多い・・・

そう感じた方も少なくないでしょう。

それもそのはず、設定としては「私立恵比寿中学1年B組の生徒達」 自称:King of 学芸会

ただリリースした全曲が一貫して学芸会のようなエンターテインメントソングというわけではないのであしからず。

ミュージカル風アイドルソングという括りで紹介すべきか迷いましたが、本曲は「劇×音楽」という視点から見るとどうしても外すことができないと思ったのでちょこっとだけ紹介させていただきました。

清竜人25「Mr.PLAY BOY...♡」

Mr.PLAY BOY...♡ / 清竜人25

天才シンガーソングライター・清竜人のアイドルプロジェクトである清竜人25、2015年リリース3rdシングル「Mr.PLAY BOY...♡」

このアーティストはMVよりもライブを見ていただきたい。

モーニング娘。の「Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~」と同じくハリのあるホーンセクションが印象的、低音の効いたキック音で自然に身体が動き出します。

もちろん、曲後半メンバー達の激しいツイストダンスは必見です。

たしかに音やパフォーマンスがミュージカル風な曲

・・・ですがそれだけに非ず。

彼らに関しては曲調がミュージカルチックだとかそういう次元じゃありません。

泣く子も黙る唯一無二の一夫多妻制アイドル。

1stシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」では結婚式を、3rdシングル「Mr.PLAY BOY...♡」では夫人らとの出会いを、6thシングル「My Girls♡」では彼ら夫婦の日常生活を描き、そして2016年11月のライブでは、今までの夫婦生活を振り返る集大成のような曲「25♡」(2017年2ndアルバム収録曲)で解散を発表しました。

25♡ / 清竜人25

上記に挙げていないシングルカップリング曲やアルバム収録曲も「清竜人25物語」として矛盾しないものになっています。

音楽、ダンス、一貫したストーリー性に主人公・清竜人を支える個性豊かな夫人達。

ミュージカルアイドルとして存在がエンターテインメントだった清竜人25、大勢のファンに惜しまれつつも人気最高潮の中2017年6月に解散しました。

こんなアイドルがこの先も出てきてくれるといいのですが・・・

アイドルはミュージカル?

さて、ここまでミュージカル風なアイドルソングを紹介してきましたが、冒頭でも書いたように結局今回伝えたかったのは、

「アイドルはミュージカル」なんじゃないの?ていうことなんです。

何言ってんだコイツと思われている方もお時間あれば少しだけ読んでみてください。

「アイドルはミュージカル」

つまりは、そもそも多くのアイドルは本質的にミュージカル的エンターテインメント要素を包含しているのではないかということです。(清竜人25はメンバーのキャラクター付けや楽曲を通してアイドル活動を軸のブレない一つの物語として成り立たせた特殊な例ではありますが・・・)

一般的なアイドルには音楽・歌・ダンスは必須だし、曲中で急に台詞をぶち込んでくることだって少なくありません。

また予算無しのセルフプロデュースでないかぎり音楽のジャンル・パフォーマンスの多様性はバンドやシンガーソングライターと比べてかなり広いですよね。

そして、特徴あるメンバーでの歌い分けもミュージカルと似た要素。

では、ファンはそのアイドルを何故応援するのでしょうか。楽曲がいいから?メンバーが可愛いorかっこいいから?

もちろんそれらの要素もありますが、大半は「そのアイドルの軌跡を楽しんでいるから」でしょう。

舞台や映画を見て笑ったり感動したりするのと同じように、アイドルというのはただの音楽グループではなく彼女たちの喜怒哀楽を自分の感情に投影して楽しめる一種のエンターテインメントなのではないでしょうか?

以上から、観客への見せ方や観客の鑑賞スタンスという面でアイドルはミュージカルに非常に似ている...と思います。

「アイドルはミュージカル」

もしこの筆者の無茶苦茶な持論に賛同してくれる方がいらっしゃいましたら、是非友達になってください。

よろしくお願いします。

《 engw 》
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