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Apple Watchと正反対な子供向けスマートウォッチ Swingに見た可能性:山根博士のスマホよもやま話

装着してるだけで自立心が養える

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iPhone Xのナゾを実機でズバっと解決 カメラ機能はすべての面でワンランク上

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LTE対応モデムを搭載したことで通話も可能になり、Apple Watch Series 3への注目が久々に高まっている。しかし、その一方でスマートウォッチの製造から撤退するメーカーも増えている。台湾メディアの報道によると、ASUSのジェリー・シェンCEOは今年8月に発売したZenFone 4の上位モデルが好調な売れ行きであることを報告した一方で、同社のスマートウォッチ「ZenWatch」の開発終了をほのめかした。今のスマートウォッチは電池寿命が短く、時計としての実用性が低いためだ。

スマートウォッチがスマートフォンの代わりになる、そんな夢物語が語られたのは数年前のこと。しかし画面の狭さや操作性の悪さからスマートウォッチの多機能・高機能化は実現しなかった。スマートウォッチの未来を語るときに「スマートフォンの無い生活もたまにはいい」という声も聞かれるが、あらゆるモノとモノが繋がるIoT時代においてそれはナンセンスと筆者は考える。

今やオール・コネクテッドの時代、スマートフォンの電源を切ることはあっても、スマートフォン無しで半日を過ごすのは難しい。もちろん運動中などは荷物を持てないからスマートウォッチだけに頼らざるを得ない時間もあるだろうが、それでもカバンの中にスマートフォンを忍ばせずに日常生活を送ることは不可能だ。

ましてや電池のもたないスマートウォッチ、充電を忘れてしまえば結局スマートフォンを持ち運ばねばならない。スマートウォッチにスマートフォンの代わりを少しでもさせようと思えば、結局は充電問題がどこまでもつきまとうのである。

では、スマートウォッチにはもう未来は無いのだろうか? 実はスマートウォッチ型の製品は今でも数多く新登場している。中でも運動量を計測する活動量計の機能を売りにした製品は種類が豊富だ。サムスンも2017年9月に開催されたIFA2017では「Gear Sport」「Gear Fit2 Pro」という2つのウェアラブル製品を発表したが、どちらもスポーツ用途をアピールしている。

Gear Sportは水泳へ本格的に対応した初の製品であるが、その中身は同社のスマートウォッチ「Gear S」シリーズと変わらない。画面をタップしてみれば、円型のアイコンが円周状に並ぶ様はスマートウォッチそのものだ。しかしサムスンは製品発表会でこれらアプリのことにはほとんど触れず、運動量の測定に適した製品であることを大きくアピールした。スマートウォッチのアプリで何ができる、といったことに多くの消費者が関心を示していないからだろう。


活動量計(アクティビティトラッカー)はこれからのスマートウォッチの方向性のひとつ

一方、中国では子供用のスマートウォッチが大流行している。GPSや通話機能を備え、子供がひとりで登下校したり外出中にも親から確実に居場所を確認でき、連絡が取れるからだ。共稼ぎが多く、ひとりっ子政策により兄弟もいない子供たちが多い中、中国の子供用ウォッチは独自の進化を進めている。とはいえ通話やGPS機能を搭載すると電池の持ちはやはり短くなってしまう。

そこで発想を大きく変え、スマートウォッチの役割をスマートフォンのコンパニオンや通知ではなく、子供の自立心を養うための教育製品として仕上げた製品が登場した。台湾のKids Dynamic Techが開発した「Swing Watch」は、従来のスマートウォッチとはまったく異なる機能を持った製品だ。


見た目はただの子供用腕時計の「Swing Watch」

Swing Watchには通話機能も通知機能も、そしてGPSも内蔵していない。Swing Watchは子供に1日のスケジュールを音声で通知してくれる「音声通知型」腕時計だ。スマートフォンのアプリに子供の1日の予定を登録し、Swing WatchとBluetoothで接続すればその予定がすべて転送される。あとはスマートフォンが無くとも、Swing Watch単体で動作が可能だ。

朝になればSwing Watchが「おはよう」と音声で起こしてくれる。夕方の指定時間になれば「もう家に駆る時間だよ」と同様に音声で通知してくれるのだ。ペットを飼っている子供のために「ペットに餌をあげる時間だよ」という通知もアプリで登録できる。アクションは全部で24種類あるので、かなりの予定を子供に感知させることができる。


本体背面の大きいスピーカーから大きい声で通知される

カラフルなカラーのSwing Watchは腕に装着しているだけで楽しくなるだろう。「宿題の時間」「おふろの時間」など、子供が毎日忘れてしまいがちな行動を腕時計が話して教えてくれれば、子供たちも素直に従うかもしれない。また「宿題をしないんだったらその時計を取り上げる」と言えば、子供は次からはしっかりと時間を守ってくれるだろう。Swing Watchを通して、子供が自分で何かをするようになればしめたものだし、メーカーはそうなることを願っている。

毎晩子供と翌日の予定をアプリを見ながらインプットすることで、親子の間でより親密な会話も生まれるだろう。いずれは子供が自分でアプリを操作し、自分の予定を管理するようにもなるかもしれない。


楽しく自立心を養えるとしたら、なかなかすごい製品だ

本体はIP55の防塵防水に対応、加速度センサーを内蔵し歩数などの活動量も記録、スマートフォンのアプリで管理できる。さらにはUVセンサーも搭載している。一度の充電で5日間使えるので、1週間に2回程度の充電で毎日利用できる。そしてなによりもカラフルな本体に時間がわかりやすいアナログ時計を搭載している。見た目も高価なスマートウォッチには見えないから、盗難の心配も少ない。

Swing Watchはヨーロッパやアメリカで発売され、日本でもクラウドファンディングサービスのMakuakeが資金調達に成功、日本語音声モデルとして発売予定である。価格も1万円を切っており、腕時計と変わらない値段で買える。予定を通知してくれるだけという単機能な製品だが、子供が毎日腕にはめたくなる、そんな製品こそが本当の意味でのスマートな腕時計だと私は思う。

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