米ロックミュージシャン、トム・ペティさんが自宅で急死

今年2月、ロサンゼルスで演奏するペティさん Image copyright Getty Images
Image caption トム・ペティさんは2002年、ロックの殿堂入りした。写真は今年2月、ロサンゼルスで演奏するペティさん

米ロックミュージシャンのトム・ペティさんが2日、カリフォルニア州マリブの自宅で急死した。66歳だった。家族が発表した。

ペティさんは2日早朝、呼吸も止まった心停止状態で発見された。病院に救急搬送されたが、同日夜に亡くなったという。

長年のマネージャー、トニー・ディミトリアデスさんは文書で、「米西岸時間午後8時40分(日本時間3日午後0時40分)、家族やバンド仲間や友人に囲まれて、穏やかに亡くなった」と発表した。

ペティさんは、「トム・ペティ・アンド・ザ・ハートブレイカーズ」のリードシンガーとして、「アメリカン・ガール」、「Free Fallin'」、「Learning to Fly」、「Refugee」などのヒット曲を生み出した。

ペティさんとハートブレイカーズは、ブルース・スプリングスティーンやボブ・シーガーなどと共に、米国のハートランド・ロックの流れの最先端にいた。ハートランド・ロックは、シンセサイザーやファッション的要素を排除した曲作りを重視した。

ペティさんは1980年代後半には、「トラベリング・ウィルベリーズ」に参加。ボブ・ディラン、ロイ・オービソン、ジェフ・リン、ジョージ・ハリソンと組んで、ツアーして回った。

ディランさんは米紙ロサンゼルス・タイムズに、「ショックで打ちのめされている」と話した。「トムは最高だった。素晴らしい演奏者で、光にあふれて、友達で。絶対に忘れない」。

ペティさんは1989年にソロアルバム「Full Moon Fever」でも高く評価された。このアルバムで、ジェフ・リンと共作した人気曲「Free Fallin'」を発表した。

ペティさんは2002年に、ロックの殿堂入りした。

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トム・ペティさんは「アメリカン・ガール」、「Free Fallin'」などのヒット曲を作った

ペティさんは1950年にフロリダ州ゲインズビルで生まれた。

1950年代にエルビス・プレスリーと握手したのを機に、音楽の道を志したと言われている。

17歳で高校を中退し、後に「ザ・ハートブレイカーズ」を結成するマイク・キャンベル、ベンモント・テンチと共にバンド「マッドクラッチ」に参加。後にペティさんは、このころにラジオでポップスを聞いて腕を磨いたと話している。

バンドは1970年代初め、レコード会社との契約を求めてロサンゼルスに移動。ペティさんはプロとして仕事するようになったが、バンドは間もなく解散した。

1975年になって仲間4人が再び集まり、「ザ・ハートブレイカーズ」を結成。翌年にアルバム「トム・ペティ・アンド・ザ・ハートブレイカーズ」でデビューした。

バンドは今年夏、ロンドンのハイド・パークで演奏した。結成40周年を祝うライブだったが、今となっては英国での最後の演奏となった。

ツアーを1週間前に終えたところだった。

今年4月に米テネシー州ナッシュビルで演奏するペティさん(右)とザ・ハートブレイカーズ Image copyright Getty Images
Image caption 今年4月に米テネシー州ナッシュビルで演奏するペティさん(右)とザ・ハートブレイカーズ

(英語記事 US musician Tom Petty dies aged 66

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