『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の薄い本が出ます。
知的冒険の書として『ゲーデル、エッシャー、バッハ』なるものがある。タイトルが長いので、頭文字をとってGEBとしよう。
GEBは、ダグラス・ホフスタッターという天才が、知を徹底的に遊んだスゴ本だ。不完全性定理のゲーデル、騙し絵のエッシャー、音楽の父バッハの世界を、「自己言及」のメタファーで縫い合わせ、数学、アート、音楽、禅、人工知能、認知科学、言語学、分子生物学を横断しつつ、科学と哲学と芸術のエンターテイメントに昇華させている。
「天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である」と言ったのはスタインベックだが、ホフスタッターに付き合って知を追いかけていると、とんでもない高みまで連れて行かれることを保証する。
ただし、このGEB、質量的には鈍器である。とても面白いが、とても重い。
この厚いGEBの薄い本を作ろうという企画があり、参加させてもらった。「読むとGEBを読んでみたくなり、GEBを読んだらまた読みたくなる」がコンセプト(GEBと不思議の環を成す)だという。
もとは、「ゆるふわゲーデル、エッシャー、バッハの会」という読書会で、その名の通り、ゆるくGEBを読もうという会だという。発起人の白石さんが、このブログの記事『ゲーデル、エッシャー、バッハ』はスゴ本にピンと来てGEBを手にしたという。嬉しい限りなり。
そういえば、そもそもGEBを手にしたのは、『数学ガール』の結城浩さんのおかげ。ブログか日記で、「何度読んでも得るものがある」と絶賛していたのを目にして俄然読む気になったのが縁なり。今から思い返すと知的好奇心だけを頼りに冒険に飛び出したわたしの無謀さが、恥ずかしいやら有り難いやら(おかげで素晴らしい旅になったから)。
この場を借りて、結城さんにお礼を申し上げる。素晴らしい本とめぐり合わせていただいて、そして、素晴らしい本を書いていただいて、ありがとうございます。
GEBの薄い本は、GEBそのものの早めぐり、GEBの歩き方、音楽方面からの再解釈、腐女子のためのBL化など、薄いわりにバラエティ豊かな同人誌になる模様。わたしは、GEBへの熱い思いを語ったインタビューと、「GEBの読前・読後にお薦めする本の紹介」で参加いたしまする。詳しくは以下をどうぞ。
技術書典3
10/22(日) 11:00-17:00
秋葉原UDX(アキバ・スクエア)
参加無料
サークル名:ゆるげぶ[URL]
配置:き40
GEBの同人誌って、世界初だろうな......
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