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【社会】

「水俣病は終わってない」何度でも 坂本さん「条約会議」で訴え

 【ジュネーブ=共同】熊本県水俣市の胎児性水俣病患者坂本しのぶさん(61)は二十八日、「水銀に関する水俣条約」第一回締約国会議が開かれているスイス・ジュネーブの国際会議場でスピーチし「水俣病は終わっていない。公害を起こさないでください」と訴えた。スピーチは公式プログラム「水俣への思いをささげる時間」の一環。不自由な体をもって、水銀被害の深刻さと規制の重要性を世界に示した。

 坂本さんは、水俣病を巡る訴訟が続いていることや、水銀を含む汚泥が市内の埋め立て地で管理されていることから、水俣病問題は未解決だとした。汚染された魚介類を母が食べ、胎内で罹患(りかん)した体験から「女の人と子どもを守ってください。一緒にしていきましょう」と締めくくった。

 西田弘志(にしだひろし)市長(58)も演説し「世界中で手を取り合い、健康や環境を第一に考える社会を目指すべきだ」と強調した。環境省親善大使の県立水俣高二年沢井聖奈(さわいせな)さん(16)も「水俣の悲劇を忘れないでください」と呼び掛けた。

◆坂本しのぶさんスピーチ全文

 【ジュネーブ=共同】私は坂本しのぶです。水俣から来ました。お母さんのおなかの中で水俣病になりました。胎児性水俣病です。いろんなことができません。走ったり、水俣病になっとらんば、いろんなことできたのにと思えば悔しいです。(原因企業の)チッソを絶対許せません。

 私は15歳の時にスウェーデンに行きました。水銀の恐ろしさを伝えに行きました。61歳になりました。(他の患者も)みんなどんどん(体の状態が)悪くなっています。歩けなくなりました。(今着ている)このTシャツは胎児性の人が(メッセージを)書いてくれました。みんなの気持ちを持ってきました。私も悪くなっています。これが最後だと思って来ました。

 何べんも何べんも言ってきました。水俣病は絶対に終わっておりません。今も裁判で闘っている人がおります。(水俣では)水銀が埋め立て地にあります。県も国も何もしておりません。患者の気持ちになってやってください。水俣病は終わっておりません。

 公害を起こさないでください。女の人と子どもを守ってください。一緒にしていきましょう。

 

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