４日の東京株式相場は小幅に続伸する見込み。米国の自動車販売統計が好調で、米消費に対する楽観的な見方が広がる。自動車など輸送用機器株のほか、銅やニッケルなど金属市況の上昇を材料に非鉄金属株も買われそうだ。

　　一方、国内の主要株価指数は前日に２年ぶりの高値を更新しており、目先の利益確定の動きが出やすく、朝方の買い一巡後は伸び悩む可能性がある。

　　いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「米自動車販売の増加はハリケーンのリカバリーがあって、一時的にしろ株式市場にとっては大きく、好ましい」と指摘。日本株にとってもプラスで、「大型株の上昇基調の中で、自動車セクターは割安感がある」とみている。

　　米シカゴ先物市場（ＣＭＥ）の日経平均先物（円建て）の３日清算値は２万0675円と、大阪取引所の通常取引終値（２万0600円）に比べ75円高。

　　自動車メーカー各社が３日に発表した米国の９月販売統計によると、トヨタ自動車が前年同月比15％増と最も高い伸びとなった。ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が12％増、日産自動車が9.5％増など大手メーカーの全てがアナリスト予想を上回った。調査会社のオートデータによると、９月の業界全体の自動車販売は季節調整後ベースの年率換算で1860万台と2005年７月以来の最高水準に到達。これは、市場予想平均の1740万台を上回る。　

　　３日の米国株は、年初来最も好調な月間販売統計を受けた自動車株の上昇を支えに、Ｓ＆Ｐ500種株価指数は0.2％高の2534.58と６日続伸、終値での過去最高値を更新した。ダウ工業株30種平均も0.4％高の22641.67ドル。また、３日のロンドン金属取引所（ＬＭＥ）では銅やニッケルなど金属市況が上昇した。

　　この日の日本株は自動車など輸出、非鉄など素材セクター中心に買いが先行する見通し。ブルームバーグ・データによると、東証輸送用機器株指数の予想ＰＥＲは11.2倍と、ＴＯＰＩＸの14.9倍を下回る。非鉄は、メリルリンチ日本証券が業界判断の強気を継続、ＤＯＷＡホールディングスや住友金属鉱山、三井金属の目標株価を引き上げたこともプラスに働きそうだ。

　　一方、いちよしアセットの秋野氏は、ＴＯＰＩＸや日経平均株価は２年ぶりの高値圏にある上、衆院選も控え「上値は重い。今後は利益確定を交えながら、選挙に向かっていく」との認識も示した。きょうは大型株主導で自動車のほか、半導体や機械株、割安感のある銀行や不動産株が買われる半面、これまで買われていた小型グロース株が売られると予想している。

　　けさのドル・円相場は１ドル＝112円80銭近辺で推移、前日の日本株終値時点113円15銭に対しややドル安・円高水準で取引されている。３日の米10年債利回りは2.32％と２ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）低下した。